
ビボベアフットの「プライマストレイル III オールウェザー FG 」を買ったので評価してみた。
なお本来の用途であるトレイルランニングではなく、雪道や濡れた路面で使用しての感想なのでよろしく。
ベアフットシューズでのランニングにハマった

以前購入したベアフット(薄底)シューズ「ビブラムファイブフィンガーズ V-RAN」でのランニングにハマった。
薄底過ぎて足裏痛いわ、クッションのあるランニングシューズより疲れると、いいところないように思えるのだけれど、履き続けていると癖になるのだ。
何だかマゾっぽい発言になるけれど、痛いのが気持ちいい。筋トレ後の筋肉痛に近いっていうか、いわゆるソレと同じ。使っていなかった足の筋肉が刺激されて、俺鍛えて強くなっている感が実にイイ。
実際足が鍛えられていて、硬いビジネスシューズで長時間歩いても疲れにくくなったし、足の指がやたらと動くようになった。冷え性も若干改善した…気がする。というわけで引き続きベアフットシューズを履いて足をビシバシしごいていきたい次第。
雪が降ったので水強いベアフットシューズが欲しくなった
…なのだが、今年も雪が積もった。雪道だと生地が薄手なV-RANだと濡れるわ、冷たいわで履けたもんじゃないのだ。雪解けまで待っていたら折角強くなってきた足が元通りになってしまう。
それは避けたいので、新たに水に強く風通りしないベアフットシューズを導入したというのが今回の話。
プライマストレイル III オールウェザー FG を買った

それで購入したのが、ビボベアフット「プライマストレイル III オールウェザー FG 」である。お値段¥24,200(2025.2)はチョイきつかったが、止むなし。
なおVIVO BAREFOOT(ビボベアフット)なるブランドは、1997年にイギリスで創業し、ベアフットシューズという名前を初めて使用したブランドなんだとか。
俺が知らなかっただけで、ベアフットシューズ業界では定番の一つで、国内正規代理店もある安心のブランドだ。
プライマストレイル III オールウェザー FG 外観と特徴

前置きが長くなったが本題
ビボベアフット プライマストレイル III オールウェザー FG を見ていこう。
ペラペラの薄底構造

横からみると薄底なのが分かりやすい。側面の六角形はビボベアフットのブランドロゴで反射素材となっている。

内側はロゴ無し。
形状は足なりで指が動かしやすい

上から見ると一般的な靴と違い、足指を動かせるよう親指部分が一番長い。

一般的なシューズより尖ってない印象を受ける。
カカト周りのクッションは厚手

全体的に薄くペラペラなのだが、カカトを覆うヒールカップはクッションが厚い。

後から見ると靴とは思えないくらい丸い。
ヒモを結ぶ必要がないドローコード採用

シューレースは樹脂止めのドローコードを採用。紐を結ぶ必要がなくてラクではある…。
アウトソールは全面ラバー

アウトソールのラグパターンは楔型の凹凸で、全面ラバーで覆われている。
ファームグラウンドアウトソールという独自名前が付いたラバーで、厚みは3mm、ラグ凸部は2.5mm。
薄いから持ち出し楽々

コンパクトで持ち運びラクラク。アウトドアで予備に持っていくのも良し。ジムのウエイトトレーニングにも良しだ。
インソールは着脱可能

インソールは着脱可能。またインソールを外した状態でも運用出来るように作られている。
衛生的だし、抜いたり、社外のインソールを入れて履き心地を調整出来て良い。
軽いけれど見た目の割には重い

JP`25.9cmサイズで重量267gであった。トレーニング用のランニングシューズぐらいの重量で、スニーカーよりは軽い。
ただ軽くはあるのだけれど、足裏全面が重量のあるゴムなので見た目の割には重い。
ベアフットシューズなのに街でも使いやすい

このモデルに限らずビボベアフットのシューズは、見た目が普通っぽいのが良い。
ベアフットシューズっていうと、如何にも運動靴系だったりパッと見で特殊だったりすることが多いが、ビボベアフットは普段履きでも違和感が少なくランニングやトレイル以外の場面でも使えるのが嬉しいところだ。
※ただし薄底なので背が結構低くなる。街中で歩いた時「なんかいつもより視点が低い」と違和感を覚えたほど。靴って何気に身長盛ってくれていたのだなと思ったりなどした。
地面の感触が伝わる程よい薄底シューズ

履いてみた感想としては、ベアフットシューズ(薄底)なので当然地面からの感触が伝わる。雑に足を下すとヒザにダメージが行くし、アッパーも柔いから足ぶつけたら痛い、あと当然段差とか石踏み抜くとウッ!て痛みが走る。靴底の反発もない。
だから痛くならないよう自然に丁寧に足運びするようになり、足の反りや指を使って全力で足を上げるようになる。多少痛みにも強くなってくる。足全力で使って鍛えてるって感じだ。
ただこれはトレイル用に若干の厚みが確保されているため、ベアフットシューズお初でも痛くて歩けないってことはないだろう。偶にならカカトから足を下ろしても大丈夫。ベアフットシューズ初心者にもお勧め出来る感触だ。
インソールを抜くと刺激が強くなる

刺激不足だという人向けに、インソール抜いて使えるよう作っているのも良い。
俺は基本インソールを抜いて高刺激にして、長時間の街歩きにはインソールを入れ低刺激にして使用している。
グリップは良好!ただし人工物には弱め

グリップについては凹凸構造のおかげで泥や雪があっても食い込み、ソールが柔く足の動きに合わせて3次元的に曲がるから付着したものの抜けがとても良い。中々いいラバーだと思う。
ただアウトドアシューズにありがちではあるが、画像のタイルとか排水トラフみたいな人工物には弱い。自然特化系。
注意点:“防水”ではなく“耐水”

アッパーにはポリエステルをメインとした自称「排水性と速乾性に優れたリサイクル耐水メッシュテキスタイル」を使用している。ただし公式に記載がある通り耐水であって、防水ではない。
素材自体は風呂桶に水を貯めそこに足を30分ほど漬けても、シャワーをかけても、足まで染みてくることのない完全な防水なのだけれど…

アッパーとシュータンの間に空間があるので、川など水の中に足を浸すとアウト。そもそも履き口の位置が低いから、水に浸すのはどのみちアウト。
水溜まりや水分量の多い雪を踏む程度に留める必要がある。
プライマストレイル III AW の良くないところ
樹脂フレームが固い

ここから批判タイム。
補強のため外周に樹脂フレームが付いているのだけれど、この素材が滅茶苦茶硬い。
アウトドアシーンにおける耐久力確保とかそんな考えられたものではなく、ただただ純粋に素材が固い。

何がダメって、素材が折れると内側に尖るのだ。俺は左足だけどうにも相性が悪く折れ曲がると小指付け根が痛い。
履いている内に多少柔らかくなってくるとはいえ、素材が樹脂なので革ほど馴染まずイマイチな足当たりはどうにも改善されない。靴下あれば大丈夫だけれど、裸足はムリって感じ。
柔らかい素材を採用して、トレイルで足の当たりやすいところだけ別途補強するとかなんとかして欲しかった。
ドローコードの圧迫感が強い

シューレースにはドローコード式が採用されている。これは紐を結ぶ必要がないのがメリット。通常の靴紐より細く、硬く、伸縮性がないため足を圧迫しやすいのがデメリットだ。
そのためこの手のコードを採用するシューズは、圧迫感が足に伝わらないようシュータン(靴ベロ)に厚みがあったり、素材が固かったりというのが定番。なのだけれど画像矢印より上は薄く柔いからコードの感触がハッキリと分かってしまう。
締め付け塩梅を間違えると、足の甲を痛めてしまう恐れがあるっていうか、一回やらかした。コードも固いし、コードを通している外羽根も固いから足の甲が痛いのなんの。本来の用途であるトレイルこと山でやらかそうものなら絶望的。
後に爪先側2段はふんわり、履き口周りはキッチリ締めて、少し歩いて緩んできたら微調整という工程を2~3回繰り返すと良い塩梅が出せる事に気が付いた。…が凄まじく面倒臭い。
シュータン裏コード交差部分が地味に痛い

あとシュータンがズレないよう裏にレースが通っている構造なのだが、裏で交差したレースが足に接触して裸足だと地味に痛い。
コードは切断しないと交換出来ないし、通常のヒモは通らない

じゃあ取り外して社外のレースに変えてしまえばいいじゃない?っていうのが定番なのだけれど、この付属レースは切断しないと取れない構造かつ、同じ形で戻すことは出来なくなる。
また通常の靴紐が通らない小さい穴なのが最高に厄介。社外品だと「サロモンクイックシューレース」のようなものしか付けられないのだけれど、それでは圧迫感は解決しない。
プライマストレイル III “オールウェザー”ではない通常モデルのように普通の靴紐の方が良かったんじゃないかと思う。
プライマストレイル III オールウェザー サイズ感

サイズについては、取扱店舗が少なく試し履きが難しい。
ウェブで購入する場合は『ビボベアフット公式サイト』の解説がとてもシッカリしているので、それを参考にするのが間違いないだろう。
公式サイトの記載の通りJPサイズは、靴のサイズではなく足のサイズを基準にしている。俺の場合ウェブサイトにある足サイズ計測用のPDFでEU41と42の間。つまり26.0cmチョイということ。公式推奨は間の場合大き目(EU42:JP26.3cm)推奨だが、俺は平均より足が細いため小さい方(EU41:25.9cm)を選択した。
25.9cmの靴なんて小さいサイズ買ったことないぞ!と、ドキドキしたのだが、結果としては足先1cmぐらいの隙間がありベスト。

25.9cmなのだけれど、インソールの長さは、27.0cm サロモン、EU42(26.7cm)スポルティバの丁度間ぐらい。一番長い点を繋ぐと27.0cmちょい下ぐらいの長さがあった。

同じEU41サイズのビブラムファイブフィンガーズV-RANより体感0.5mmぐらい長い気もする。
公式サイズ計測に従ったらいつもと全然違う!と思っても安心して欲しい。
プライマストレイル III “オールウェザー”はオススメ出来ない

正直「プライマストレイル III オールウェザー FG」についてはオススメしない。俺の足に合っている合ってない抜きに作りが悪い。
樹脂素材が硬く、足の曲がる部分にあるのがダメ。使っているうち柔らかくならないかな?って思ったけれど、ならない。樹脂だもんな。
シューレースの圧迫感が強いのもダメ。細く硬い樹脂コードにしたのは絶対に間違い。通常のレースかゴムにするべきだった。社外品に交換し難い作りなのもダメ。
短時間のランニングと負荷の低い街歩きに使っているから問題ないけれど、本来のトレイル用途に使ったら足ズタズタになる可能性が高すぎて怖い。

ただ見た目は好きだし、俺の使用範囲ではギリ問題ないゆえ結構履いている不思議。
ビボベアフットというブランド自体は気に入った。ソフトメッシュやレザーを使用した製品は良い気がするので、そう遠くないうちにまたビボベアフットの製品に手を伸ばすような気もする。プライマスライトとか履いてみたい。

公式Webサイト以外での販売が少ないのも難点。

同カテゴリーだとゼロシューズ メサトレイルWPなんてのもあった。

ビブラムには「V-TREK INSULATED」なる冬用もあったりする。