ムーンスウォッチを買った。また買った。
眩い黄色のムーンスウォッチ「MISSION TO THE SAN(ミッション トゥ ザ サン)」だ。所有している「MISSION TO MARS」と並ぶ不人気色の一つである。俺にとってのトップ2なんだけれど、どういう事なのだ。という訳で「MISSION TO THE SAN」の魅力を伝えたい。
なおムーンスウォッチを取扱う2回目の記事だから前回より簡素化している。より詳細なのは下記「MISSION TO MARS レビュー」で見て欲しい。
ムーンスウォッチはオメガ正式コラボ時計
まず「ムーンスウォッチ」の詳細と購入手法について簡単に紹介する。
「ムーンスウォッチ(オメガスウォッチ)」は、スウォッチグループのスウォッチとオメガのコラボレーションアイテムだ。
お値段100万円近いムーンウォッチことオメガ スピードマスタープロフェッショナルのデザインをスウォッチが模し、お値段3万円台とリーズナブルかつシックなカラーからポップなカラーまで全11色網羅しているのが魅力。
なお正式名称は「BIOCERAMIC MOONSWATCH COLLECTION(バイオセラミック ムーンスウォッチ コレクション)」で、公式は「ムーンスウォッチ」と呼ぶのだが、オメガというワードを強調するためにメディアが生み出した「オメガスウォッチ」という名称も流行っている。
ムーンスウォッチの販売体制はクソ
- ムーンスウォッチ取り扱い店舗(2023.3 日本のみ)
- スウォッチストア原宿
- スウォッチストア渋谷
- スウォッチストア銀座
- スウォッチストア大阪
- スウォッチストア横浜
- 期間限定Pop UP(阪急梅田・名古屋栄)
- 移動販売ムーンスウォッチツアー
ムーンスウォッチはかなり話題になった。スウォッチグループの決算と株価も絶好調の模様。商品を購入するためファミリー層も普通に並んでいてビビる。子供に買うのか?仮にも3万円台の腕時計だぜ?
話題になったのは時計業界にとって明るいのだけれど、問題は販売体制。上記の通り販売店が極一部の都市部に限られており、Web上での販売がされていない。そのため地方民は在庫あるか分からない遠くの店舗に足を運ぶか、フリマ・オークションでの転売品購入か、移動販売ムーンスウォッチツアーが来ることを祈るしかない状態。
なお今回俺は「ムーンスウォッチツアー」を利用したのだが、通知はSNSで1日前、販売店員が少なく地獄の行列、列に並び順番が来るまで何色を売っているか分からない、実物を見て選べないと超ド級のクソ。並ばせて話題になりたいという、意図が透けて見える。企画担当は多分鬼。
現状販売体制はクソ。
偽物を売る公式サイトっぽいところが沢山…
お陰様で偽物を販売するWebサイトが沢山。「ムーンスウォッチ 購入」でGoogle検索して普通に上位に出てくるのな。被害者滅茶苦茶いそう…「広告」じゃねぇよ頼むぜGoogle先生。
「https://www.swatch.com/~」以外のサイトは偽物だし、そもそも2023.3月時点Web上での公式販売はしていないので注意して欲しい。
ムーンスウォッチの包装
手提げ袋はスウォッチ共通品
前回記事でスルーした手提げ袋から見ていこう。
購入するとこんな手提げ袋が無償で貰えるのだが、これはスウォッチ商品で使用されている共通品。スイス企業らしい赤と白でオシャレな紙袋だ。
他のスウォッチ時計はバンドを伸ばした状態で、薄く細長い箱に入っているからこの袋でいいのだけれど、ムーンスウォッチは一般的な四角型のため滅茶苦茶偏る。
購入後2時間程ウィンドウショッピングをしつつスウォッチの広告として働いたのだが、斜めになって何気不快。このご時世タダで袋が貰えるだけ有り難いし、割とどうでもいいのだが、気になったので一応記載しておく。
惑星豆知識付きの箱
箱は厚紙製。光沢感があり触れるとザラザラとした凹凸感があるのが特徴。素材の割には高級感がある。
偽物が大量に排出されている本作であるが、この外箱は見分ける基準として優れていると思う。画像を真贋チェックの参考にして欲しい。
側面には惑星豆知識つき。モデルごとに勿論違う。本作は太陽。
「Is a perfect sphere」ということで太陽は完全な球体らしい。
「It would take 1.3 million Earths to fill the Sun」太陽を埋めるには地球130万個分いるという内容。
地方民が「東京ドーム何個分です」と言われたときの、あの感情が湧いた。「つまりデカいってことですね?で?東京ドームってどんな大きさなんだよ」っていうアレ。
黄色い部分はカバーとなっており、外すと箱本体が出てくるという仕組み。画像は裏側。
リサイクル関連のマークがたくさん入っており、カバー取外し時に滑りを良くするため?の白シールが貼られているのが特徴。
パカッと開いて本体が出てくる。前回記事と違い、これは正真正銘初回開封となる。(前回は写真撮影前に開けて身につけてしまった。)
内容物は時計本体、左にコレクションリーフレット、右に取扱説明書・保証書。
ムーンスウォッチ(サン)の外観
太陽のように輝かしいMISSION TO THE SAN
こちらが本体「MISSION TO THE SAN(ミッション トゥ ザ サン)」型式「SO33J100」になる。
現状マーズ(赤)とビーナス(桃)と並び不人気トップ3と呼ばれている模様。取扱店舗では並ぶことなく普通に購入出来るようだ。何故だ!!滅茶苦茶カッコええじゃん。
まぁ派手色故に抵抗を持ってしまうのは何となく分からなくもないけれど、服をモノトーンで固めたらアクセントとして使えるし悪くないと思うのだがどうだろう。派手色こそスウォッチの真骨頂ではないだろうか?オリジナルムーンウォッチにない雰囲気こそムーンスウォッチの武器ではないだろうか?というのが個人的意見。
…なのだが俺の意見はどうでも良くて、何が人気とか希少価値が高いとか、そういうのに囚われず己の本心から好きな色を買って欲しいと思う。
真っ赤な日の丸のもと集う日本人ゆえに、太陽なのに何故黄色なんだ?赤じゃないのか?と疑問を持ったかもしれないので一応説明を。
いわゆる太陽を絵に書く時に各国色が違うって有名なアレだ。ムーンウォッチを有名にしたNASAのあるアメリカ、スウォッチのスイスを含むヨーロッパ圏など数多くの国では、太陽の色=黄色なのだ。だからこのモデルは黄色。太陽の色を赤とするのは少数派。
形状は正しくムーンウォッチ
竜頭とストップウォッチプッシャーの付いている側が若干大きいのが分かるだろうか?ケースは左右非対称なのだ。コレこそがムーンウォッチの特徴の一つである。
サブダイヤルの配置がオリジナルとは違うものの、こういったポイントを抑えているから佇まいは紛うことなきムーンウォッチのそれ。
ストップウォッチプッシャーもオメガと共通の形状。竜頭には「Ω-×-S」が刻まれている。
なお竜頭は二段階で引き出せるが、日付が搭載出来るムーブメント(内部の機械)を流用している名残で一段回目には何の意味もない。
アウターベゼルの90斜め上にドットがついていることを、「ドット オーバー 90」という。やたらカッコいい響き。
最近のモデルで復活した初代スピードマスタープロフェッショナルの意匠である。真横の方がバランスが良くね?とか合理的な事を言ったらスピードマスターマニアに殴られるので注意。
風防は宇宙空間でも割れないようにとスピードマスタープロフェッショナルでも採用されているプラスチック素材だ。ドーム状になっており、独特の歪みを出すのが特徴。
販売店員からの注意説明がある通り超傷付きやすい。時計で主流のサファイアガラスやミネラルガラスの倍なんてもんじゃねぇ。プラスチックは擦ったら一撃だ。なお先行所有していたマーズは知らぬ間に早速傷つけた。
ムーンウォッチユーザーによると傷が増えたら「サンエーパール」なる研磨剤で削るのがいいらしい。そもそも傷なんてつけたくないという場合には、保護フィルムがあるので購入するといいだろう。どちらも記事の最後にリンクを張っておく。
ダイヤルカラーの塗り分けがカッコいい
このイエローカラーの素晴らしいところは、ダイヤルの塗り分けだ。
黄色一色ではあるもの光に照らすとダイヤル中央のサンレイ(放射)加工が綺羅びやかに光り、サンレイ加工されていないインデックス周りが浮かび上がる。ビジュアルが良く、視認性も良いといいところ尽くめ。
ダイヤルカラーの塗り分けをしているモデルは幾つかあるものの、サンレイ加工をしているのはこのモデルのみ。写真だと分かりにくい魅力なので、実物を見れる機会があればチェックしてみて欲しい。
サブダイヤルは皿上に窪んでおり、窪み部分は光の反射を抑えるため、円周上に細かい溝彫りがしてある。何気にお仕事細かい。
サブダイヤル白丸の中に黄色一周しているのも、オレンジ針も良い感じだ。
独自素材バイオセラミックケース
ケースにはスウォッチ独自の素材バイオセラミックが採用されている。1/3が植物から生産したプラスチック、2/3がセラミック粒子で、セラミック粒子をプラスチックで固めたものとのこと。
手で触るとプラスチックではなく陶器的な感触があるにはあるのだが、見た目はぶっちゃけ安っぽいプラスチック。偶に高級感があるとか言っている人いるけれど、マジで言ってんの?ってくらいプラスチック寄り。少なくとも俺の所有しているサンとマーズは。
よ~く見るとセラミック粒子っぽい雰囲気があるが、セラミック素材の艶めきや強度はないので、期待はしない方が吉。
エッジの立ちはお見事。手で触れると鋭い角を触ってる感ある。キレッキレ。
安価な金属時計ならこうは行かないはずだ。削りやすいプラスチック系素材ならではだろう。
裏蓋「大きな夢を抱き、空高く飛び、宇宙を探索、惑星へ旅をしよう」という内容の文字と簡単な諸元。
オシャレな惑星柄は電池蓋。上にある窪みに細い竹串か何かつこんでやれば外れる。入っているボタン電池はスウォッチグループRenata(レナタ)社の「394」、日本のボタン電池規格だと「SR936SW」。
バンドはコラボ感満載で交換が簡単なのが嬉しい
バンドはベルクロストラップ。デザインはスピードマスタープロフェッショナル アラスカプロジェクト(311.32.42.30.04.001)というモデルを参考にしたものと思われる。
所謂マジックテープ、面ファスナーだから外す時バリバリ音を立てる。
オメガ・スウォッチ・スピードマスターのロゴがあしらわれてカッコいいバンドなんだけれど、新品状態だと滅茶苦茶硬い。それと重心が親指側に寄ってバランスが悪いのも気になる。
一般的なバネ棒で止まっているので、バネ棒外しを使えば取り外しと交換は簡単。ラグ幅は20mmなので、20mmのバンドを購入すればお好みで変更可能だ。
ムーンスウォッチのスペック
今更感あるがムーンスウォッチ詳細は下記…
- ケースサイズ:直径42mm
- 素材:バイオセラミック
- 駆動方式:クォーツ(ボタン電池394 or SR936SW)
- 防水:3気圧 (日常生活防水程度)
- 重量:30g
- 保証:2年間(修理対応なし・交換のみ)
- 定価:36,300円(2023.3時点)
諸元としては、可も不可もなく至ってシンプルな電池駆動式時計である。機械式時計と違って軽く常に稼働しているお手軽さは、エエよね。
ちなみに先行所有していたマーズで確認したところ月差-28秒(1ヶ月間での時間ズレ)であった。絶賛は出来ないが、まあまあ。
MISSION TO THE SAN は腕元が華やぐ眩しい時計
「MISSION TO THE SAN(ミッション トゥ ザ サン)」はダイヤルに光沢感があり色々な表情を見せてくれるのが楽しいモデルだ。明るい服装に合わせる相棒としては勿論、地味なときに身につければパッと花を咲かせてくれるだろう。家の中に飾っても目立って良い感じだ。
ただ優れたプロダクトであるのは間違いないが、現在の人気は加熱しすぎている気がするし、販売方法も感心できるものではない。細かい作りとかは感心するものの、プラスチッキーでパッと見安っぽいよコレ。オメガやスピードマスタープロフェッショナルに対して関心が低い層が買って楽しめるかは謎。
前記事と同じ結論で締めるけれど、ムーンスウォッチはカニカマみたいなもんで、本物のカニを求めてはいけない。スウォッチのポップさとムーンウォッチの雰囲気を楽しむ商品なのだ。高級時計ではないことを重々理解しておいて欲しい。
以下ムーンスウォッチ購入後に約立つ商品のリンク…
プラスチック風防磨き定番らしい「サンエーパール」。そのうち買う。
スマホでお馴染み「PDA工房」「ミヤビックス」から風防保護フィルムがリリースされていたりする。傷つけたくないなら必須。
電池交換には「レナタ394」か「SR936SW」。「SR936SW」の方が若干安い。
バンドを外すなら持っておきたいバネ棒外し。バンド付属品や中国製はオススメしない。