読み込み遅くなってきたし、年数もそこそこといつ壊れてもおかしくはないHDDのデータを移籍したいと思ってから1年弱が経過。ようやく重い腰を上げて行動に出たのがつい最近。
HDD複製フリーソフトとかもあるのだけれども面倒くさいので、お金に任せて解決することにした。デュプリケーターこと一般的には「HDDクローンスタンド」とか呼ばれているやつを買った。その詳細と使用方法についてまとめる。
HDD/SSDには寿命がある
「年数もそこそこといつ壊れてもおかしくはない」と最初に書いたが、そうHDD/SSDには寿命がある。一般的にHDDの寿命は「3~4年」SSDは「5年」ほどとされているのだ(実際はもっと持つのだけれども…)。
バックアップしていても突然データがすっ飛ぶと洒落にならないし、HDDは分かりやすく動作が遅くなって実用に支障が出る。寿命は四六時中起動していることを想定した時間でしかないので、それ以上に大体持つのだけれども年数が経ってきたら交換を考えておきたい。
俺のメインHDDはもうすぐ10周年!ハードディスクの状態チェックフリーソフトでも交換推奨するような数値を記録。そして何よりもなんか起動重くなってきたし、殆ど容量なくなってきて流石に不味い。面倒臭くてたまらんのだけれども仕方ない…交換することにした。
デュプリケーター(HDDクローンスタンド)とは
今回紹介するのは「デュプリケーター(複製機)」というもの。複製機の名の通り、HDDとSSDの中身を複製する機械なんだ。「コピースタンド」や「クローンスタンド」の名前でも呼ばれている。
この機器のメリットはシンプル!パソコンやブルーレイレコーダーに使用されているようなHDDやSSDのデータを「まるごとコピー」出来ること。データのコピーに再インストールだけでも面倒なのに、アカウントやらなんやらの設定とか面倒じゃない?この機器はそれを解決してくれるアイテムなのだ。
まるごとコピーだから画像動画は当たり前で、WindowのようなOSもエクセルとかソフトウェアの再インストールや設定が全くいらない。しかもパソコンや複雑な設定いらずで、HDD/SSDを差し込みスイッチポンでお手軽。クローン無料フリーソフト探して使うのも面倒臭い俺には持ってこいなアイテムだったわけだ。
デュプリケーターのデメリット
便利アイテムデュプリケーターだが、機器そのものを買うお金がかかる以外にも残念ながらデメリットがある。それが以下。
- データコピーという特性上大手企業が参入していない。
- コピー先のHDD/SSDの容量は、コピー元のHDD/SSDの全容量以上であること。
- ソフトウェアによってはコピー出来ないことがある。
蓄積したデータをお手軽にコピーできるメリットは途轍もなく大きいのだが、残念ながらデメリットもそれなり。デュプリケーター販売者には、よく耳にするような大手企業の商品は存在しないし、中華品をはじめ品質に問題が多い。そして様々なソフトウェアが存在するだけあって100%成功する保証なんてない。
そして何気痛いのが、「コピー先のHDD/SSDの容量は、コピー元のHDD/SSDの全容量以上であること。」というやつ。
クローンスタンドのコピー例
○ HDD1TB → HDD4TB
○ HDD1TB → SSD2TB
○ HDD1TB→ HDD1TB
☓ HDD4TB → HDD1TB
☓ HDD4TB → SSD1TB
☓ HDD4TB(使用1TB 空3TB) → HDD3TB(新品)
HDD → SSDの移設だとキツイものがあるよね…コスト的な意味で。特に注意して欲しいのが、同容量HDD/SSDのコピー。全容量"以上"だから同容量のコピーは可能なのだが、「1TB」と書いてあっても、メーカーごとに若干の誤差があったりするのも珍しくない。
デュプリケーター購入を検討する場合には、容量と絶対の安心商品ではないことを頭に入れておいて欲しい。
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP 詳細
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP について
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP
メーカー:玄人志向
製品型番 :KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP
インターフェース:USB3.0/2.0(タイプBソケット)
対応ドライブ:2.5型/3.5型SATA HDD/SSD(12TBまで)
機能:外付けドライブ/クローン/データ消去/エラースキップ
付属品:ACアダプター、USB3.0ケーブル(タイプA/タイプB)、クイックガイド
保証:1年間
前述のデメリットにある通り、デュプリケーターは品質に問題がある商品が多いので慎重に商品を購入する必要がある。俺が買ったのは「玄人志向」というブランドのもの。電話サポートなし、自力で解決してね!を公式に発言しているヘンテコブランド。
自作PC民にはクソダサシール付きPCパーツでお馴染みだが、一般的にはナニこのブランドとなってしまうのではないだろうか?そんな「玄人志向」は、PC用品でおなじみな「バッファロー」を有する「メルコホールディングス」の「CFD販売」が展開している。胡散臭い雰囲気たっぷりだが、日本企業にして純然たるPC用品販売ブランド。日本企業競合商品だとエレコム傘下ロジテックが販売しているけれども、私的に玄人志向の方を信頼した。
玄人志向のスタンドには幾つか種類があるが「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/U3」をチョイス。このモデルの最大の特徴は「エラースキップ」にある。約2,000円ほどお安い「KURO-DACHI/CLONE/U3」だとコピーが出来ないデータがあった場合そこでストップしてしまうのだが、このモデルはストップせずスキップしてくれる。何事もなければ安い方でOKなのだけれど、プラス2,000円で安心を買った。本当によく出来た値段設定だなぁチクショウ。
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP 外観
付属品はこんな感じ。画像左の説明書は英語で右が日本語。日本語1枚紙で英語説明書の方が丁寧ってどういうことだよ。
見た目については黒い箱だな。ネット画像でティッシュ箱サイズを想定してしまう人結構多いのでは?意外と小さくてティッシュ箱の半分ちょいぐらいとコンパクト。
中の作りについては、特に問題なかった。HDDもスコンと抵抗なく入るし、抜き出しもスムーズ。
フロントパネルは電源オンと同時にカラフルに煌めく。飾り気のないクソダサチープこそが、玄人志向ではなかっだろうか?色気づきやがって…
己の身銭を切って購入した品だからあまり酷くなければ、基本的には持ち上げてやるのが信条だが、駄目だ…コレ嫌い。無駄にカラフルで目に刺さるLEDは無意味だし暗闇で灯ったLEDは、お部屋をカラオケあるいはディスコルームに豹変させる。LEDギンギラゲーミングPCブームに乗っかったものだろうけれど、寝ている間に使用したいというユーザーも少なくはないだろう。アホなの…。
あとやけにゴチャゴチャとしているが大した役割はない。電源ボタンと、どのモードに入っているかを示すランプと、コピー進捗を表す円周状のランプが付いているだけ。この手の頻繁に使わないデバイスのインターフェースは、過度な装飾を施すと混乱を招くので愚策だと思う。
裏面にジャックと各種切り替えスイッチ
動作モード切替スイッチは、「Cl/Er」と記載がある方が、大半の人のお目当てであるハードディスククローンモード。「PM」側がノーマルモードは、外付けUSBドライブとしてこれを使用する機能。十分に使えるといえば使えるのだが、HDDだとドライブのグルングルン回る音が煩いし一般的な人にはお勧め出来ない。ノーマルと称するには、特殊じゃないかい?
「CLONE+ERASEモード」の設定はModeと書かれた上にある小さいスイッチで行う。
少し斜めに貼ってあるダサいシール説明が貼ってあるとはいえ、分かりにくい&小さくて操作しにくい。説明書見ればそりゃ分かるのだけれども、メチャクチャ重要機能なのにどうかと思うの。
総評:外観は微妙
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP 使い方(クローン)
外観は微妙だが、そんなことはどうでもいい。HDDのコピー作成さえ上手く行けば。
説明書見れば十分わかるのだけれど、クローンのやり方を紹介しよう。
① 電源スイッチをOFF状態で、動作モードスイッチを「Cl/Er」側に切り替え。
電源を入れてしまいたいところだが、電源を入れる前に裏面のスイッチの設定を済ませる。まずはスイッチを「Cl/Er」クローンモードに切り替え。
② CLONE+ERASEモードスイッチを「1下」「2下」に切り替えクローンモードにする。
まだ電源は入れない。1と2が書かれたところのスイッチをどちらも「下」に設定。小さすぎて指での操作は厳しいから、なんか細い棒を使うといい。ここは間違うと洒落にならないので要注意。
③ クローン元は「HDD 1スロット」に、クローン先は「HDD 2スロット」へ
まだ電源入れないぞ。クローン元のドライブは「HDD 1スロット」に、クローン先のドライブは「HDD 2スロット」へ差し込む。これも間違うと洒落にならないマジで注意。クローン元が「スロット1(前)」でクローン先「スロット2(後)」だ。
なおデメリットにも書いたが、クローン先はクローン元の"全"容量以上がないとコピー不可能。空き容量ではなくて"全"容量。
④ 電源をつける
おまたせしました電源を付つけます。ACアダプターを挿して背面の電源スイッチをON。
やかましいLEDインジケーターが灯ったら「CROHN」のランプ点灯と「ERASE」と書かれた文字の下のランプ3つが消灯していることを確認しよう。
⑤ スタートボタンを押す
HDDの場合は、回転が安定するまで(20秒程度)待機。設定や差込口に誤りがなければ、正面一番大きい丸ボタンを3秒以上(前面の4つのランプがすべて橙色に点灯するまで)押してスタート。後は終了まで停電が起きないことをお祈り。
⑥ 終了(HDDクローン時間は?)
100%までランプが点灯したら完了。玄人志向公式サイトでは終了時間目安として「275GB SSD 約16分」とあるが、低容量かつSSDなのでそりゃ速いわな。HDDの参考としてはクソも役に立たない。
2TBHDD(空55GB)→6TBHDDでかかった時間は『4時間25分』だった。この機種はエラースキップ機能もあることだし、お出かけ前や睡眠前(光が漏れないようになんか被せて)にやることを推奨したい。
…という訳で、縦型のトースターで食パン焼くのと同じくらい簡単にHDDのコピーが完了する。素晴らしい(時間はかかるけれど)。この機器がなくても実は出来るっちゃ出来るのだけれども手間が段違いだわ。タイムイズマネー。
⑦ おまけ(クローンのパーディションを解除する)
クローンが完了したHDDを取り付けるとアレレ?容量も増えてないじゃないか!古い方を取り付けたか?となったのでおまけ。
クローンしたハードディスクは、クローン元と同様の要領になるように「パーティション(仕切り)」されている。解除してやらないと容量アップした意味ないので、それをはずしてやる必要があるというわけだ。
Windows10の場合は「Win + X」でメニューを開き「ディスク管理(K)」を開く。ディスク管理を確認すると未割り当て容量があるので、拡張するドライブを右クリック「ボリュームの拡張」を開き設定するだけ。
よく分からんってなった人は、「パーティション解除」とかググれば、丁寧に説明しているところが沢山あるので参考にすると良いだろう。
KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP はデータも消せる
俺はあまり欲していなかった機能だが、「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP」はハードディスクのデータを消せる。フォーマット(初期化)とはちょい違って、データを「0」で上書きして復元困難な安全消去を目的としたものだ。処分を前提とした削除機能だから、自分で再利用するならので普通にOSの機能でフォーマットしたほうが吉(設定面倒になる)。
「CLONE+ERASEモードスイッチ」の1を上、2を下にセットし、ハードディスクを刺してスタートポン。クローンと同じくらい時間がかかるのが欠点。だが物理破壊よりは楽。
まとめ [ 俺は上手くいった。だがデメリットはよく考えるべき ]
俺の場合「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP」は、特にトラブルなく良い仕事をした。環境変化なしで完璧コピーだ!移設の手間を考えると価格以上の大満足。(エラー吐かなかったからエラースキップモデルでなくてもよかったことは忘れる。)こんなに簡単ならもうちょっと早くやれば良かったとすら今は思う。
ただしハードディスクの中身なんて千差万別だから、すべての人が笑顔になれるとは限らない。この商品に限らず類似商品の商品レビューがクレームに塗れているのはそういうこと。エラーで失敗するかもしれないし、俺のように何一つ問題なく役目を終えてくれる場合もある。
100%安心商品ではない。デメリットを踏まえ面倒なハードディスクの移設作業を楽に終える可能性に3,000~5,000円賭せるかどうかだ。
楽に移設完了できて満足。LEDギンギラ以外悪くはなかった。
「KURO-DACHI/CLONE/CRU3」新しいの出たみたい。
エラースキップ有・データ抹消機能なし。俺の購入検討時にあったらコレにした。
私的にロジテック(エレコム)より玄人志向を信用したってだけで、こちらも悪くないと思われる。