
前々から気になっていた薄底ランニングシューズ「アルトラ エスカランテ 4」が、モデルチェンジ前の在庫処分でかなり安くなっていたので購入した。
海外で先行販売している次期モデルとさほど変わりないように見えるし、いい買い物だったのではないかと自己満足。
超薄底ベアフットシューズと厚底ランニングシューズのローテーションの間に、薄底のエスカランテを挟んでみようと思った次第である。というわけで、走ってみた感想を述べる。
アルトラの薄底ロードランニングシューズ

改めまして今回紹介するのは「アルトラ エスカランテ 4」。
コンクリートやタイルなど比較的荒れていない路面での使用を想定したロードランニング向けで、アルトラの中でも比較的薄底であることが特徴のシューズだ。冒頭の通り海外では新型「エスカランテ5」が既に発売されていて、近日中に日本でも型落ちになるだろう。
見た目はよく言えばシンプル。悪く言えば靴下的。個人的には、後発の5は洗練されてスタイリッシュだなと思うけれど、4は悪くはない程度に留まる。どことなくアルトラデザイン過渡期の古い雰囲気を感じる。
アルトラ エスカランテ4 外観・特徴
アッパー:普通厚エンジニアードメッシュで無難
程よい厚さのエンジニアードメッシュ

アッパーはエンジニアードメッシュ。
昨今の足が透けて見えるような超軽量タイプではない。基本程良いが、夏超暑いとキツい。

光を中から当てた写真。
風抜けは甲部分に集中している。通気性も特別良くも悪くもなく、オールラウンド系。

靴全体を通して、特に補強フレームなどは少なく、メッシュで足を包み込むような作りとなっている。
アルトラらしいオブリークトゥ

足なりのオブリークトゥ形状。
甲がバッチリ締め付けられている中、足指が解放されている独特な感触はアルトラならでは。足指の解放感がたまらない。
シュータン・シューレース:割と普通
シュータンは薄手で通気性あり

シュータンはそこそこ薄手。
昨今流行りのアッパーと連結したガゼット構造ではなく、完全に分離している。
シューレースは変えてもいいかも

シューレースはややオーバルな平紐。ややツルツルで正直微妙。余っている紐があれば変えてもいいかと。
レースホールは丸ではなく、つぶれた四角形のため、場所ごとに締め付け具合を調整しやすい。一方で滑りはあまり良くないとも言える。
ヒール周り:グニャグニャでサポートしないスタイル
ヒールカウンターほぼなしグニャグニャ

ヒールカウンターはほぼなしのグニャグニャナチュラル系。靴底が薄いので、ヒールが柔らかくてもブレようがないのである。

簡単に潰れるグニャグニャ。
かかとを踏みつけるように履いたらすぐにダメになるので注意が必要だ。
内側のクッションはそこそこ厚手

内側のクッションも普通厚といったところか。厚くもなく薄くもなく。
ソール周り:ゼロドロップ薄底!!
ゼロドロップで薄底24mm

靴底の厚みは昨今のランニングシューズとしては薄めの24mm。ドロップはゼロで、若干のつま先上がり形状。

クッション素材は「Altra EGO(イゴー)」。少し前まで「イーゴ」と言っていたけれど、「イゴー」呼びにした模様。
アルトラの代表作ローンピークなどにも採用されている定番素材の一つだ。
グリップは然程良くはない

アウトソールは前足部とかかとに配置されている。
コンクリート上では特に物申すことはないが、雨上がりや埃っぽい路面ではグリップはあまり良いとは言えない。

ゴム面積や排水溝というよりも、ゴム素材の粘りがイマイチな気がする。ロードランではグリップがありすぎるのも良くはないらしいが、もう少々あってもいいかな~というところ。
次作エスカランテ5ではゴム面積が若干増えていたので、改善されたかもしれない。逆にそれ以外大きく変わっていないようにも見える。
インソールは意外と厚手

昨今のランニングシューズ付属インソールとしては、厚手でクッションのあるものが入っている。
あえて薄手のものに変えれば、軽量化と足トレにつながるかと。
全体を通して無難なようで、無難じゃない部分がある

全体を通して、メッシュや内側のクッションなど無難なところは無難に作られているのだが、アッパーやヒールがやたら柔らかく、ソールが薄いなど、ちょいちょい無難じゃないところがあるという印象。
安物とは違って工夫があるし、作りも丁寧。シンプルな薄底ランニングシューズに定価2万円以上?とやや疑問を持っていたものだが、「まぁアルトラならこんなもんか」というところで納得できないこともない。
ただ、ビブラムグリップやカーボンプレートが付いているわけでもないので、「もう数千円安くても…」と思わなくもない。
アルトラ エスカランテ4 重量(US8.5:229g)

重量はUS8.5(26.5cm)で229g。
厚底トレーニング用ランニングシューズの類よりだいぶ軽め。250g以上の靴と比べると、ワンランク上の軽やかさ。
ただ、ミッドソール素材「Altra EGO」がそこそこ重量があるみたいで、メッシュと薄めのソールからイメージできるほど軽くはない。
アルトラ エスカランテ4 サイズ感:意外と細め
アルトラ公式の推奨は「足の実寸+1.3cm」

サイズについては、アルトラ公式の推奨は「足の実寸+1.3cm」。
俺は足実寸25.5cm程でUS8.5(26.5cm)を購入。アルトラは基本US8.5。次点でUS8.0で、US9.0を選ぶことは多分ない。他メーカーだと基本26.5cmで、モノによって27.0cm、稀に26.0cmという感じ。
アルトラオリジナルフィットに該当

エスカランテ4は、アルトラの中で「(狭)スリム > スタンダード > オリジナル > ワイド(広)」のオリジナルフィットに該当する。別途所有しているローンピーク9+と全く同じはずなのだが、エスカランテは甲がそこそこ低い。
俺の場合、エスカランテはUS8.5以外ありえない。最高のフィット感だ。ただ上下どちらか選べと言われれば、ハーフサイズ上。
これがローンピーク9+だとUS8.5を買ったが横が緩い。薄手の靴下しか使わないならハーフサイズ下を選ぶのもアリだったかなと思っている。ハーフサイズ上は絶対になし。

画像ローンピーク9+同サイズのアッパー持て余してる感は、エスカランテ4ではない。
同じメーカー・同じサイズ・同じオリジナルフィットなのに不思議。結局、靴底のフィットが同じでもアッパーの素材で何もかも変わるというわけだ。
甲が高めの人はちょっと苦しさを感じるかもしれない。でも足先は広く、シュータンの可動域も広いので、ハーフサイズ上を買うのも一概にいいとは言えない微妙な感じ。とりあえずWebで買うなら「足の実寸+1.3cm」を信じてGO。
アルトラ エスカランテ4 使用感
思った以上に跳ねない!!己の自力で走る靴!

走った感触としては「跳ねないなぁ」というのが素直な感想。ランニングシューズ特有の跳ねる感触がうっすい。
ソール厚24mmで昨今のランニングシューズとしては薄いから、とかそういう話ではない。よくランニングシューズのクッションを「雲のように弾む」と表現するものだが、コレは「餅のよう」というべきか、もっちりネットリしていて潰れて終わる。
強いて言えば、叩きつけた時の衝撃吸収はバッチリ。膝へのダメージは少ない。

靴底が曲がり、元に戻る力を利用した板バネ効果は「そこそこあるじゃない!」と思ったのだけれど、新品当初だけで、何度か繰り返し使用して折れ癖が付くとそうでもなくなる。ゼロではないんだが、これまたうっすい。
思った以上に跳ねなくてビックリ。
速度をアシストする気ゼロ。ゼロドロップ構造による転がり込む感触がないのも相まって、靴の補助なしで自分の力だけで走っているって感じだ。つま先までキッチリ使って走らないと、まるで速度が出ない。結構スパルタン。
超薄底ベアフットシューズのお友達

強いて言えば、超薄底ベアフットシューズと比べると、もっちりしたクッションが地面からのショックを緩和してくれている。それと、なんやかんやで24mmの厚さがあるので、一応板バネ効果はあるし、石を踏んだ感触がダイレクトというほどではない。ベアフットシューズ比では優しい。
シューズに頼らない地力を付けるための、足トレガチ勢とド変人のための変な靴。それがエスカランテ4。
完全にベアフットシューズのお友達だ。アルトラ全般曲者揃いだが、エスカランテもなかなかのモノである。
ジムトレーニングや街歩きにいいかも

ここまでランニングシューズ視点でお送りしたが、街歩きやジムトレーニング用途では一般人にも大いにアリ。
ジムトレーニングなんて本当にちょうど良いかと。安定して踏ん張りの利く薄底だからウエイトトレーニングにも良いし、なんやかんやランニングシューズの類だからジム内のジョグやトレッドミルにも良し。安定感が命な立ちっぱなしの仕事にもいいかもしれない。
また、そこそこ足の筋肉を使う薄底も、日々のウォーキングや街歩きにはちょうどいいものである。ただ歩くよりも健康的だ。
「足裏を鍛えたい」という稀有な発想が頭によぎった人はようこそ!

ややフォローしてみたものの、別にオススメはしない。
普通に走りの地力を付けたいなら、アシックスのターサーシリーズとかアディダスのadizero RCでいい。その方が楽しいし安い。トレーニングするならナイキのメトコンとか、もっと専用寄りのものを買おうぜって感じ。
それと最近シティユースでもアルトラ流行ってるけど、一般的な用途ではエスカランテよりトーリン・ボイジャー辺りが無難じゃないかと。個人的には見た目もそちらの方が好み。
「足裏を鍛えたい」という稀有な発想が頭によぎった人はようこそ。エスカランテは最高の選択だ。
反発性の薄いこのシューズは、自力での歩行・走行を促し、最高のトレーニングになるだろう。それでいて超薄底ベアフットシューズよりも安全だし、汎用性も高く、見た目も割と普通。俺は結構気に入った。
エスカランテ:ゼロドロップ厚さ24mm
ゼロドロップや薄底に慣れていない人は歩きから始めると良い。
エスカランテレーサー:ゼロドロップ厚さ22mm
アッパーが薄手で耐久力低そうだから見送ったが、より軽く薄底なレーサーもある。
トポアスレティックST:ゼロドロップ厚さ14mm
アルトラと近い思想のトポアスレティックさん家のムチ打ち担当。底14mmとエグい。