ワイヤレスイヤホン「NothingEar(a)」を買ったので、そのレビューをしてみる。
NothingEar(a)を買った
今回紹介するのはNothing(ナッシング)のイヤホン。
NothingはスマホブランドOnePlus共同創業者であったカール・ペイ氏が立ち上げた企業で拠点は一応イギリス。ただイギリス企業っていうより色々な国の人が集まっているグローバルな感じではある。
そんなNothingが現在販売しているのがスケスケのイヤホン、お安めのシンプルイヤホン、スケスケで光るスマホだ。スケスケで光るスマホは値段の割に性能が良いいから、知っている人も多いのではないだろうか。
そんでもって今回俺が買ったのはスケスケのイヤホン。2万円チョイのフラグシップモデル「NothingEar」と2万円を切る「NothingEar(a)」があって、その安い方「NothingEar(a)」を買った。
NothingEar(a) 詳細
ドライバー | 11mmダイナミック |
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | SBC/AAC/LDAC |
防水 | 本体:IP54 ケース:IPX2 |
操作 | 静電式タッチ |
ノイズキャンセリング | ◯ |
外音取り込み | ◯ |
マルチポイント | ◯ |
無接点充電 | ✕ |
定価 | 14,800円 |
「NothingEar(a)」のザックリとした性能は上記。
よくあるノイズキャンセリングなどなど機能モリモリワイヤレスイヤホンの類だ。
お値段は14,800円(2024.6時点)。市場の中では高くもなく、安くもなくといったところか?新興企業やら充電器屋さんやらが全力を尽くし、大手メーカーが多少力を入れ始める激戦区である。
ちなみにNothing一番最初の商品にして第1世代のNothingEar(1)もそんな価格帯であったが、「使えはする。デザインは斬新でした。」といった感じだった。さぁその第3世代はどうなっているか見てみよう。
NothingEar(a) 外観
パッケージはシンプル/付属品は最低限
開封からスタート。
イヤホン本体がドドンとアップな箱。シンプルでグッド。
紙たばこのソフトケースとかお菓子の包装みたいにビリビリと破いていくかたち。
将来的な売却とか考えるならカッター使ってパッケージ下を綺麗にくり抜くのが良さげ。
内容物はイヤホン本体、充電ケース、イヤーピース、USBケーブル、簡素な取扱い説明書と至って無難。
クリアパーツで中が透けて見えるデザイン
デザインはNothing特有のクリアパーツを活かしたものだ。
初代NothingEar(1)の頃は斬新さがあったが、最近は大手Beatsなどなど様々なメーカーがやっているのでレアな感じはしない。クセっ気は強いので好みが分かれるか?俺は好き。
カラーラインナップは「白」「黒」「黄」の3色。黄色に強く惹かれたが、ガジェ物の色を統一しようと最近ファイトしているので、グッと堪えて白にした。
コンパクトで手に収まりやすいケース
ケースサイズは小型で手の中やバッグへの収まりもいい。
右が赤、左が黒と色分けされている。色がなくても間違えることはないんだが、なんとなくオシャレ。
裏面は画像だと真っ白なにもないように見えるが、光で照らすと規格やらなんやらが印字されている。この演出はいいね。好き。
表面に保護シールっぽいのが貼られている
公式ウェブサイトとかだと画像加工で消されているが、表面にはシールが貼ってある。剝がすことを前提としてないようで、超ガッツリ付いている。
ここだけ透明度を低くする演出なんだろうか?指紋が目立つし、段差の感触が好きじゃない。なんだこれ?
という訳で、無理やり剥がした。ロゴも剥がれず透明度が上がってスッキリ。気になる人は剥がしてしまうといいだろう。
イヤホンが若干取り出しにくい
ケースフチが細く若干開きにくいのと、イヤホン左右が近すぎて取り出しにくいのは難点。
俺はデザインとコンパクト重視ということで目を瞑る。
付属イヤーピースで一番大きいものを付けた状態の空間はこんな感じ。
横縦共にピタピタなので社外品の大きいものが入るかは微妙。
充電端子は勿論USB C
充電はUSBCから。受電中はケースのランプが光る。
付属のケーブルは端子部込で長さ30cmと短め。ジャックと被覆のデザインを拘っているのが好印象だ。
スタンダードな形状のクリアボディイヤホン
ステム付きのスタンダードな形状
イヤホン本体。クリア樹脂が基盤を覆うようなデザインが特徴。近くで見ると独創的で、離れて見ると意外とシンプル。
防水はIP54に対応している。水の飛沫から守れるというものなので、汗や小雨ぐらいなら大丈夫だ。
イヤーピースが付いて棒状のステムが伸びたカナル型。Apple AirPodsPro系統のスタンダードな形状なので特に癖はなく万人向け。
操作は静電式タッチセンサー
ステムは裏から中身がいろいろと見える。
左右両端に静電式センサーを採用。後でもうチョイ触れるけれど操作感は良好。
ハウジングは少し大きめか?俺は問題ない
耳にいれる部分ハウジングは少々大きめ。小柄な子供や女性だと圧迫感あるかも。
俺は全く問題なし。長時間耳に入れても痛くはないし、ランニングをしても落ちてくることなく快適だ。
イヤーピースは3サイズ付属
イヤーピースは楕円型。サイズはS、M、Lの3つが付属。最低限。
イヤーピースとイヤホン本体にゴミ侵入防止のグリルが付いている。
NothingEar(a) の重量は軽め
重量はイヤホン本体10g、ケース40g、全部合わせて50gのはずなんだけれど、俺の持っていいるはかりだと何故か49gになる。安物だからな!
ノイズキャンセリングがない単機能タイプや軽量がウリのモデル程ではないが軽め。ただ見た目やサイズから連想するほど軽くもない印象だ。
イヤホンによる操作とアプリは優秀
操作はステムに付いている静電センサーを指2本で摘まむ形だ。
ボタンじゃないのにボタン操作しているかのような感触で、表面を叩く静電センサーより誤操作が少なくグッド!
操作についてザックリ述べると…
- 1つまみ:曲再生、電話の応答で固定
- 2・3つまみ:曲送り、音声アシスタント起動
- 長押し:音量上下、ノイズキャンセリング切替、音声アシスタント起動
- 左右別に割り振り可能
ワイヤレスイヤホン市場の中でも上位に当たると思う。左右別に割り振れるのが強い。満足。
というかそもそもこれぐらいが標準であって欲しいんだけれどね。ハイエンドでも音量弄るのにトントコトントコ表面を何度も突かないとダメだったり、果てにはそもそも操作出来ないとかザラな市場なのが可笑しいんじゃ!
NothingEar(a) で聞いてみた感想
フラット傾向でいいんじゃない?
このイヤホンは11mmTPU製ダイナミックドライバー搭載で、再生形式AAC/SBC/LDACに対応している。
初代モデルでは「昔の3,000円有線イヤホン相当」「音がいいと言う人がいたら糞耳か嘘つき」という評価をしていただけあって、このイヤホンにも全く期待していなかったのだけれど音は普通にいい。びっくり。
ただ困ったことにこの音がいいぞ!って部分はないから誉めるってのは何とも難しいのだが、この値段でノイズキャンセリングとかもろもろ付いて、これはええじゃんって感じ。
音の傾向としては飾っていない聞き疲れしにくい音といったところで「俺音に拘りあるんです」的な人が大好きなフラット系。かく言う俺の好きな傾向。高音は尖らず、低音も前に出ず全体を支える程度。
JBL、Beats、BOSEとかジャンキーでパワフルなサウンドじゃないから一聴して圧倒されるような刺激はないかも。特技がなく薄味気味だけれど、まぁそれはそれで悪くない。
あと価格2倍以上のSONY XM5-1000Xなど有名メーカーフラグシップとか、同じ価格でも音質重視のやつとかと比べると音が伸び切ってない感じはする。でもそこは仕方ない。価格相応の音は鳴っていると思う。
何が得意って訳じゃないけれど、音楽、動画、ゲームなどなどジャンル問わず鳴らせる類だ。
イコライザーの設定範囲がザックリし過ぎ
ただイコライザーの設定範囲が高音、中音、低音3つとザックリし過ぎなのは残念。
閉塞感が高くなるノイズキャンセリングON状態だともうチョイ高音を伸ばす感じにしたいから、中低音を-1調整すると、まぁとっ散かる。高音+1なんてもう論外。最低5バンド調整は欲しかったなぁというところ。
あとベースエンハンスなる周囲の環境に合わせて低音を調整してくれる機能が搭載されているんだけれど超微妙。
確かになんか切り替わるのだけれど、耳を集中させないと良く分からないレベルだし、そもそも切り替わったから何なの?という塩梅。なんか無駄にバッテリー消費しそうだし俺は切っている。
NothingEar(a) は全部入りで多機能
ノイズキャンセリング/中々優秀
ノイズキャンセリングも勿論搭載していて、カタログスペックは「最大45dB」とソニーやらボーズやら大手メーカーに迫る程の性能を自称している。
出力強度は「小」「強」の2段階あって、周囲の状況に合わせ自動切換えする「アダプティブ」に対応している。ただ「小」は弱すぎ、アダプティブは切替下手過ぎて微妙極まる。なので「強」一択。
電車の中で音楽を聴いた状態だと、アナウンス、線路継ぎ目を超えたときのショック音は凡そ鳴っていると辛うじて認識ぐらいまで下げることが出来る。ブレーキを欠けたときのノイジーな音は半減程度。
更にスポンジ系の密着度が高い社外イヤーピースとかに取替えれば自称2023年後期時点最高ノイズキャンセリングのSONY WF-1000XM5までは流石に届かないが、それに近いくらいのポテンシャルがあるので驚きだ。
2万円以下であることを考慮すると、とても優秀。
通話音質/普通に使える
これも俺的に驚いたポイントなのだが通話音質がいい。
初代NothingEar(1)は、「音が遠いしガサガサして何言ってっか分かんない」と会社の同僚から注意された苦い記憶があるのだけれど、これは普通に会話出来る。
指向性も優れているようで、口元の音声のみを拾い周りが騒がしい状況でも問題ない。
外音取り込み/使えないことはない
ノイズキャンセリングと通話音質に感心した一方で外音取り込みは、「まぁうん…使えはする」というレベルに留まる。
音楽を鳴らした状態だと聞き取りにくいし、ただ音を拾って鳴らしてるだけだから位置感がグチャ付くいて不自然。使えないことはないんだけれど、音楽止めるなり、イヤホン片耳外し方がいいんじゃねって感じ。
マルチポイント/優秀
複数の機器をシームレスに切り替えられるマルチポイント接続にも対応している。切り替え直後は若干不安定さがあるものの、実用十分だ。
音の遅延/普通
音の遅延は標準的なワイヤレスイヤホンの範囲に収まっていると思う。あまり効果は大きくないが低遅延モードも搭載している。
動画とか普通に視聴する分には何も問題はなく、ゲームとかだとコンマ数秒程度の遅れが感じられるといった感じだ。これも初代NothingEar(1)では滅茶苦茶ダメだったので感動。
片方だけでも使える
超地味なところだけれど、片側だけでも使える。
いや使えて当たり前だと思っていたのだけれど、意外とこの業界そうでもなかったりするようなので一応触れておく。
NothingEar(a) のバッテリーは可も負荷もなく
- ノイズキャンセリングON/LDAC接続 3時間35分
- ノイズキャンセリングOFF/LDAC接続 5時間43分
- ノイズキャンセリングON/AAC接続 5時間11分
- ノイズキャンセリングOFF/AAC接続 8時間24分
バッテリー持ちについては公式詳細と実際俺が運用してみたものが上記。スマホに接続、ノイズキャンセリング最大出力、ベースエンハンスは常時切、周辺温度は20度前後でテストした。
「特別長持ちします!」とも言えんし、「消費量がとても多いです」というほどでもなく普通じゃね?というところ。ノイズキャンセリングや高音質コーデックLDACを使えばゴリゴリ減るし、省エネ運用すればボチボチ持つ。
新品でバッテリーコンディションが良く、周辺温度も安定している環境なので目安程度でよろしく。
NothingEar(a)の弱点「無接点充電非対応」
明らかなウィークポイントとしてはケースが無接点充電に対応していないところだろう。
毎日使って無接点充電器の上にケースを置くのが、一日のルーティンみたいな人も多いだろうから搭載していないのは痛い。俺は要らないからOK。
Nothing的には、それが欲しければ上位モデルのフラグシップを宜しくってことなんだろうけれど、2万円オーバーとなると本気出してくるメーカーも増えるからどうだろう?少なくともコレに毛が生えた程度の音質だと分が悪い。
ボチボチ客逃がしそうなので付けておいた方が無難だった気がする。
NothingEar(a)はデザインだけではない優秀なイヤホン
写真左の初代NothingEar(1)は全部の機能そこまで良くないけれど、何やかんや使えるしデザイン面白いからOK・OKって感じのイヤホンだったのに、こんなに立派になっているとは。やるじゃないNothing!
残念通話マイクに遅延が改善され、ノイズキャンセリングは実用的。それに音質がいいかもって思える領域に来るとは夢にも思ってなかった。しかも本命フラグシップモデルのNothingear(3世代目)じゃなくて、その廉価版NothingEar(a)でだから驚き。
無接点充電搭載していないことに不満がなければ、2万円以下ワイヤレスイヤホン市場で選ぶ価値のある商品だろう。
「NOTHING Ear (a)」のイエローもカッコいい。
フラグシップモデル「NOTHING Ear」
ドライバーやコーデックやらが微妙に強化され無接点充電に対応している。ただし2万円台のライバルは強いので、どうなんだろう?というところ。