割と梅雨とは縁のない地域に住んでいるのだけれど、今年は完全に梅雨に当たった。1週間を超えるとウンザリするね。家に籠もってもとてつもない湿度だし、外に出たら言わずもがな地獄。
そんでもって困るのが靴だ。俺の所有している靴に防水靴が少ない。ハイカット系は求めてないし、雨降りランニング用は普段履きにするにはくたびれ過ぎている。ということで新しい防水靴を購入。「On Cloud 5 Waterproof(オン クラウド5 ウォータープルーフ)」である。
On Cloud 5 Waterproof 購入経緯
今回紹介するのは、2010年設立怒涛の勢いで発展してきている「On(オン)」のシューズだ。「On」のシューズを購入するのは初めてなんだけれど、ランニング業界でも凄い話題になっていたし、テニス選手ロジャー・フェデラー氏とのパートナーシップ、アストンマーティンF1チームのピットクルーが履いていたりと結構気になってたのだ。
そんな「On」の中でも人気のあるシューズが「Cloud(クラウド)」。2014年販売された「Cloud」は"どんなシーンでも足にぴったりフィットし極上の履き心地を"ということで、街歩きだけではなく、ランニングにも使える万能シューズ。2022年現在は「Cloud 5(クラウド5)」が最新モデルとなっている。
Onの商品買う初めてだから無難にして王道の「Cloud 5」をと思ったのだけれど、冒頭の通り購入時雨降りが続いていたので「Cloud 5 Waterproof」をチョイス。「Waterproof」の名が加わった通り防水が備わった「Cloud 5」だ。
On Cloud 5 Waterproof 外観と特徴
正面
では「On Cloud 5 Waterproof」の外観を見てみよう。
2022.7月現在のカラーは「All | Black」「Olive | Black」「Glacier | White」3種類と少なめ。俺は「Glacier | White」カラーを選んだ。単色に見えて意外と多色。言うほどグレーシャー(青白)でもないし、ホワイトでもなくグレー系カラーに仕上がっている。
シューレース、アウトソール、ライニングの黒を上手く使って引き締まった印象を与えてくれるのがナイスだ。このモデルに限らず「On」の配色センスは抜群に良いと思う。
側面
やはり側面から見るとOnのアイコンでもある穴の空いたソール「CloudTec(クラウドテック)」が目を引く。俺は見慣れてかっこよく先進的に見えるのだけれど、一般的にはどうなんだろうか?見慣れてない人には少々奇抜に見えるかもしれない。
Onのロゴなど各所についている銀色部分は、夜間嬉しい反射素材だ。公式で「絶妙な位置に反射材を配置しました。 」と自称しているだけあって、どの角度かでも一つは必ず見えるようになっている。
背面
踵には非防水のベースモデル「Cloud 5」にはない、引っ張るためのヒールタブが付いている。雨水で汚れたアッパーを触れず履けるように…という気遣いだと思われる。
右足の外側のみ「スイス国旗タグ」と「SWISS ENGINEERING」の文字がついている。オシャレ。
防水素材が嬉しい
独自防水メンブレン採用
「Cloud 5 Waterproof」の特徴としては「Waterproof」即ち防水であることだ。アッパー素材に自称「通気性に優れた防水メンブレン」が採用されている。
防水性としては時間10mm程の大雨でも、水溜りに飛び込んでも全く足は濡れず平気だった。雨降り、雨上がりの水たまりだってなんのその。足首まで浸からなければ川に入っても大丈夫。完璧だ。
また最近防水シューズの類これでもか!というくらい防水であることを主張する節があるけれど、これは「WATERPROOF」の小さい文字だけ。
見た目がシンプルで普段履きの雨靴として活用しやすいのが嬉しい。
ゴム長靴やビニール合皮の靴と違い防水なのに「通気性」を備えているのもポイント。ゴムやビニールだと通気性が全くないから滅茶苦茶蒸れるけれど、通気性がゼロではない。
ゼロではないというのはかなり重要。雨合羽やゴム長靴を着用した後の汗かいた自覚ないのに、全体的にベチャーっと湿気っていた…みたいな防水グッズあるあるが発生しない。
通気性のある防水をしったらもうゴムやビニールなんて履けやしないってなるくらい快適。
全く蒸れないかというと「No」
ただ期待し過ぎは厳禁。自称「悪天候の中でも足をドライに保ちます」って程ではない。あくまでも足から出る熱気が通るくらいの通気性だ。
通気性のイメージとしては加湿器の蒸気にタオルとか雑巾を当てた感じ。当てる物が、メッシュだと蒸気そのまま抜けるじゃない?ゴムだと全く抜けずに籠るじゃない?タオルだと蒸気が完全には抜けないけれど少なからず抜けて、蒸気が止まると染み込んだ分も徐々に乾いていくじゃない?そんな感じ。
全く蒸れないかというと「No」。防水だからね。やむなし。
防水素材以外にも水が入りにくくなる工夫あり
シュータンはアッパーと縫い付けられている一体型であるためここから水が浸入することはない。タンに入っている斜めラインは、初代Cloudから引き継いでいるアイコンみたいなものだ。
ただし履き口は普通のスニーカー同様の作りであるため、そこからの水侵入は避けられない。ハーフパンツやスカートなど足首が出る服装だと防水を活かせないので注意して欲しい。
シュータンとアッパーの縫い付け位置が少し高いのと、防水メッシュ材にボリュームがあるので、通常の非防水モデル「Cloud 5」よりシルエットがズングリとしているのは欠点。
防水性に用がなければ、通常モデルの方がオススメだ。
スピードシューレースシステムで素早く履ける
Onでは定番の靴ひもを縛る必要のない「スピードシューレースシステム」が採用されている。まぁシステムというほどではなくて、普通にゴム紐。
「簡単に脱ぎ履きできるのに、不思議なくらい足にフィットします」の公式紹介通りスリッポン感覚で楽に履ける。靴の脱ぎ履きが多い我々日本人的には非常に嬉しい部分だ。
レースホール上端が、Onロゴの"O"形状なのが洒落てる。
ゴム紐を末端は普通に硬結びするだけ。なお末端はゴムで覆われていてほつれないよう加工されている。
細身の丸紐シューレースも付属品に入っている。ゴム紐はどうしても伸びによる遊びが生じてしまうので、ランニングなど運動をするならシューレースの方がオススメ。
シューレースにした方が見慣れたよくあるシューズに近づくので、こちらの方が好みという人もいるのではないだろうか?
CloudTec(クラウドテック)ソールで楽に歩ける
凹凸が特徴的な「CloudTec(クラウドテック)」ソール。名のクラウドこと雲でも、ちくわでもなくて水道ホースがルーツの模様。アウトソールはEVAフォームむき出しの部分が多く、ラバーが少ない印象を受けた。トップランニングシューズばりの軽量化具合である。
クラウドテックソールの空洞が潰れることにより、ショックが伝わりにくく足に優しい。それでいて空洞が戻るときの反発力で、自然に足が前に進むからウォーキングが楽しくなる。試し履きでも十分感じることが出来るので、是非この感触を体験して欲しい。モコモコ楽しいぞ。
ただランニング用途としては弱い
シューズ自体はデイリーユース寄りで俺自身も普段履き用に購入したのだが、一応雨天時のランニングシューズというカテゴリーにも該当するので10kmほど走ってみた感想を述べる。
走ると歩いている時よりクラウドテックソールの空洞が潰れるから、歩行時より速度が乗りショックが伝わりにくく兎に角足に優しい。それでいて柔い厚底靴と違ってブレないし、地面の感触も掴みやすい。
見た目が個性的な割に堅実で癖の少ないこれでいいんだよ!って感じの運動靴に仕上がっている。それに色々な靴を履いてきたが、走行後トップクラスに疲れが残らない靴である印象だ。
ただし軽いランニングやウォーキングならいいけれど、全力で走るという状況でこの「Cloud 5 Waterproof」を選ぶかと言われたらノー。迷わず「アディダスアディゼロ」や「ナイキズーム」のような靴を選ぶというのが正直なところ。
尖った武器「反発力」が少ないのだ。全く跳ねない訳ではないんだけれど、低速での使用を見越しているのかシッカリ走ると物足りなさが勝る。ランニングシューズとして使えはするものの、公式サイト紹介通りデイリーユース寄りシューズなのである。
あとアウトソールが濡れた路面、マンホールや塗装面などでグリップ感に欠ける。ゴム性能そのものというより、凹凸パターン故に設置面積が足りてない感じだ。滑ってとても危ないというほどではないものの、加速力が削がれている感じが凄い。
On Cloud 5 Waterproof 重量(28.0cm)
スニーカー、ハイテクスニーカー基準だと軽量で、ランニングシューズ的には重め、防水ランニングシューズとしては標準的。
歩行ではまず気にならない重量だと思うが、20kmを超えるランニングだと微妙。
On Cloud 5 Waterproof サイズ感
さて最後にサイズ感だ。特徴としては…
- 甲回りの抑えが外羽形式だから稼働範囲は高い。ただしシュータンが高い位置まで縫われている。
- 防水アッパーに厚みがあり、外見より内側が狭い。
- 足形が他社のシューズと比べると直線的。
- Onの靴は狭いという評判があるが、前Cloudの話であってこれはそうでもない。
といった感じ。
懐が特別広くも狭くもないんだけれど、そこそこ変わった感触がする靴だと思う。俺は初回購入時試し履きした上で、盛大にミスった。大きめにするなら27.5cmでジャストなら27.0だわ。失敗!
内側にクッションがあって、足形が直線的なのが癖もので、足指に圧迫感を感じやすい。その感触に騙されサイズアップするとダメなのだ。それがこの靴の正常。クッションは歩いている内に潰れ圧迫感を感じなくなる。
インソールを抜き取り、その上に足を乗せイメージを掴んで、2~3分ぐらい履いて歩き回ってみるといいだろう。(自戒)
試し履き出来ない人に対しての推奨サイズは…
- 殆どの人は、いつも通りでOK
- 甲高幅広めならハーフサイズアップ
まぁ結局普段履いている靴にもよるんだが、ナイキ・アディダス・プーマとかの大手スニーカー・ランニングシューズメーカーならそんな感じ。
どんなシーンでも使えるそれが「Cloud 5 Waterproof 」
一種の無敵の靴の類ではある。非防水メッシュの靴には及ばないというだけで通気性もあるし、クラシックスニーカーなどは相手にならない快適性、そして防水性があるのだ。雨の可能性がある時や旅行など一足しか持っていかない時に何を選ぶかと言ったらコレ。万能過ぎる。
ただ防水性が必須じゃなければ迷わず非防水タイプノーマル「Cloud 5」を選んだ方がいい。仕方がない部分もあるけれど、シルエットがずんぐりしてしまっているし、サイズもなんか変わった感じになっている。もっと「Cloud 5」の形状に近づいてもらいたいところだ。とは言え「Cloud 5」に及ばないと言うだけで、そんなに悪いわけではない。
シルエット面で満点ではないものの「Cloud 5 Waterproof」こそ「Cloud 5」のコンセプトである"どんなシーン"でも体現したモデルだ。
「Cloud 5 Waterproof」いつでも履ける靴だ。
軽くて、シルエットも薄くカッコいい「Cloud 5」。後日購入してしまった。
上記はレビュー記事ソチラもよろしく!
透湿素材ではあるのだが、全くムレない訳ではない。防水だもの。ムレが気になる場合当シューズに限らず「ヌメ革インソール」を入れるとイイぞ!