「白」と「黒」のシンプルスニーカーが最強にして無難。ということで『前記事』にてレビューした「白」シンプルスニーカー「STAN SMITH BEAMS」を購入したのだが、同時に「黒」のスタンスミスも購入してしまった。それが本レビュー対象「Stan Smith Recon」である。
スタンスミスのハイグレード版である上質な革素材を使用した「Recon(リコンあるいはリーコン)」。その黒色モデルをレビューする。
STAN SMITH “RECON” とは
1969年から1985年にかけて活躍した伝説的テニスプレイヤー「スタンレー・ロジャー・スミス」こと通称「スタンスミス」氏。そんな彼が愛用して活躍したアディダスのスニーカーを改良したものが、彼の名を冠する「スタンスミス」だ。「スタンスミス」は、そのシンプルなデザインから多くの人に愛され世界一売れたスニーカーとしてギネスにも認定されている。
そんなこんなで広く愛されている「Stan Smith(スタンスミス)」なのだが、今回は「Stan Smith “Recon”(スタンスミス リコン)」の黒を購入した。「Recon(リコン/リーコン)」の名はスタンスミスのハイエンドモデルであることの証明。通常モデルよりアッパーに「上質なレザー」を使用して、ステッチも見直した高品質なモデルである。革素材は品質が良いほど、長持ちするし経年による味が出る傾向があるから歓迎すべきポイント。
スタンスミスは多くの人に愛される王道スニーカーだけあってかなりの確率で被るのだけれど、リコンであれば通常モデルより単純に流通量が少なく値段が若干高いから被る可能性も減る。「スタンスミス好きだけど、他人と丸被りするのはちょっとなぁ」という人にもオススメだ。
Stan Smith Recon 2020 [品番FZ5467] 外観
外箱
スタンスミスリコン定番特別仕様の外箱。
ホワイトの箱にゴールドでスタンスミス氏のサイン。シンプルデザイン。蓋を開けた状態でチラリと見えるネイビーカラーがイカしてる。
チョイとお高いスタンスミスを購入したという意識を高めてくれる箱だ。店頭で購入して受け取ったら結構アガるのではないだろうか。この箱好き。
正面(爪先側)/シュータン
上質なレザーを謳うだけある見た目。1万円付近のスニーカーでは見ない革質。スムースレザーモデルより自然なシボ。ビジネスシューズの革に近い。
ガラスレザー的な派手な光沢はなく、落ち着いてしっとりとした輝きを放つ黒革。クリームでお好みの光沢も手に入れることが出来るだろう。経年変化が楽しみな上質なレザーである。
紐通しが初期状態で「シングル」であった。ビジネスシューズやドレスシューズに向いた紐通しだが、シックなブラックレザーに合っている。「リコンシリーズ」方針だと思うのだけれど、こういったちょっとした拘りはすごく良い。すごく良いとは思ったが、好みの関係上「アンダーラップ」に変えようと思う。心意気は忘れない感動した。
シューホールは金属素材で囲まれている。スタンスミス的には当たり前だけれど、紐通しがスムーズになるしヒモも傷みにくい結構大切。
スタンスミスリコンのポイントなんだけれど、通常モデルにはあるシューホール内側横のステッチがない。細かな変更ではあるのだけれど、シックなデザインに磨きをかけている。
シュータンにはキンキラ☆スタンスミス氏☆金色のところは立体的でクッションが入っている。金色は長期的にはハゲそうな気がする。
外の革は薄く、ステッチ内側はクッション入りでもふもふ。最初は足当たりが硬いので、ちょっと長めの靴下を履くといいだろう。
側面
アウトサイドに金色「STAN SMITH」ロゴ。コレに関しては賛否両論だろう。若干「否」のほうが多いかもしれない。通常モデルの「白」に「金」だとそこまで目立たないけれど、「黒」に「金」は凄まじく目立つ。遠目でもメチャクチャ分かる。まるで夜空に煌めく一番星☆
類似品や下位モデルとの差別化を意図としているのだろうけれど、別にいらないと思うのは少数派ではないはず。スタンスミスのサイドは、三列に並ぶベンチレーションホールのみのシンプルさが魅力だと思うのだ。主張したいのであれば、スーパースターやキャンパスでいい。俺は要らないから削るかタッチアップペンで黒く染める予定。
インサイドはシンプル。
革が新品で固いから形状が馴染んではいないが、シェイプが程よくついている。使用している内に足に沿って形を変えるだろうし、シワもいい感じに付くだろう。今後が楽しみである。
背面(踵側)
「アディダストレフォイル」ロゴは金色。金色部分が凹んでいる。あまりにも黒色だとカジュアル感なくすから、いいアクセント。
ネガティブなポイントは、通常モデルよりヒールの絞りが少し甘い。真後ろから見るとロゴのついているヒールパッチからソールまでのラインが少しずんぐりとした印象を受ける。丸みがやや欠ける。革素材が通常モデルより固いため、加工が難しくなったことによる影響だと思う。遠目からだと全くわからないレベルではあるが欠点。
ソール/トップライン/インソール
ソールはラバー素材でカラーは革素材よりやや明るめの「黒」。アウトソールパターンはスタンスミスのいつもどおり。
ミッドソールにも「アディダスロゴ」。ソールは通常モデルと代わりない。
トップライン/ライニング
内側の素材もすべてレザー。長期的に見たときに革素材はファブリックより傷みにくいし、リペアも簡単。素晴らしい「オールレザーライニング」である。素材も程よい柔らかさがあるから、擦れて足が痛むこともない。スタンスミスリコンが持つ通常モデルと比較したときの大きなアドバンテージだと思う。
インソールは通常モデルと違い土踏まずにサポートつきで、踵にクッションある。歩きやすさに貢献している。私的にはリコンのソールの方が断然好み。
重量
サイズ「26.5cm」で重量は「350g」
同サイズのスーパースターが「393g」、キャンパスが「369g」ビームスコラボのスタンスミスが「369g」
ハイテクスニーカーとかランニングシューズと比べてはいけない。adidasスニーカー的には普通。
まとめ [シンプルデザインと上質なレザー]
スタンスミスリコンは、ハイグレード版スタンスミスの名の通り上質なレザーを纏っている。経年による変化は、そこらへんのスニーカーとは段違いだろう。長期的に楽しく履けそうな靴である。
サイドの「STAN SMITH」金ロゴは俺的に要らないけれど、そこはどうにでもなるのでオールオーケー。ビジネスカジュアルやモノトーンコーデには勿論様々な場面で活用できること間違いなし。
2020年12月14日アディダスは「スタンスミスは、サステナブルへ」をキャッチフレーズに、スタンスミスをPUレザー化すると発表した。今後は暫くの間、当レビュー対象である高品質レザー素材を使用した「Stan Smith Recon」は勿論、その他レザー素材スタンスミスの入手が難しい状況となるのは間違いないので、レザー素材が好きな方はお早めの購入をおすすめする。
もう入手は厳しい。リンクは代替案。
2022年度のスタンスミスリコン(H03704)
ペプルド(ツブツブ)レザーで癖強め。