雨泥気にせず雑に使用できるスニーカーが欲しかったので、安価かつ見た目が良くビニール素材(合皮)であるアドバンコートベースを購入した。
前にこの商品を使った『「アドバンコート」と「アドバンコートベース」の違い』という記事を投稿したけれど、今回はアドバンコートベース単体での評価になる。
アドバンコート ベース(EOT69)とは?
テニスシューズにインスパイアされたカジュアルな一足。
ストリートに映えるコート系シューズ。このシューズは、つややかなレザー風のアッパーに、パンチングの3ストライプスをあしらっている。滑らかなラバーカップソールと合わせて薄型のシルエットに仕上げた。
上記が、アドバンコートベースのアディダス公式紹介である。”テニスシューズにインスパイア”とのことだが、ここで言うテニスシューズは1900年代に主流であった白色を基調としてシンプルなデザインのやつ。つまりアディダス的には「スタンスミス」。スタンスミスの雰囲気を継承した廉価版がアドバンコートベース(アドバンコート)なのである。
このアドバンコートベースは安価帯にしては、カラーラインナップが多いのも魅力。シンプルデザイン+カラー豊富+安価とファッション的には嬉しい仕様。今回購入はしなかったが、白色メインでソールが水色なやつ好き。
アディダス アドバンコート ベース(品番EE7693) 外観
正面(爪先側)/シュータン
アディダス アドバンコートベースは、安価帯にしてはカラーリング豊富なのだが、俺が購入したのはアッパーとソール共に黒色オールブラックモデル(品番EE7693)。ファッション的に服の邪魔になりにくい無彩色は最強。どんな服装にも使える万能カラーだ。
シンプルデザインなオールブラックカラーであるから、ビジネスカジュアル的なやつには向いている。仕事服なんて安くていいやってならあり。ただグーグルのサジェストに「アドバンコートベース スーツ」というのが出てきたが、それは絶対なし。形状からしてスーツの足元のそれじゃない。楽に歩きたいなら「アシックスから革靴」出てるからそれを購入して下さい。スーツにコレはホントに止めて。
アッパー素材は合皮。ビニールレザーと呼ばれているやつ。写真だと悪くないような気もするが、外で太陽光を浴びると明らかにビニール。「この素材は天然皮革でしょうか?合成皮革でしょうか?」って問われて間違える人いないと思うくらいの出来であるため、安っぽさは割り切って購入しないと駄目。実際安いから仕方ない。
今回俺の主目的は、安く汚れ水に強いという点であったためチープさはOK。ケアのためスプレー付けたり、汚れ落とし頑張ったりする必要はないのは合皮の魅力。ガッシガシ雑に使ってやろうと考えている。
しかしその硬い履き心地は良いと言えるものではない。特に足を動かしたら素材が「曲がる」というか「折れる」感触は特に不快。天然皮革と比較すると、なんか素材が足に刺さるんだよね。
類似品のスタンスミスや上位版のアドバンコートでは、シューレースホールに樹脂のハトメ(リング)がついているが、これにはついていない。だから紐の通しやすさは微妙。
同社スーパースターなど高額帯商品にも付いていなかったりするし、機能的にも付いていることが絶対ではないので、あまり気にしなくてもいいと思う。
シュータン(ベロ)はアッパー素材と大きく雰囲気の変わるメッシュ素材。クッション性があるのだが、その厚みで形状がスマートじゃないのは欠点。
タンに付いている、シューレースホール(靴紐通し)が上目であるため履いた時にタンを巻き込みにくいのが嬉しいところ。出かける時にササッと履ける。
後このモデルのアディダスロゴが白ではなくて、灰色であるのがグッド!主張控えめなのが、ありがたい。
側面
側面外側。ベンチレーションホール(通気孔)が、アディダスロゴ(スリーストライプス)状についている。黒モデルは、白モデルと違いそれが目立たないのが特徴で、シンプルデザインを際立たしているのがイイ。
側面内側。俺がこの靴を気に入っている大きなポイント。側面の絞り込みが安価なのに、シッカリとしているのよコレ!
側面の絞りが甘いとシルエットがダサいし、足もズレていいことない。
背面(踵側)
オリジナルスの商品ではないからトレフォイルロゴ(三つ葉)ではなく、シンプルにadidasロゴ。
シュータン部分もそうだけれど、ロゴを目立たないようにしているのがこのオールブラックモデルの特徴。何を求められているか、分かってらっしゃる。
アウトソール
ソールの模様はハニカム状。
ソールは安い靴のコストカットポイントで、滑りやすいとか、地面の感触丸わかりな残念さんが多い。そんな中このソールは非常に良く出来ており、ソコソコグリップするし、地面の凹凸も吸収する。
俺的この靴残念ポイントナンバーワン「アッパーとソールの接合は接着剤のみ」。カップソールは、通常アッパーとソールを糸で縫い付ける。だから普通上記画像でいうアディダスロゴ上の溝に、糸が縫い着けられているのだ。しかしこのモデルはただの溝で糸は通っていない。
縫い付けを省くことで、コストカットしているわけだ。縫い付けの有り無しで、相当耐久力に差が出るはず。思わぬタイミングでアッパーとソールが剥離する不安が拭えない。耐久面では心配が残る仕様だ。
あと第三者視点では分からないだろうけれども、アッパーとソールを繋ぐ接着剤のはみ出し目立つのも良くない。
トップライン/インソール
トップライン(履き口)は広めで、脱ぎ履きが多い環境下では最高。一方で口周りでの締め付けが弱いため、故に足首周りのフィット感が今ひとつ。一長一短。
内側の素材はつま先からタン、履き口付近がクッション性がある布張りとなっている。側面薄手の硬い布素材。中のクッションが柔いおかげで、合皮アッパーの硬さを誤魔化してくれる。よく出来た組み合わせだ。
インソールは安い感じが、感触や素材感からビンビンする。
裏に両面テープベッタリついた、クッション性微妙なインソールであった。履き味硬めのイマイチだから余っているインソールがあれば、取り替えてしまったほうが幸せになれるはず。
アディダス アドバンコート ベース サイズ感
俺の場合普段購入するアディダスのスニーカーは大体26.5cmだが、このアドバンコートベースは27.0cmをチョイス。アディダスオリジナルス系列のサイズ感で購入してはいけない。
この靴の構造は内部のクッションが厚く外面より中が狭いため、日本人に多い足型である甲高、幅広である人は注意が必要。
…という過去記事「アドバンコートレビュー」からの引用モリモリな感想だけあって、アドバンコートとサイズ感はほぼ一緒。合皮アッパーと天然皮革アッパーの違いからだと思われるが、ベースの方が若干タイト。…そんな気がする程度の違い。
アディダス アドバンコート ベース 重量
アドバンコートベースの重量は27.0cmで「353g」であった。昔ながらのローカットクラシックスニーカー形状としては、非常に標準的だ。同社スタンスミスやキャンパスもおおよそコレくらい。
特に重さとかを感じるレベルではないだろう。コレより軽い靴で歩きたいなら、スポーツシューズの類になってくる。
まとめ [ お値段から考えると悪くはない問題は… ]
合皮素材の硬さ蒸れとアッパーとソールの接着はよろしくないが、お値段を考えると実に悪くない。3,000円付近で靴を購入したいというならあり。ビジュアルもシルエットもスッキリしているし、カラーバリエーションが豊富でコーディネートに合わせやすいのも嬉しい所。
ただ問題点は上位モデル「アドバンコート」が+1,000円程で入手できてしまうこと。詳しくは「比較記事」を見て欲しいのだけれども、アドバンコートは合皮から本革への変更だけではなく色々パワーアップしてるのだ。俺は+1,000円で「アドバンコート」を購入するのがオススメであるが、この「アドバンコートベース」も悪くないことは確か。
2024.5追記:最新の「アドバンコートベート」はモデル型式「GW2○○○」となっている。インソール(中敷き)のデザインが少し変わった。