ムーンスウォッチを買った。またまた買った。「マーズ」「サン」に続く3本目です。
無事に最初欲しいと思った色コンプリートしてしまったぜ…。ということで今回は、青のムーンスウォッチ「MISSION TO NEPTUNE(ミッショントゥネプチューン)」を見ていこう。これが最後(のはず…)。
なおムーンスウォッチを取扱う3回目の記事なんだけれど、前回から間隔も空いたことだし、過去のレビューをベースに長々と語ってみる。
ムーンスウォッチはオメガ正式コラボ時計
初めに「ムーンスウォッチ」の詳細と購入手法について簡単に紹介する。
「ムーンスウォッチ(オメガスウォッチ)」は、2022年3月に販売されたスウォッチグループのスウォッチとオメガのコラボレーションアイテムだ。正式名称は「BIOCERAMIC MOONSWATCH COLLECTION(バイオセラミック ムーンスウォッチ コレクション)」とやたらと長い。
お値段100万円近いオメガスピードマスタームーンウォッチプロフェッショナルのデザインをスウォッチが模し、お値段4万円台でシックなカラーからポップなカラーまで網羅しているのが魅力。(販売当初から残念ながら値上がりした。世界的に物価が上がっているし、我が国の通貨が雑魚なのが悪い。)
基本カラーは全11色。レザーバンドが付いているバージョン違いがあり、クロノグラフ針に18金を使った期間限定品が幾つか。そしてオリジナルのムーンウォッチと縁の深いNASAの公認キャラクター「スヌーピー」イラストの入ったスペシャルモデルが2024年初め新たに加わった。
ムーンスウォッチの販売体制はクソ
- ムーンスウォッチ取り扱い店舗(2024.5 日本のみ)
- スウォッチストア札幌
- スウォッチストア原宿
- スウォッチストア渋谷
- スウォッチストア銀座
- スウォッチストア横浜ビブレ
- スウォッチポップアップストア名古屋三越
- スウォッチストア大阪
- スウォッチポップアップ 阪急うめだ
- スウォッチストア京都
- スウォッチストアいよてつ高島屋
ムーンスウォッチは普段から時計をチェックしているようなマニア以外の目にも止まり大いに話題となった時計だ。販売初日は大行列を作り混乱し、販売中止になったほどである。
問題は販売体制。上記の通り取扱が一部の店舗に限られており、Web上での公式販売がされていない。発売開始時と比べると取扱店増えたけど、まだまだ田舎者に優しくはない。
そして一際話題になったのは、今回の記事で取り扱うネプチューン。初期ロットで塗料が色移りを起こし一時販売中止、映画俳優に身に着けてもらってプレミア感を煽り、生産数を意図的に絞るという売り方したモデルだ。販売開始1年間は、ほぼ市場で販売されず、一時期は転売価格10万円を優に超えた時期もあった。ムーンスウォッチのクソ商法を代表するモデルといっていいだろう。
そんな混沌の市場も現在は落ち着いて、販売店舗に足を運べば“基本色は”買いやすくなってきている。メルカリなど転売の価格も落ち着いてきている。お陰様で、ようやく購入出来た。そろそろ地方民に買いやすい環境作ってくれませんかね?
なお新たに登場したスヌーピーシリーズは地獄の限定商法&超高騰転売プライス。まだまだスウォッチグループのムーンスウォッチ商法は終わらない。
ムーンスウォッチの包装
惑星豆知識付きの箱
では本題。まず箱から外観を見ていこう。
化粧箱は厚紙を樹脂コートしたもので、素材の割には高級感がある。
側面には惑星豆知識つき。モデルごとに勿論違う。本作は海王星(ネプチューン)
「One year on Neptune corresponds to 165 years on Earth.」=「海王星の 1 年は地球の 165 年に相当します。」
「1年=太陽の周り1周」って概念が日常薄いから何言ってんだ感あるけれど、海王星が太陽の周りを1周回る間に地球は165周するってことみたい。
海王星は-201℃の非個体惑星かつダイヤモンドの雨が降り注ぐ。地球とは全く違う恐怖のガス球体でしかない。
どう宇宙技術が発展しても、この星で暮らす未来はないだろう。
青い部分はカバーとなっており、外すと箱本体が出てくるという仕組み。
観音開きスタイル。
内容物は時計本体、左にコレクションリーフレット、右に取扱説明書・保証書。
ムーンスウォッチ(ネプチューン)の外観
シックで使いやすいMISSION TO NEPTUNE
こちらが本体「MISSION TO NEPTUNE(ミッショントゥネプチューン)」型式「SO33N100」になる。灰×黒のムーンと黒×黒のマーキュリーに次ぐプレミア煽り抜きに3番人気ぐらいのカラーだ。
他のカラーが派手なため地味に見えるけれど、冷静に見てみると全く地味ではない。高級時計でこのカラーリング選べるかい?と聞かれたらNOな人が多いのでは? 一桁万円台で収まっているからこそ気軽に楽しめるカラーと言えるだろう。
形状は正しくムーンウォッチ
左右非対称で42mmのサイズとケースの形はオメガムーンウォッチを正確に再現している。
ストップウォッチプッシャーもオメガと共通の形状。プッシャーはパっと見分かりにくいが、一体形成ではなくて突起部分とシャフト部分別の二分割形成。
竜頭には「Ω-×-S」が刻まれている。
なお竜頭は二段階で引き出せるが、日付が搭載出来るムーブメント(内部の機械)を流用している名残で一段目には何の意味もない。
タキメーターはプリント。現行ムーンウォッチのメモリやフォントを完全に再現している。
風防は宇宙空間でも割れないようにと、ムーンウォッチでも採用されているプラスチック素材だ。ガラス素材と違い透明度が低く歪むのが逆に魅力的。
なおプラスチックだから勿論超傷つきやすくて、先行所有している2本は光で照らしたら擦り傷まみれ。保護か定期的な研磨が必要だ。そういうもんなので、それを踏まえて愛でてやるのが乙。
それと中央には光を当ててよく見るとSWATCHの「S」の字が付いている。オメガのプラスチック風防モデルだと「Ω」。偽物対策の一環として生まれたものだが、昨今これぐらいは偽物も再現してくるので、最早一種の意匠でしかない。
ネイビーブルーとホワイトの組み合わせがカッコいい
ダイヤルカラーは公式の言う「ディープネイビーブルー」。
白色で統一された針やインデックスとの相性が非常に良い。思ったよりカッコよくて驚いた。画像で見るより実物の印象がいいカラーリングだ。
このモデルだと少々目立ちにくいが、サブダイヤルは皿上に窪んでおり、窪み部分は光の反射を抑えるため、円周上に細かい溝彫りがしてある。
時針、分針、ダイヤルインデックス、クロノグラフ針には夜光素材「スーパールミノバ」が塗られているため、暗いところで緑色に光る。
写真がいつにも増して微妙なのは気にしないで欲しい。
サブダイヤルの配置がムーンウォッチと違うのは内部機械の影響
ちなみにサブダイヤル(スモールセコンド)の配置がオリジナルと違うのは、スウォッチのクロノグラフ時計で使われているクォーツ式(電池)ムーブメント「ETA Cal.G10.212」を流用しているためだ。
時計の針の位置はムーブメントに依存する。なので同様の機械を使っている上記時計とサブダイヤルの配置が一緒。このコラボのためだけに新しいムーブメント作るとお金が掛かり過ぎるからね。勿論“あえて”違いを作ったという側面もあるだろう。
またこのムーブメントはチッチッチと1秒刻みで針を進めるステップ運針のため、細かく刻まれたインデックスは意味がない(オメガムーンウォッチは針が滑らかに動くスイープ運針)。まぁどうせ図れても使わないからOK・OK。
独自素材バイオセラミックケース
ケースにはスウォッチ独自の素材バイオセラミックが採用されている。1/3が植物から生産したプラスチック、2/3がセラミック粒子で、セラミック粒子をプラスチックで固めたものとのこと。
手で触るとプラスチックではなく陶器的な感触があるにはあるのだが、見た目はぶっちゃけ安っぽいプラスチック(店舗で見たところ薄茶色のサターンだけは多少雰囲気が出ていたような気がする)。素材に関心がある人が、近くで見ると普通の樹脂じゃないというのに気が付ける程度なので、高級感は期待しないように。
裏側
搭載している機械的にケースバックをここまで盛り上げる必要はないんだけれど、それもオリジナルを模すため再現。
このネプチューンのみ最初期のロットで色落ちするトラブルが発生したとのことだが、現在販売されているものは問題ない。
オシャレな惑星柄は電池蓋。柄は勿論海王星。
上にある窪みに細い竹串か何かつこんでやれば外れる。入っているボタン電池はスウォッチグループRenata(レナタ)社の「394」、日本のボタン電池規格だと「SR936SW」。
バンドはコラボ感満載で交換が簡単なのが嬉しい
バンドはスピードマスタープロフェッショナル アラスカプロジェクト(311.32.42.30.04.001)というモデルを参考にしたベルクロストラップ。所謂マジックテープ、面ファスナーだから外す時バリバリ音を立てる。ベルトループもケース同様バイオセラミック素材だ。
オメガ・スウォッチ・スピードマスターのロゴがあしらわれてカッコいいバンドなんだけれど、新品状態だと滅茶苦茶硬い。それと重心が親指側に寄ってバランスが悪いのも気になる。
一般的なバネ棒で止まっているので、バネ棒外しを使えば取り外しと交換は簡単。ラグ幅は20mmなので、20mmのバンドを購入すればお好みで変更可能だ。俺は直ぐに変えた。
ムーンスウォッチのスペック
今更感あるがムーンスウォッチ詳細は下記…
- ケースサイズ:直径42mm
- 素材:バイオセラミック
- 駆動方式:クォーツ(ボタン電池394 or SR936SW)
- 防水:3気圧 (日常生活防水程度)
- 重量:30g
- 保証:2年間(修理対応なし・交換のみ)
- 定価:¥ 40,700 (2024.3時点)
可も不可もなく至ってシンプルな電池駆動式時計である。機械式時計と違って軽く常に稼働しているお手軽さは、エエよね。
月差(1ヶ月間での時間ズレ)は先行所有していたしていたマーズが-30秒前後、サンが+15秒前後。絶賛は出来ないが、まあまあ。
持って、身に着けるとテンションが上がる時計!
Mission to Neptune はシックなカラーでコーディネートの邪魔をしにくいので使い勝手は良好だ。個人的に最近アウターをネイビーで統一しているので、相性が良いのも嬉しい。
ただ同じ金額をセイコーやシチズンで出せばより高性能で高品質なモノが買えるし、オリジナルムーンウォッチに興味がない人が買ってもただの安っぽいプラスチック時計である。しかも保証・修理がてんでダメで実質使い捨て。
だからか結構批判的な意見も見られる。安っぽいと思っている人も多い。ムーンウォッチの偽物でしょう?と笑っている人も多い。ムーンウォッチ持ってないのに買うなんて…という捻くれた人もいる。
まぁ実際安っぽいぜ!でも公式コラボ品だぜ?偽物とは違うのだよ。偽物とは。ムーンウォッチ持ってようが、持ってなかろうが、どうでもよくない?どうせ2本揃えて付けるわけじゃないんだ。
「オメガ公式ムーンウォッチを模したプラスチック時計」に自分自身が納得できるかが全て。持っていて、身に着けて己のテンションが上がるかどうか全て。俺は3本も所有しているだけだって大好きだ。
興味があれば是非手を伸ばしてみて欲しい。
「マーズ」と「サン」のレビューも興味があれば是非
引用しているから大分内容被るけれど「Mission to Mars」「Mission to the Sun」のレビューも興味があれば是非。
以下ムーンスウォッチ購入後に約立つ商品のリンク…
プラスチック風防磨き定番らしい「サンエーパール」。そのうち買う。
スマホでお馴染み「PDA工房」「ミヤビックス」から風防保護フィルムがリリースされていたりする。傷つけたくないなら必須。
電池交換には「レナタ394」か「SR936SW」。「SR936SW」の方が若干安い。
バンドを外すなら持っておきたいバネ棒外し。バンド付属品や中国製はオススメしない。