
トレイルランニングシューズ一足に負荷がかかり過ぎだから、もう一足欲しいな~とか考えて街を散策していたら、安売りされている「On Cloudultra 3」を発見した。
「Onか~。ロードランや普段履き用途としては大好きだけれど、トレイルはあまり良かった印象がないぞ」とか思ったりはしたのだけれど、結局手元にある。見た目に惚れた。
見た目に惹かれて購入したため、期待値はそこまで高くないトレイルランニングシューズ「On Cloudultra 3」について語ってみる。
なお、俺はトレイルランナーではなく、健康のためにロードランと登山をする靴好きである。一応100km以上、不整地を走ったり歩いたりしたけれど、本業でもなんでもないので参考程度によろしく。
Onのトレイルランニングシューズ「Cloudultra 3」

これが「On Cloudultra 3(オン クラウドウルトラ3)」である。
Onらしい穴あきソールがイカすトレイルランニングシューズで、冒頭の通り、ほぼ見た目に惚れての衝動買い。本来の用途的には、ガチのトレイルランナーが競技で使用する「On Cloudultra Pro」をデイリートレーニング用に落とし込んだものだ。つまり割とガチな代物。
俺はセールで買ったので、色は白しかなかった。このモデル、黒以外は総じて淡い色合いなのはなんでだろう。不整地で使おうものなら当然汚れが目立つ。
そういうモノと割り切ってしまえばいいのだが、活動後に公共交通機関を利用すると、なんというか申し訳ない気持ちにはなる。「汚い靴で歩いていてすみません」って感じ。軽く水で流す程度では、見た目が綺麗にならねんだわ。
通気性&耐久性良好なアッパー

やや脱線したが、本題に入る。
アッパーは、目の粗い一枚もののメッシュアッパー。…素材感としては、ぶっちゃけ網戸。マジで網戸。

目が粗く中が透けて見えるだけあって、通気性は抜群。暑い場面では最高。画像の通り光りものを入れると、ランタンシェードかというくらい光が漏れまくる!
また、素材自体があまり水を含むものではないため、汗や雨に濡れても重量が増えにくいし、速乾性も高い。耐久性も高く、岩や木に何度も擦ったが、やや毛羽立った程度で大きなダメージはない。
ただし雨や砂埃入りまくる!
問題点としては、メッシュが粗い故、軽度の小雨レベルでも水が入り込み、靴下が濡れる。靴下側にも速乾性の高いものを活用するべきシューズだ。
それと、小砂利など足にダメージを与えるものは防げるが、細かい砂ぼこりは入り込む。ハイマツとか細いものも刺さる刺さる。
履いた後は前足部に泥汚れがついて、足がジャリジャリ。毎度、履き終わった後の前足部の汚れ具合にビビる。
スピード重視という程ではなく、安定した走行感
ミッドソールは硬すぎず柔すぎず

靴底は6mmドロップで、緩やかなロッカー形状となっている。穴はドミノ倒し形状の「CloudTec Phase」。
最近は、底ゴムだけトレイル向けに変更したかのような、ロードランニング譲りの超反発系シューズも多いけれど、その類ではない。Cloudの名前から連想する、雲やバネのような反発を期待すると拍子抜けするだろう。

柔らかすぎず、硬すぎず、足を保護しながら足上げを補助するような微反発に収まっており、長く走り続けるための堅実な感触である。速力がそれほど出せず、なんなら歩く時間の方が多い俺としては非常にありがたい。
あまり詳しくはないけれど、トレイルランニングの中でも、スピードランではなく、長距離を走るウルトラランニングを見越したモノなのだと思う。名前もウルトラだしね。
前足の硬さによる安定性、後足の柔らかいクッションが絶妙

二層構造のヘリオンHFハイパーフォームは、上段が柔らかく、下段が硬め。前足部から中足部にかけては、ナイロン製プレートが入っている。
底材側が前足部でカッチリ固まっているから、靴底の厚みの割に足裏感があるし、ブレなく安心して踏めるのがいい。
またクッションの強いカカト側の衝撃吸収性は逸材で、段差を多少雑に降りてもショックをうまく吸収してくれる。

穴も地味にいい仕事をしていそうだ。Onの別モデルでは、この穴に石や泥が挟まるみたいなトラブルもあったものだが、これは穴が小さいおかげで、そういったことはない。
Missiongripアウトソールは悪くはない
過去作の経験上然程期待してなかったけれど悪くない

アウトソールは、Onオリジナルラバー素材「ミッショングリップ」に、トレイルランニングシューズでトレンドのシェブロン系パターンである。
このシューズの前に買った「On Cloudalpine」のグリップに良い印象がなかったため、全く期待していなかったのだけれど、コンパウンド変更によるものなのか、ラグパターンによるものなのかは分からないが、割と普通によろしい。
Vibram Megagrip 採用して欲しいというのが正直な意見

ただラグの量がやや少ないのと、高さも3mmと高い方ではない故か、砂利や柔らかい土などでは食い込みが浅く滑りやすい。ロードを走ることも見越してなのかもだけれど、個人的には4mm以上は欲しい。
また少し湿ったコンディションだと接地面丸ごとズルっと持っていかれる場面が目立つ。体感でしかないが、定番のビブラムそしてスポルティバ・サロモンなど長い間独自ゴムを採用してきたメーカーと比べ1段は落ちる。
「ビブラムメガグリップ採用してくれ」というのが正直な意見であるが、「絶対ダメ!こんなの使えない」というほどでもない、という印象だ。
On定番底に石や泥が詰まることはない

中間が深くえぐられているのは、グリップ力と軽量性のトレードオフだろう。足裏全体を置いて踏ん張るような場面ではちょっと弱いけれど、大きな支障は感じない。

Onではこういう隙間に石が挟まるというのが定番の欠点であったが、これは挟まるようなことはなかった。
白い部分はフォーム材剥き出しなので、石を踏み抜くことで穴が開くけれど、実用上の支障はない。
工夫が詰め込まれており履き心地良好
シュータン周りの完成度は高く満足

シュータンは、アッパーと連結されたガゼットタイプで、要所にクッションが入っている。個人的に特に不満はない。100点満点。

On定番になってきている、シューレースを束ねるゴムもナイス。

シューレースパターンは割と普通。レースロックは当然可能。
シューレースは平紐で特別解けにくいモノではない。ぶっちゃけ超微妙で、普通の蝶々結びだと怖い。変えてしまっても良いかも。
ヒールカップ周りはややクセ強め

ヒールカップは下段以外がやわらかく、固めるようなサポート感薄め。インナーのクッションは多い。

カップ周りの彫りが浅く、足の骨が当たる人も多いかもしれない。俺はミドル丈の靴下を履いて、特に支障はない。
ヒール周りは、万人受けする形ではなく、ちょっとクセ強めなので、購入前に履いて確かめて欲しいところではある。
インソールは通気性に優れる

インソールはピンホールが開いたフォーム素材。履いた後はいつもインソール下が泥で汚れている…。通気性が良くて何より。

インソールと靴の形状が絶妙で、組み合わさると足のアーチサポート感がマックス。
逆に言うと、別のインソールを入れるとバランスが崩れるので、そこは注意が必要。スーパーフィートとか厚手のヤツとは相性良くない印象だ。
重量は厚底ランニングシューズ相当

26.0cmで、片足重量「267g」。
厚底ロードランニングシューズと、それほど重量は変わらない。引き換えに、全体を通してガードなどはないので、足をぶつけると痛い。
普段履きにもアリ ※雨や砂埃が入るけれど…

ちなみに、デイリーユースの街歩きという視点で見ると、ソールの感触は大いにアリ。
一番底がカッチリしているので、電車や階段で足元が安定するし、反発もそこそこあって楽。グリップも濡れたタイルは少々弱いが、それ以外は万能。砂利だろうが、泥だろうが無問題。ハイクッションランニングシューズより使い勝手が良いかと。
見た目もよい。今や穴あき底シューズなんて、パクリの王スケ〇チャー〇から作業靴メーカーまで作っているけれど、それらとは完成度が違う。色っぽいよな、コレ。ミッドソールとアッパーのラインに繋がりがあって、眺めているとウットリしちゃう。
ただし、網戸みたいなメッシュアッパーは、雨も風もジャンジャン通すし、街中も意外と埃っぽい故、足が汚れる。それを許容できるかどうかだ。
On Cloudultra 3 サイズ感 -甲周り狭め-

サイズは「中足部細め」「爪先上部の空間が高め」「アッパーの伸縮性なし」「ヒールはやわらかく懐広め」といった印象。
甲高だとキツいかも。何せ中間辺りが狭く、アッパーが伸縮しない。俺のような細足的には好都合である。
あと、爪先は横幅ではなく、縦方向に空間が多い。足先の解放感は高いのだが、保持力が低いとも取れる。好みが分かれる部分だと思う。

先行して少々触れているけれど、履き口が高め。相性の悪い人も結構いるだろう。俺は無問題。
俺は素足サイズ25.5cm、靴下込み25.7cmぐらいで、長さ26.0cmを選択。捨て寸が考慮されている作りとはいえ、バチバチのジャスト。
セール品の26.5cmが欠品していたから強行したが、トレッキング用の中厚手靴下が履けないから、ハーフサイズ上もありだよな~と、ちょっと微妙な感じ。普段履きなら絶対ハーフサイズ上にする。
意外と良かった!予想外!!…ただし

「HOKAとかメレル買っといた方が絶対いいのに」と思いつつ、見た目とセールの響きに惹かれて買ってしまったが、意外と良かった。予想外。
過度ではなく適度にある反発と、厚底らしからぬ剛性が絶妙で、安心して足を運べる。アッパーの作りは文句なしで、流石On。薄底靴にハマる前に求めていた、俺の登山靴の理想形のようだ。
トレイルランニングだけではなく、一般標準タイムより数時間速く登れるなら、走らない山登りにもアリかと。トレイルランニングが本業ではないのもあって、俺は山登りをメインに使っている。
Onは「CloudTec Phase」構造で、トレイル・ハイキングモデルを全部作り直した方がいいんじゃないだろうか。実に出来がいい。「作ろうぜ!!New Cloudrock & Cloudalpine!!Clouds〇m〇とかデイリー寄りアイテム作ってる場合じゃねぇ!」

ただ、人にオススメできるかというとNO。値段的にビブラムメガグリップ採用シューズとかち合っているからだ。なんならチョットコッチの方がお高い…。
ビブラムグリップ以外を使うなら、アディダスのコンチネンタル、サロモンのコンタグリップとか、そのレベルまで達してほしい。上級トレイルランナーは多少のグリップなんて気にしないようだが、パンピーにとってはグリップ力超重要なのだ。足さばきが悪いから、その分ラバーに助けてもらいたいのだ。
アウトソールラバーだけは高評価できないが、Onが好きとか、見た目が気に入ったとか、「人と違うモノが……」とか、ちょっと拘りがありつつ選ぶ分には悪くはないと思う。
悪くはない。結構気に入っている。
…が、この辺の強豪を無視して選ぶ程素晴らしいモノであるかというと、どうなんでしょうね?って感じ。