※ 記事内にアフィリエイト広告を含みます

靴・サンダル

On Cloudmonster2 レビュー [ 前方に転がり跳ねる第2世代モンスター ]

色々と靴を購入してきたけれども、その中でも最近お気に入りなのが、On Cloudmonsterである。穴あきソールの独特な反発感が気持ちよく、見た目もランニング・普段履きと両立出来て最高の一足だった。

その新モデルCloudmonster2が登場したので購入してみた。前作と比較しながらその感想を述べる。

クラウドモンスター 2 外観紹介

これが「Cloudmonster2(クラウドモンスター2)」になる。まずザックリと外観をチェックしていこう。

リリース時点でのカラーラインナップは6色。今回は無難にホワイトカラー(Frost×Undyed)で決めてみた。勿論超汚れるので、選ぶ方は覚悟して欲しい。

穴開きソールで斬新なビジュアル

横からみるとドドンと厚底穴あきソールが目立つ。

ソール上にある「ON RUNNING」と書かれた斜めのプリントはサイド剛性を高めるための補強材となっている。また文字は夜間ランナーに嬉しい反射素材だ。

内側でもシッカリOnの主張。
右足だけメーカー創業地スイス国旗のタグが付いているのがオシャレポイント。

アッパーは厚くもなく薄くもなく中間的

アッパーは一枚もののエンジニアードメッシュ。通気性は足が透けて見えるものより低く、厚手のものより上といった感じ。中間。

スタンダードなレースパターン

シューレースは平紐タイプで、レーシングもスタンダードな形。無難。

アグレット(紐を通す穴)は、軽量化のためか細い紐状となっている。部分ごとの調節がし易いが、一度にギュッと閉めにくいという感じ。

通気の良い薄手ガゼットタン

シュータンは薄く柔らかい素材で、アッパーと連結したガゼットタン構造となっている。

内側には厚めのクッション

ヒールの形は凸型で足の腱を補助する形。

ヒールライニングは厚めにクッション付いている。使い始めやや硬いが、使っているうちに馴染む。

厚くて目立つデュアルクラウドテック

この靴最大の特徴ハニカム穴のミッドソール「デュアルクラウドテック」。六角形型の穴が開いており、それが潰れ戻る現象を利用し反発を生むという作りだ。

穴あきソールの上に別素材の「Helionスーパーフォーム」が搭載されている。穴あきのクラウドテック部分より感触が柔い。

色分けされた前後でチョイ硬さが違う気がするけれど、正確には分からない。

トゥは大きく浮き上がる形で、軽めのロッカー(ゆりかご)形状となっている。ソールの厚みは前足41mmでヒールが48mmぐらいだ。

ラバーは軽量化のため薄く少なめ

アウトソール軽量化のため蹴りだしに使う部分のみラバーが付いている。ラバーは薄め。

目で見ることは出来ないが、ポリプロピレンとナイロンを混ぜたプレート「Speedboard」が内部に入っているとのこと。

重量はソコソコ

重量は片足297g(27.0cm)
クッションで重量をフォローしていくタイプの作りだ。250g前後に慣れていると重量を感じるのは欠点。

インソールはアーチサポートが軽く付いたもの。Onインソール全般表面ツルツルとしていて滑りやすい作りだ。

クラウドモンスター 2 と1の違い

続いて前作Cloudmonster(1)と比較して違いを見てみよう。

なお1の色が白になったり黒になったり、角度や左右統一性がないのは許して欲しい。

パッと見はソックリ

見た目はブログや動画で調べる意欲がある人じゃないと気が付けないほどソックリ。

離れてみたら俺も瞬時には分からない。そのため先行して触れた外観については「1」のレビューで以前書いたものをほぼ丸パクリしていたりほどだ。

配色抜きに側面からの見た時の大きな違いは、サイドプリントの文字が「CLOUD TECⓇ」から「ON RUNNING」になったぐらい。

アッパーメッシュは変化ほぼなし

メッシュ素材はリサイクル素材が増えたらしいが、触った感じ特に変わりはない。ベンチレーション穴の配置もほぼ同じだ。履き心地と通気性も特に変化を感じない。

シュータン周りは大幅に変更

シュータンがアッパーと連結したガゼットタン構造であるのは同様。2の方が履き口周りの素材が柔らかくメッシュが若干薄い。

シューレースは平紐で同様だが、アグレット(紐通し穴)がフエルト素材から紐になり、段数が1段増えたのがポイント。

1が引っ張るとスルスルと全体が絞まる感じで、2が部分ごとに微調整がしやすいといったところ。お互い一長一短。

クッション増量でサポートUP

ヒールは凸型の同形状であるが、2の方がやや全体が高く腱を支える形で、内側のクッション量も増量と改良が見られる。

ソールはより柔く厚く

2はデュアルクラウドテックのハニカム穴サイズがほんの少しだけ小さくなり、素材が1.5倍ほど柔らかい感触になっている。(※ 俺の触診のため何のあてにもならない数値)

また穴あき部分上のクッション材も、1「Helionフォーム」2「Helionスーパーフォーム」ということで、スーパーの方が柔らかい。

それと上から見ると分かりやすいのだが、2は前足部内側がやや広がっており、接地面が増えている。

厚みは1が前足38mmでヒールが45mm、2が前足41mmでヒールが48mmほど。2が若干厚め。

アウトソールは前足部凹部にラバーが若干追加されている。実際ゴムの追加された部分は、地面に接触するためグリップ力に貢献してくれる。

内部に1はポリプロピレンプレート、2はポリプロピレンとナイロンを混ぜたプレートが入っている。中身が見られないので正確には分からないが、たぶん2の爪先周辺にはプレートが入っていない。

それと底からプレートが見えなくなっている。1の場合この隙間に石が挟まったり、泥が詰まるということがあったけれど、その心配がない。ただ俺は見える方が好き。カッコいいから。

改良の結果やや重量アップ

重量は1が27.5cm「284g」、2が27.0cm「297g」と重量はアップ。当然同サイズだと、より差が広がるだろう。

フォーム材、ゴム、ライニングクッション微増量も重ねると、そこそこになる。履き比べると、重量だけで全然違うのが分かる程度には大きい変化だ。

大きな違いを羅列すると「カカト周りを高くし、クッションを増量」「ソールが厚く柔らかくなった」「重量が増した」といったところだ。

クラウドモンスター2のサイズ感

サイズ感について抑えるべきポイントは…

  • 爪先はゆとりが大きい。前作や他のOnシューズより全体的に大きくなっている。
  • 中間もゆとりがある。ここは紐で調整可能だから足が太くても細くてもOK。
  • カカトはクッションがあるため狭く見えるけれど、潰れるので見た目より広い。
  • 長さは他メーカーや他Onモデルとほぼ同様で標準的。

といった感じ。
全体的に幅が広く3Eっぽいサイズ感となっている。幅が広い靴だ。

他社の2EランニングシューズやOnの過去モデルを基準に…

  • 標準ぐらいの足形だとハーフダウンの可能性が高い。
  • 甲高で幅広い足形の人は同サイズ。
  • 足が細めはほぼ確実にハーフダウン。

サイズアップになることは少ないと思う。ただ注意して欲しいのは「長い」のではなくて「幅が広い」ことである。足幅に広めだったり、3Eとか4Eの靴を普段履いているなら変わらない可能性が高い。

俺は前作と同様のサイズだと、爪先横とカカトに空洞が多くなったためハーフサイズ落とした。それでもチョイ緩い。ワンサイズ落としても良かったかもしれない。

クラウドモンスター2の走行感

自然と足が前に進む作り

「硬くて柔らかい」走り味が魅力

前作と比較しながら走行感を紹介する。

クラウドモンスターはソールの穴が潰れることで衝撃を吸収し、穴が元の形に戻る力を利用し跳ね上がる作りとなっている。薄底靴のような硬く鋭い蹴りだしと安定性、厚底靴の柔らかいサポートと反発力が組み合わさったかのような感触が魅力だ。

だから俺は前作クラウドモンスターを「硬くて柔らかい」走り味と評価した。

前方へ転がり込むような感触が強い

クラウドモンスター2も後継らしく基本は同じなんだけれど、大きく違う部分がある。前方へのローリング性(自然に前へ進む力)だ。

前足が後足部より柔らかい素材となっているため、斜め前方にグニャリと潰れ倒れこみやすくなっている。画像赤線を引いた部分が特に柔らかく曲がりやすいので、自然とカカトの浮き上がり体重を前に移動しやすくなっているのが印象的だ。

爪先以外については大きく変わらず前作よりやや柔らかくなったくらい。抽象的だが2はフワッと跳ねて、1はピョンと跳ねる。感触の好みは分かれると思う。柔らかくなったことでクッションアップ、蹴り出しの力がやや逃げるといった感じ。

自然に足が前に進みパワフルな反発アシストをくれるので、より“ラク”に走れるシューズになった印象だ。

カテゴリーとしてはジョグ、デイリートレーナー、ライトユーザーフルマラソン走破といったところか?キロ4.5~5kmペースぐらいが気持ちよく、それ以上ペースを上げると力が逃げてしまう感が強いのでハイペースで走れる人には微妙かも。(この辺俺はフルマラソンも満足に走れないクソ雑魚なので軽く流して欲しい。)

良くも悪くも“クセ”がなくなった

一方で旧モデルがもっていた鋭い薄底靴のような蹴りだし感が影を潜め一般的な厚底シューズに寄り良くも悪くもクセが少なくなった。

またスタイルの誘導性が高い。爪先から倒れこむのだ!と語りかけてくるかのようで、トゥ・ミドル設置を誘ってくるのと、自然に前へ転がされるので、疲労時だとペースが乱されキツイ場面がある。

重量アップも見逃せないところ。300g近い靴ということで、距離を走るとジワリと足上げ時にダメージが来る。前作比10g増は意外と馬鹿にならない。

前作と若干違うけれど、2もクラウドモンスター

名作クラウドモンスターの流れを汲む後継

で?お前はどっちが好きなんだ?と問われると困る。若干キャラクターが違うけれど、どっちも好き。

カタログで2の詳細を見た時は「ソールを柔らかく、重量アップで絶対初代の良さが消えているじゃん!ダメそう」なんて思ったものだが、2は2でイイ。紛う方なきクラウドモンスターである。

俺は強いていうならクラウドモンスター1が好き

強いて言えば俺は「1」の方が好きかもしれない。理由としては蹴り出しと設置のフィールが硬いことと、2より自分の足形に合うから。クッションあるのに「ガッ!」と地面を蹴っている感が強いのが好きなのだ。他メーカーより固い材質を穴あき構造で何とかしているOnならでのパワープレイが好きなのだ。

まぁ個人的な感想であって、2の方が好きな人が多いような気もする。実際初代クラウドモンスターでは走り心地が固いという意見も見られた。

試し履きして爪先側に少し倒れこんだり、軽く足踏みをすると両モデルのクセが大凡分かると思うので、是非試してみて欲しい。

クラウドモンスターは見た目がカッコいいぞ!

最後に「2」「1」共通する重要な点を紹介しよう。

『見た目がカッコイイ』

ガチガチのランニングシューズなのに普段履きに使いやすいのがクラウドモンスターの良いところである。実際街中でもOnシューズの王道「Cloud・CloudWP」、街歩き向けの「THE ROGER」に次いで見かけるほどだ。

スポーティに決めるもよし、キレイめコーディネートのハズしにも良しと使い勝手も良好。お高めの値段ではあるものの普段履き靴としても活用したら実質半額!…そういう事にしておいて欲しい。そういう事にしよう!

独特な走り心地とカッコいいビジュアルを併せ持つ優れたランニングシューズだ。

「2」も「1」もオススメ。

「Cloudmonster Hyper」なるモノも登場。クッションパワーアップ、プレートなしバージョン。

最近の投稿記事

-靴・サンダル
-,