
スイスのシューズブランドOnから、2025年3月に防水シューズ Cloud 6 WaterProof(クラウド6 ウォータープルーフ)がリリースされた。
約三年ぶりのリニューアルということで、何が変わったか気になっている人も多いと思う。なので今回は前モデルCloud 5 WaterProof と並べ気が付いた点をまとめてみた。参考になれば幸いだ。
(以後WaterProofは長いので略してWPでいく。あと本記事は前に作った非防水型の「Cloud6とCloud 5の比較」文章を流用するのでよろしく。)
Cloud6WPとCloud5WPはパッと見同じ



画像上がCloud5WP、画像下が新型のCloud6WPになる。色はオールブラックで、サイズはどちらも同じだ。(※ 5は中古)
お分かり頂けただろうか?
今回のリニューアルは、見た目は大きく変更せず履き心地の調整をメインとして、穴開きでインパクトの強いクラウドテックソール、脱ぎ履き簡単ゴム紐のスピードレース、防水透湿の独自素材と機能面そのまま。
変わらず晴れの日でも雨降りの日でも毎日履ける万能シューズだ。ただ3年ぶりのリニューアルかつ、5から6に数字が変化しているだけあって全く同じものではない。ということで、じっくり見ていこう。
反射マーカーの調整でヒールタブロゴが目立つ

左がCloud5WPで右がCloud6WPになる。
分かりやすい変化としては、夜間目立つように全周に渡って付いている反射マーカーの変化だろう。前足部は1mmほど長くなり…

側面は「SWISS ENGINEERING」の文字に合わせて位置を調整。「WATER PROOF」のタグは5がOnロゴ左だったのが、6は右となった。

ヒールOnロゴが真ん中のタブに来て目立つ形に。
特にヒールOnロゴは目立つので、5と6を見分ける一番のポイントになる。
シルエット調整でシャープに

実物じゃないと分かりにくいのだが、全体的にシルエットが調整されてCloud6WPは5WPより素材の膨らみが抑えられている。
Cloud5WPはちょっとふっくらしているというか、悪い言い方するとホームセンターとかに売っている安い靴のズングリシルエット気味だったのだけれど、それが解消された。
俺は今回これを期待していた。これだけで満足。
アッパーが硬めの素材になった

ポリエステル製のアッパーはどちらもOn独自の防水透湿素材。足から出る蒸気は通し、雨などの水は通さない優れものだ。
ただ素材感が変更されており、5WPが目が細かく柔らかいメッシュだったのに対し、6WPはバッグとかに使われるナイロンのような薄く硬めの素材に。

アッパー表面は水を弾く“撥水”なんだけれど、撥水は時間が立つと限界が来て水が染みてしまう。その時6WPは表面素材が薄く水を多く含まないため軽さを保てる。
なおアッパーに水が染みても、完全に水を防ぐ防水シートが内側に入っているため足は濡れない。ご安心を。

それと6WPは外周を覆うフレームが硬い。
画像は同じぐらいの力で押したものなのだけれど、5WPは簡単に凹む柔らかさがあるのに、6WPは全く凹まない。

あと素材を固くした影響なのか、フレーム外周に透明な強化剤?接着剤?が見えて、そこそこ目立ちチョットしたアクセントになってる。
ここまで6WPが硬い硬い言ってきたけれど、足当たり不快なほどではない。
シュータンのデザイン変更

シュータン(ベロ)のOnロゴのプリントは分かりやすい変更点だ。
それと5WPにはCloud1~4でシュータンに付いていたステッチラインを連想させるための斜め凹みラインが入っている。それが廃止された。

シュータンの厚みが若干増えて、見ためボリューミーに。全体のバランス調整のためだと思う。
あと地味にスピードレース(ゴム紐)に反射素材が織り込まれた。好き。
クラウドテックのボリュームアップ

Onのアイコン穴開きソール「クラウドテック」は、穴の形状はほぼそのままだが厚みが増えた。(上5/下6)
前足部が3mm、中足から後足部が6mmほど厚くなっている。実際Cloud6WPの方が少し柔らかく反発あって比べると違う。
またドロップ(爪先とカカトの高さの差)が公式ウェブサイトによると7mmから8mmになっている。並べて見ても、履いても分からないというのが正直なところだが、そういうことらしい。

アウトソール(底ゴム)はオールブラックで分かりにくいのだが、前足の凹み部分にラバーが追加され、EVA素材の面積も増えた。ゴムが増えた分グリップ力がアップしている。…はず。
でもどちらも濡れたタイルやフロアなど、水膜の出来る平らな路面で滑りやすい。勿論そういった路面は、どんな靴でも滑るのだが、これはちょっと滑りやすい部類に入る。防水モデルとしては痛い。

ヒールが丸くなって可愛い形に。面積が広がって多少安定感が上がっているのだと思う。ただ比べても俺には分からない。
インソールにオーソライトハイブリッド採用

インソール(中敷き)は、EVAにザラザラとしたメッシュを貼ったものから、発泡クッション素材にツルツルのシートを貼ったインソールメーカー オーソライトの「オーソライト ハイブリッド」(右2つ)になった。
オーソライトハイブリッドは、他社でも登山靴とかによく入っているド定番で間違いのないアイテム。嬉しい変更だ。
見た目分かりにくいが履き口周り大改造

分かりにくいけれど大改造しているのが履き口周り。
ヒールタブが目立って分かりにくいが、6WPはヒールの頂点が少し高くなっている。あと5WPはヒールカップにステッチが見えるように入っているのに対して、6WPはステッチがなくなってスマートな印象になった。

履き口前方が少し低くなり、足骨と接触しにくい形に。

5WPの履き口周りは丸型でザックリとしたものだったのだけれど、6WPはそれが引き締まって足なり形状に。
6WPの使い始めはちょっと足入れしにくいが、何回か着脱していると馴染んでくる。

内側のクッション量は然程変わらないものの足の形状に合わせた窪みが出来た。
個人差があると思うけれど、ズボッと足入れしやすいのは5WPで、履いた後足にフィットするのは6WPといった印象だ。
クッションが増えたから重量マシ

同じサイズで、重量は20gほどプラス。(※ 中古の5は底ゴムが削れた分数グラム軽いと思われる)
ソール厚に底ゴム増やしているので当然ではある。5WPが防水ランニングシューズ基準で標準的、6WPは重めでスニーカー基準では軽めって感じ。
ランニングではやや重みを感じるけれど、歩きや軽い運動ぐらいのデイリーユースなら何ら問題はないだろう。
サイズ感 - 形状変化で足あたりは違う -

靴自体の長さ、インソールの厚みは変わっていない。ただシルエットを大幅改良しているだけあって、足のフィット感は結構違う。
明らかに違うのは5WPの爪先部分のタイトさがなくなっているところだ。俺は同じサイズを買ったのだけれど、5WPがクッションで爪先窄められている感触があるのに対し、6WPは広くもなく狭くもなく自然。
それと6WPはシュータンによる甲の圧迫が弱まった気がする。また大味だったヒール周りが整えられ足首周りが多少タイトになっているのと、履き口が下げられているためカカトの収まり方が違う。
といった感じで足当たりは違うのだけれど、大多数は5WPと同様のサイズでいいだろう。サイズを変えるという程でない。ただ爪先の狭さでハーフサイズアップした人は逆に下げた方が良さげ。
両モデル共にとてもクセがある。非防水のCloud、他のOnシューズと同じサイズだと決めつけず試し履きすることを推奨したい。
Cloud6WPとCloud5WPの変更点まとめ

Cloud5WP | Cloud6WP | |
---|---|---|
アッパー・フレーム | 柔らかい | 硬め |
シルエット | 丸め | 細め |
カカトタブのロゴ | 右下小さめ | 中央大きめ |
カカト内側のクッション | 薄め | 厚め |
インソール | 一般的なもの | オーソライトハイブリッド |
ミッドソール | 5より厚め | |
アウトソールラバー | 5より多め | |
重量(27.0cm当ブログ測定) | 287g | 307g |
価格(2025.2) | ¥20,900 | ¥20,680 |
まとめると上記。お値段は、ほぼ据え置き。
ただ記事を書いている現在5WPは在庫処分に動いていて数千円安いところが多い。
Cloud6WPとCloud5WPどちらがいい?

最後に結局どっちがいいのさ?という話。
Cloud6WPがいい。非防水型はどっちでもいいんじゃないかと思っているけれど、ウォータープルーフは6だ。
理由はシルエット。
パッと見だけだと見逃すかもしれないけれど、6WPと5WPのシルエットの差はデカい。6WPの方が爪先から甲のライン、足のアーチに合わせた窪み見えて明らかに形がキレイ。1万円を超える趣味性の高いデイリーシューズで、数千円惜み手放すには大き過ぎる。
写真だと伝わりにくいかもしれない。冷静に見にくい店頭だとそれ程違いを感じ取れないかもしれない。だがぼんやりと足を眺めると、5WPはちょっと太い?と、6WPはスマートでキレイだと気が付く時が必ず来る。第三者が見た時に何とな~く6WPの方が「値段が高そうだな」とか「足が細いな」と思われる機会が増えるはずだ。
今から買うのであれば、是非Cloud6WPを選んで欲しい。
キッチリ正統進化してきた印象。
個人的には6推奨だが、安いが正義な人は在庫がある内に5を。