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RIMOWA ORIGINAL Check-In M レビュー [ スーツケースメーカーの王 値段はリセールでカバー ]

愛用していたスーツケース「RIMOWA トパーズ63L」がボロボロになってきたので買い替えた。乱雑な海外の航空会社によって表面はボコボコ、足は2度千切れ、ズボラな主人により青くキレイだった内装は残念な感じに。それでもトパーズ君は実に頑張ってくれた。有難う!

トパーズの使い勝手が実に良かったので、現行モデル同等商品を購入した。企業体制、情勢、物価が変化しているとはいえ、俺がトパーズを購入した当時の2倍以上のお値段にドン引きである。

ということで購入した「RIMOWA ORIGINAL Check-In M(リモワ オリジナル チェックインM)」を見てみよう。

RIMOWAの歴史 有名なのには理由がある

スーツケース(キャリーバッグ)と言えば「RIMOWA(リモワ)」!
なんだけれども、あまりにも有名すぎて、なんでスーツケースと言えば「RIMOWA」なのか知らない人もいるかもしれないので、概要を軽くおさらいしておこう。

RIMOWAのルーツは、1898年にパウル・モルシェック氏が創業した「Sattlerei Görtz & Morszeck」という企業にある。当時主流であった"木材"と"牛革"を使用したスーツケースを作成していとのことだ。

それから1930年パウル氏の息子リヒャルト・モルシェック氏に事業は引き継がれ、「"RIchard MOrsceck WArenzeichen(商標)"」の頭文字を採って「RIMOWA」と社名を変更。親父の事業引き継いで、名前の変更とはなんて生意気な息子だと思われるかもしれないが、世代交代時に企業名称を変更することは珍しくなかったらしい。

1937年にRIMOWAは、航空機で使用されていた軽量で強度の高い素材アルミニウム(ジュラルミン)着目し、最初の"アルミニウム"スーツケースを販売。そして2000年には現在主流となっている"ポリカーボネート"を使用したスーツケースを生み出す。

アルミニウムケースが有名だから「ポリカーボネートなど邪道!アルミケースこそリモワ!」的な知ったかぶりさんも結構いるけれど、ポリカーボネートもリモワ。そうRIMOWAは「アルミニウム」「ポリカーボネート」のスーツケース2大素材を最初に生み出し、スーツケース市場をリードしてきた歴史ある企業なんだ。だからスーツケースと言えばRIMOWA。

なお2016年には、世界最大のファッション企業体ルイ・ヴィトンを筆頭とするLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループ傘下になり、ラインナップ整理やグループ内での身内コラボレーションなどで、ブランド性やファッション性を高めているというのが現状。まだまだ伸び盛りなブランドでもある。

RIMOWA ORIGINAL Check-In M 外装

RIMOWA ORIGINALはアルミボディが最高にカッコいい

  • 「ORIGINAL」アルミニウム素材
  • 「CLASSIC」アルミニウム素材・1900年前半デザイン
  • 「ESSENTIAL」ポリカーボネート素材
  • 「ESSENTIAL LITE」ポリカーボネート素材・軽量デザイン
  • 「ESSENTIAL SLEEVE」ポリカーボネート素材(一部アルミ)・フロントポケット
  • 「HYBRID」ポリカーボネート・アルミニウム素材複合

リモワの定番スーツケースラインナップは上記の通り。
俺が購入したのは「ORIGINAL」こと最もスタンダードで、アルミニウム(ジュラルミン)ボディが特徴のモデルだ。

ぶっちゃけアルミニウム素材のスーツケースは、メリットよりデメリットが多い。ポリカーボネートは樹脂だから弱そうな印象を抱いてしまうかもしれないけれど、軍用企画も多く用いられるとても丈夫な素材なんだ。対するアルミニウムはポリカーボネートより重量はあるし、値段は高いし、耐衝撃性も特段優れている訳ではない。しかも傷も付きやすい。実用性だけで見るなら絶対ポリカーボネート。

なのに何でアルミニウム素材のスーツケースを買ったかというと理由は一つ。カッコいいから。カッコいいからだ。光で煌めく光沢、熱を加えて曲げた跡、ワイルドに止まったリベットが最高。

樹脂より金属の方が高級感あるじゃない?ポリカーボネート素材より頑丈っぽいじゃない?傷がついても味として許される感があるのもイイ。

新RIMOWA ロゴプレート

ルイ・ヴィトンを筆頭とするLVMHグループになった影響で、2018年初頭から採用されたサンセリフ体の「RIMOWA」ロゴ。旧来のユーザーからは、賛否の"否"が多めな印象があるこの新ロゴだが、俺は嫌いではない。ただ旧ロゴの「W」の雰囲気ぐらい残して欲しかったとは思う。

なお旧ロゴ製品だとこの部分に手提げ袋をかけられる機構が付いていたけれど、廃止になったようだ。結構便利だったんだけれどなぁ…。

リモワの象徴シンプルデザイン

表面にはリモワブランド特有のシンプルな凸凹リブ加工がされている。このアルミボディ「オリジナル」意外のモデルでも一貫して使用されているものだ。シンプルで上品な使いやすいデザインではないだろうか。

リモワの一番ヤバさは、このシンプルな凸凹リブ加工をブランドアイコンとしていることにあると俺は思う。こんな誰でも思いつきそうなシンプルパターンにも関わらず、ずっと使うことでリモワのブランドアイコンとして確立しているのだ。競合他社は、このパターンやそれに近いものを採用したらリモワのパクリ扱いされるんだから恐ろしい。

なお商品はリモワ創業地であるドイツ製である。他国製造だから粗悪というわけでもないのだが、なんとなく嬉しい。俺は実店舗に丁度在庫がなかったため公式オンラインストアで購入したけれど、多少個体差があるので(製造工程や使用素材の影響だろう)可能であれば、店舗で実物を見て購入したいところ。

フレームタイプだから密封性が高く、開閉が楽

TSAロック2点止めで、雨や埃が入らない密封性の高い構造になっている。TSAロック解除ボタンの感触と開閉時の重みのある感じは最高だ。

ロック2点解除するだけで、素早く開けられるところがフレームタイプ形状の何気にいいところ。コレに慣れてしまうとポリカーボネート製ケースの多くで採用されているジッパータイプが面倒臭くなる。

ただTSAロック周りを中心に樹脂パーツが多いのがやや気になる。この辺は多分ヨーロッパ製品によくある「壊れたら交換すればOK」の精神で作っていると思われるので注意が必要。

ヒンジには「M」のリモワロゴ。ブランド主張もそうなんだろうけれど、メインは偽物対策なんだろう。

ハンドルの作りは良好

テレスコープハンドルは無段階式

テレスコープハンドルは、無段階式でどの高さでも固定することが出来るのが便利。ただ凄くスムーズに伸びるって程ではないのは残念ポイント。結構引っかかる。

あと強度の関係なんだろうけれどグリップは大きめ。女性だと不快かもしれないので、店頭で試して欲しい部分。

トップ・サイドハンドルはガッチリアルミ

持ち上げて運ぶ時に使用するトップハンドルとサイドハンドルもアルミニウムだ。削られた金属の塊感が素晴らしい。

トップハンドル下部には、樹脂が付いておりケースが傷付かないようになっている。

ダブルキャスターはスムーズで静か

キャスターは4輪型で、マルチホイール式。最近だと特段珍しい作りではないのだけれど、このマルチホイールはリモワが起源。

お値段するだけあって動作については、流石としか言いようがない。軽く押すだけでスムーズに進み小回りも効く。ゴロゴロ残念な音も立てないし、良く出来たホイールである。

RIMOWA ORIGINAL Check-In M 内装

内装は黒一色でシンプル

内装色は「オリジナル」の起源である「トパーズ」だと青色だったけれど、黒色になった模様。

内部にはフレックスディバイダーという名称の付いた仕切りがついている。カタカナでカッチョいい名前がついているけれど、そう御大層なものじゃなくてマジックテープ止めの仕切り板。

収納量に合わせ自在に収縮し押さえつける事が出来るのがメリット。小物が横からポロリするのがデメリット。

安物マジックテープと違って衣類などに、くっつかないようになっているのでご安心を。ただし剥がす時は、マジックテープらしいバリバリ安臭いあの音が鳴る。

仕切り板にはファスナー収納がついている。収納には仕切りがなく、深いので使い勝手はあんまりいいもんではない。40Lを超えるサイズのモデルには、仕切りを設けた方が使いやすいのではないだろうか?

Check-In M(60L)サイズが好き

  • RIMOWAスーツケースサイズ
    • Compact(29L) 40.5 x 41.5 x 23 cm
    • Cabin S(31L) 55 x 40 x 20 cm
    • Cabin(35L)55 x 40 x 23 cm
    • Cabin Plus(49L)57 x 44 x 25.5 cm
    • Check-In M (60L)69 x 44 x 27.5 cm
    • Check-In L (86L)79 x 51 x 27.5 cm
    • Trunk (90L)73 x 44 x 36.5 cm
    • Trunk XL(130L) 80 x 43.5 x 46 cm
    • Trunk S(66 L) 65 x 39 x 34 cm
    • Trunk Plus(105 L) 80 x 36.5 x 44 cm

俺が購入したのは、人気の機内持ち込みサイズ「キャビンS(31L)」でも、無料預け荷物最大サイズ「Check-In L(86L)」でもない「Check-In M(60L)」である。

サイズは各々好みが分かれる部分ではあるのだが、俺は50~60Lサイズあたりのスーツケースが好きだ。30Lサイズより収納するのが楽だし、独り者なら長期旅行だって余裕。

1泊の短期間から1週間以上の長期までコレ一つで熟すのが、俺のスタイルだ。

屈まずトップハンドルを握れる程よいサイズ

Check-In Mの高さは「69cm」コレが絶妙で170cmぐらいの身長の人が手を下ろした丁度ぐらいの高さなんだ。つまり画像のトップハンドルを自然に握れるのだ。(守っている人少ないけれど、スーツケースを浮かす時テレスコープハンドルを使うのは基本NG)

Cabinとかの「55cm」だと微妙に体を斜めにする必要があるのだけれど、それをする必要がないのは地味に楽だったりする。

収納例

機内持ち込みで済むなら3Wayバッグでいいし、ゴロゴロキャスター転がして移動するのだから少し大きいサイズでいいじゃないって考え。

短期間だと持っていくもの厳選して、圧縮袋使ってとか面倒なことせず適当に放り込めるのが、ズボラな俺的には最高。きっちり収納すれば、独り者なら数週間余裕。

ちなみに収納に使用している「Amazonベーシック トラベル ポーチ」は"セール価格"なら悪くない。特別良くもない。普通。

スーツガーメントケースが片面ピッタリ

まともなガーメントバッグ欲しい…

よくあるスーツ用ガーメントケースがスッポリ丁度入るイイサイズ!

俺はビジネスだとスーツ着て移動するのが嫌だから、スーツケースの中にスーツ一式と革靴を収納していく。小さく畳まなくていし、フレックスディバイダーでガッチリ仕切れるからシワが付きにくいのが嬉しい。靴を入れても余裕。

60Lサイズの不便なところ

まぁ俺はあまり気にしてはいないのだけれど、60Lサイズで不便なところを挙げておこう。
まず1~3泊ぐらいだと荷物が大げさじゃないかと、会社の同僚を始め第三者から囃し立てられる。大体その話題になるので、毎度毎度面倒いのが一つ。放っておいてくれ…。

後は、単純に大きめだから30Lサイズより狭い空間に弱い。トイレ、電車、ビジネスホテル、小さめのコンビニとかだと、快適とは言い難いのは確か。上記がビジネスホテルで泊まった時の写真だけれど、床に広げると大体ミチミチ。ワンサイズ大きい「Check-In L」にしない理由の一つでもある。

RIMOWA ORIGINAL Check-In M 付属品

付属品は、「収納袋(屋内保管用)」「ステッカー」「タグ(黒)」「取扱説明書」
ラゲッジタグは革製で、販売価格8千円相当のものだから嬉しい。他は使わない。

RIMOWAの欠点

リモワは他人と滅茶苦茶被る

リモワのデメリットは超人気ブランド故に他人と滅茶苦茶被ることだ。空港に行けばiphoneと同じくらい被るし、そしてその状況を作り出しているのが、我々日本人や中国人などアジア人中心なのが何とも笑える。被るのが嫌で、別ブランドを使用している人も多いと思う。俺もコレはあまり嬉しい要素ではない故に、他社の製品を検討したりもした。

特に「オリジナル(トパーズ)」「エッセンシャル(サルサ)」は、ヤバいくらい被るので、タグやベルトを付けて対処することをオススメする。ちなみにリモワ純正は、2022.5現在タグ「¥8,800」、ベルト「¥31,900」と超お高い。俺は買わない。

リモワは値段高すぎ

RIMOWAの商品は、値段が高いと感じた。17万円が高いってことじゃなくて(高いけれど…)、その値段に見合った商品・品質であるかというと少々疑問が残る。

情勢が変わっているので「昔は10万円以下で、同等製品が購入出来た」とかそんな野暮なことは言わんが、「素材」「仕上げ」「ブランド」「サポート」など総合的に見て、171,600円(2022.5)というコスト分の満足感があったかというとそうでもない。チープな部分が目立つ。

テレスコープハンドルグリップ、キャスターの樹脂は、実用性との兼ね合いがあるだろうから目を瞑るとして、見逃せないのは「内装」。内張りの布、フレックスディバイダー(仕切り板、ベルト)は、もうワンランク上の質感が欲しい。

少々ブランド料金だけで取り過ぎじゃないかい?ビジュアルも磨かなければならないのではないだろうか?俺的に2万円分ぐらいの満足感が足りない。

ただしリセールは抜群に良い

「オリジナルチェックインM」以外のリモワも例外なく割高であると思うのだが、それをカバーできるポイントがある。リモワスーツケースのリセールは抜群に良い。

使用感があっても大丈夫。通常のバッグだと傷が入っていたり、年季が入っているものは価値が著しく下がるのだが、スーツケースは「旅行慣れ」や「味」として見る人がいるため意外と値段が下がらないのだ。

今回の商品を購入するのにあたって、購入価格8万円「リモワトパーズ63L(現オリジナル)」購入11年経過、凹み傷だらけ、キャスター修復歴2回を売却しているのだけれど、5万円前半で売れた。近年の価格上昇に助けられた部分もあるけれどビックリ。

それに今後も定価をドンドン吊り上げていくと思われる。グチャグチャに壊れていなければ、絶対に売れる商品だからリセールに期待して購入してしまうのはアリ。(追記:掲載後予想通り凄まじく値上がりした。今売れば購入価格帰ってくるからヤバい。多分まだまだ値上がりすると思うので、購入は早ければ早いほど良い。)

RIMOWAは割高だと思う。だが悩む理由が値段なら買い

「RIMOWA ORIGINAL Check-In M(リモワ オリジナル チェックインM)」あるいは「RIMOWA」製品は、作りは悪くないけれど、値段に見合っているかどうかで見ると微妙な気がする。チョイとブランド料金ぼったくり過ぎないかい?というのが正直なところ。「Samsonite(サムソナイト)」「Proteca(プロテカ)」辺りで、満足できる商品があったらソチラを購入した方が多分賢いお買い物になると思う。

でも俺は他社商品ではシックリこなかったんだ。アルミニウムスーツケース「Samsonite ライトボックス アル」「TUMIインターナショナル・キャリーオン」「Zero Halliburton Geo Aluminum 3.0」辺りも検討したけれど、なんかどれも違う。リモワオリジナル以外無かったのだ(そう考えると値段は適値なんだろうか?)。

値段に満足して購入してはいないのだけれど、そこは他のスーツケースメーカーより圧倒的にリセールがいいから無問題ということにしてしまおう。俺のように値段で悶々と悩むくらいなら買ってしまうといい。値段が割高なのは、リセールでカバーだ。

今回正規品を購入したけれど、並行輸入品(正規保証なし)も値段次第では全然あり。
正規で修理してくれないわけではないし、航空会社で損傷させた場合には航空会社で無料保証してくれる。最終的な出費を安く抑えられば、それでいいんじゃないだろうか。

人気のある機内持ち込み「エッセンシャルライト(旧サルサエア)」
31Lならジッパータイプでも悪くないだろう。

リモワはメッチャ被る。ベルトやタグがあると絶対便利。

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