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家電/AV機器

AKG N200A WIRELESS レビュー [ 定価で買うなセールで買え! ]

高いお金を払ってまで欲しいものでもないし、中華製品も何だかなぁ…ということで、ずっとスルーしてきたワイヤレスイヤホンを購入した。ありがとうAmazonプライムデー!

コードレスな完全独立型イヤホン市場競争が激化する中、俺が今回購入した商品は左右一体タイプなネックバンド型。「AKG ワイヤレス スポーツヘッドホン N200A WIRELESS」である。完全独立型ブームで隠れ気味であるが、”セール価格であれば”割と狙い目な商品だと思った。

AKG N200A WIRELESS のスペック

・ドライバー:ダイナミック8.6mm
・接続方式:Bluetooth V4.2(BTコーデックUHQ AAC/SBC)
・音楽再生時間:約8時間
・充電時間:約2時間(10分間の充電で約1時間再生)
・防水企画:IPX7(一定時間の水圧に耐える)
・本体重量:約21g
・カラー:ブラック、ホワイト、オレンジ、ブルー
・定価価格:1万4800円(税抜)

今回紹介するのは、オーディオメーカー「ハーマンカードン」社傘下「AKG(アーカーゲー)」が販売するワイヤレスイヤホン「N200A WIRELESS」。AKGは1947年にオーストリアで設立された音響機器メーカーで、フラットかつ原音を意識したサウンドが特徴と言われているブランドだ。

「N200"A" WIRELESS」は2018年度に販売したAKG初ワイヤレスイヤホンである「N200 WIRELESS」より防水性と装着性を高めて、スポーツユースに向いたものにしたモデル。雨や汗など全く問題にならない防水性能最高等級IPX7対応なのが嬉しい。

一方で「N200 WIRELESS」では、対応していた高音質コーデック"aptx形式"は非対応になっていたり、ハウジングがアルマイト処理したアルミニウム合金からプラスチックになっていたりと劣化点も目立つので、防水性能付いた完全上位互換ではないことは頭に入れておく必要がある。一長一短。

AKG N200A WIRELESS の定価は高すぎ

いきなりネガティブなお話だけれども、この商品「AKG N200A WIRELESS」に定価価格1万4800円(税抜)の価値はない。元よりAKG商品はブランド料金を盛る節はあったけれど、この商品は盛りすぎ。明らかにブランド料金5,000円以上は盛ってると思うのよ。

加えてこの商品が販売された2018年度と違い、イヤホン業界の流れも劇的に変化している。アップルさん家の「AirPods」を筆頭に、昨今のトレンドは完全独立型ワイヤレスイヤホン。ネックバンド型でノイズキャンセリング等の付加価値がない「AKG N200A WIRELESS」に1万円オーバーの価値は皆無。

AKG N200A WIRELESS はセールが狙い目

最初に「ありがとうAmazonプライムデー!」と書いた通り、俺はこの商品をAmazonのセールで購入している。定価の半額以下で購入した。AKGも完全独立型の流れが激化する中、このネックバンド型ワイヤレスイヤホンが売れないと踏んだのだろう。俺の購入した前のセールでもこの商品は値引き対象になっていたから、セール商品定番ラインナップとして加わったものと思われる。

定価半額以下となるとお話は別。5千円前後の価格であると完全独立型ワイヤレスイヤホンは、「Anker」等の中華ブランドとなる。中華ブランドは部品や機能的には値段以上のクオリティを提供してくれるし、悪いというわけではないけれど、音作りはセンスやノウハウが絡むのだ。

その点こちとら音作りはバッチリ超巨大オーディオメーカー「ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ」傘下のAKGなのよ(資金難でサムスンに買収されたり、そのアオリでAKGは大きく体制変えてたりするけれど…)。という訳で定価的には「AKG N200A WIRELESS」は問題だらけだが、5千円前後のワイヤレスイヤホンとしては、破格の音質なので紹介していく。

AKG N200A WIRELESS の実用レビュー

音質レビュー

ぐだぐだとパッケージやら商品外観を語る前に肝である音質について評価してしまおう。「AKG N200A WIRELESS」は高音も中音もよく鳴る。ダイナミックドライバー搭載イヤホンだと中音が高低音に負けて存在感がなくなってしまう事があるが、中音もシッカリいるのが特徴だ。

そしてAKGブランドにしては低音が鳴るというレビューがWeb上でよく見られたが、その通りで"AKG"にしては鳴る。あくまでも"AKG"にしては鳴るというだけで、そこまでパンチが効いていないのが魅力。「重低音とか謳っている商品ドスドス煩いんじゃい!」という感想を抱くタイプの人にはピッタリだろう。聞き流しやすい程よい低音であると俺は思う。

一方でAKGというブランドからイメージする低音ではないのは確か。AKGのヘッドホンK701とK550を所有しているが、そのどちらとも違う。だが「どこのメーカーサウンドに聞こえる?」と問われると、AKGサウンドと答えるだろう。BOSSでもSONYでもゼンハイザーでもないわな。AKGだな不思議。正直サムスン買収後色々体制変わってAKGサウンド死んだのではないかと思っていたが、割とAKGで安心した。

ただ高音で時折サ行を中心にノイジーで不快な刺さりをするのが気になる。音量を上げれば上げるほど目立つ。高音自慢な女性ボーカル中心で音楽を聞く人は、キツイかもしれない。あとBluetooth伝送コーデック高音質で低遅延が売りである「aptX(アプトエックス)」が採用されていないのは頂けない。防水ではない「N200 WIRELESS」で付いてたものを何故わざわざ省いたんだよアホなの?遅延は問題ないが、音質向上の視点ではやはり痛い。

そして定価は高すぎと記載した通り、1万円オーバーのワイヤレスイヤホンに求めたい水準の音はない。カナル型ダイナミックドライバーであることを考慮した上でも、音場の狭さが目立つし、やはり高音の刺さりは見逃せない。俺としてはブランド料金抜きで8,000~6,000円ぐらいな音の印象。

繰り返しになるが、定価の価値はない。少なくとも1万円以下で購入するべき商品。1万円以下としては上々。高中低音も十分鳴り、低音任せではない、聞き疲れにくい良い音作りが特徴。半額以下であれば、完全分離型が主流の今でもその「音質」を持って戦える商品だ。

スポーツユースとしてはどうよ?

「N200A WIRELESS」はスポーツユースに向けて作られたものだから、コレを身に着けてランニングをした。その感想。

本体についたウイング付スタビライザーのおかげで振動が加わっても、耳から落下することはなく、IPX7の防水性能を備えている故に汗と水に対して無敵。俺はガッツリ汗かきだから、防水ではないイヤホンつけて運動しようものなら速攻で壊すが、コレなら安心。本体の装着感と防水はバッチリ。

だがスポーツユースとしては、微妙としか言いようない。左側についているコントローラーの接触が気になるのもあるが、最大問題点はファブリックケーブルにある。このケーブル触れるたび、ガサガサ煩すぎる。アジャスターで絞ろうが何しようが無駄だ。絡まりにくく、反射素材使用を織り込んでいるのは良いだが、そのようなことをしている場合ではない。スポーツユースでは必ず発生するタッチノイズ対策を優先するべきだ。ファブリックを選択したのは愚策でしかない。糞。

この線をヘッドホンのようにかけてしまえば対策できるのだが、頭の形状によっては出来ないだろうし、何より見た目が論外すぎる。完全にマヌケ。というわけでランニング用途では、配線のタッチノイズが酷すぎて微妙であった。防水性能に興味がなければ「N200 WIRELESS」を購入するべき。

AKG N200A WIRELESS パッケージ開封

肝心なことは記載し終えたのだが、俺が語っていて楽しいのは、商品外観の方だったりするので、興味がある人はお付き合いくださいませ。

パッケージは厚紙素材。パッケージカラーは全色共通で使えるようにするメーカーが多い中、本体カラーごとに別着色をしているという気合の入りっぷりに関心。

裏からイヤホン本体ハウジングが覗ける仕様。手が込んでるじゃないか!

文字がズラズラ書いてあるけれども、多国言語で大量に記載しているだけだから大した内容ではない。

事前に若干触れたがAKG並びにハーマンカードンは、2018年度にサムスン電子に買収されている。故にサムスンロゴという訳。

AKGもこういったポップデザインなイヤホン事業を初めたのはサムスン買収の影響。運営方針に茶々は入れてきているようだが、製品開発はサムスンじゃなくてAKG(ハーマンカードン)社だからご安心ください。

横からヌルっと中箱を取り出す構造。取り出しやすくてマル。

外箱裏にもNシリーズカラーマトリクスなる商品カラーラインアップを模した図がプリントされている。箱内側のデザインとか、大半の人は気にしないだろうに…。

中箱蓋は磁石止め。開く時の少し重い感じも、閉める時のバチンと閉まる感覚もたまらない。

パカッと開けるとご対面。商品と付属品がカットされたウレタンスポンジに埋め込まれズラリと並ぶ素晴らしい構造である。

兎に角パッケージへの情熱がナイス。外観もいいし、取り出しやすいし、開けたときカッコいい。それに外箱裏にプリントしてあったり、上の画像の白い部分についているツヤプリントとか意味分からん拘りも炸裂。この箱大好き!大満足!!パッケージ担当者に一杯奢りたいくらいだ。

AKG N200A WIRELESS 付属品


・N200A本体
・イヤーチップ(XS、S、M、Lサイズ)
・ウイング付スタビライザー(S、M、Lサイズ)
・USB充電ケーブル(micro USB⇔Type A)
・クリーニングツール
・キャリングケース
・クイックスタートガイド/保証書/安全シート

パッケージングが付属品を一望出来る素晴らしい構造故に、付属品豊富に見えるがケース以外割と普通だったりする。

クイックスタートという割に14ページもある説明書は、1ページ枚に記載されている内容が薄いためだ。多国言語入り混じって読みづらい。

約横9cm✕縦4cmのキャリングケース。USBケーブルとイヤホン本体を収納できるハードケースである。最近の完全分離型イヤホンに付属しているようなケースと比較すると、デカくてかさ張るのが欠点。

ケース側面に「AESTETICA NENE」と刻まれているが、AKG公式サイトにも特にそういったキャッチコピーは見当たらない。NENEが特に意味分からん謎。

本体の充電をするためのUSBケーブル。ちょい前にスマホ充電で主流だったマイクロBケーブルである。販売が2018年の商品であるから「何でUSBタイプCじゃないのだ!」とは言わないであげて欲しい。

ケースに収納しやすいショートケーブル長さ約20cmでA端子側にAKGロゴ、B端子側にバッテリーマークと何気凝っている。

イヤーチップ、ウイング付スタビライザー、クリーニングツール。各サイズ1セットずつ。イヤーチップに関しては特別変な形していないから、他社の製品から流用が効くのがいいところ。気に入らなければ他社製品を購入すると良いだろう。

クリーニングツールという大層な名前がついているのは、ブラシが付いてたプラスチック棒。清掃に使用するならブラシのコシが足りない、賑やかしのおまけ程度。歯ブラシの方が100倍マシだから俺は要らない。

AKG N200A WIRELESS 本体外観

商品外観であるが、見ての通り配線のついた左右一体型である。完全分離型がヨイショされているけれども、ネックバンド型も捨てたもんじゃない。コレはコレでメリットがあって、完全分離型にある落下と紛失の可能性を大きく下げることが出来る形状だ。

この商品は4色の選択肢があるが、俺の購入したカラーはホワイト。黄ばみに弱いラバーパーツ部分はブラックになっているのと、アクセントにグリーンが入っているのがお気に入り。

ハウジングはプラスチックで、定価1万円を超えている商品に求めたい高級感はない。オーディオ製品なんて大体そんなもん。

定番な作りではあるがハウジングに小さな穴が空いている。音が完全に籠もらないというメリットがある一方で、大音量で鳴らしたら音漏れを起こすというデメリットもある作り。密封型なイヤホンでも大音量で鳴らすと音漏れすることを忘れてはならない。マジで。

この商品とは関係ないが、AirPodsがクソ音漏れイヤホンであることを認識していないマヌケ多すぎる。トンデモない音垂れ流している人も少なくはないので、自宅で自分のイヤホンがどの程度音漏れするものかチェックして使用して欲しい。コレは比較的音漏れは、しないけれど油断は厳禁。

上に飛び出ているゴムパーツは、ウイングスタビライザーで耳の形状に沿って固定力を上げるためのパーツ。軽い動きでは絶対取れない強い固定力を生み出してくれる。

ウイングスタビライザーは簡単に取れたり、損傷したりする構造ではないものの、別売りはしていないので紛失、損傷には注意したいところ。

ハウジングにはマグネットが搭載されているからくっつく。だから使用していない時はネックレスのように首にかけることが出来るのだ。頻繁に着脱するような環境下では、有り難い構造。見てくれが良いかどうかの視点だと微妙だけれど…。

通話マイク兼操作コントローラー。この左側にあるグリーンのラバーパーツをめくると充電コネクタが出てくる仕組み。この商品の明らかな問題点であるのが、ラバーパーツ脆そうなんだよね。絶対もげる。もげると防水性能を失う。どうしましょうかね…。

実用レビューに書くほどではない故スルーしたが、通話マイクとしては特に問題ない。

充電はこんな感じ。完全分離型で主流な無接点充電qiに対応していないのは正直痛い。チョットしたことであるが、充電のために端子カバー外して線差し込むのダルい。

配線は夜間ランナーに嬉しい反射素材付きのファブリック素材。見た目的にはオシャレだと思う。だが実用レビューの通りタッチノイズが気になりすぎる。ファブリック素材は失敗。

まとめ [ セール価格と音質が武器 ]

「AKG N200A WIRELESS」は定価だと、素材感も良くないし、スポーツユースにも良くない、流行りの完全分離型でもないと微妙なのだが、半額以下になればお話は別。半額以下であれば、完全分離ノイズキャンセリング搭載の中華製品と戦える。強力な「音質」を持っている。

そうこの商品の良いところは「セールで安く買える」ことと「音質」が8割。あと2割は「見た目とブランド」。分かりやすい武器はないけれど、安く購入できるタイミングがあれば、選択肢に入れてみてはどうだろうか。妙な中華製品購入するよりも、音質の満足度は高いだろう。

定価で購入するのはナシ。セールか値落ちを待ったほうが吉。

防水性能が不要であればコッチの方がいい。aptX対応ししているし、アルミ使われて見た目も良さげ。今は正直コッチにすりゃ良かったと思っている。

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