近年QRやウイルス流行により非接触決済の評価が高まってきている。俺の住んでいるクソド田舎ですらチョイチョイ見られるようになってきた。実にいい流れだ。
キャッシュレス化に移行したことで、従来の財布である必要のなくなった人、まだ理想的な財布を見つけられていないという人も多いと思う。
人によってどの程度お金やカードを持ち歩きたいか違うゆえにコンパクト財布は結構面倒なんだ。取り換えず俺にとってのベストコンパクト財布が見つかったのでそれを紹介する。
今回紹介する商品がオススメの人
今回紹介するのは昨今流行してきているコンパクト財布の一種だ。コンパクト財布は様々な形状があり使用用途に合っていなければ、不便で使えないものとなりがちなので、自分の使用用途に合っているか確認してから購入を検討して欲しい。
紹介するものは画像のような形状で、下記に該当する方に対しておすすめな商品となってる。
- メインの支払いがカードやスマホ
- 札と小銭を偶に使う
- 持ち出すカードは3枚以内
- 薄くコンパクトな財布がいい
- 取り出しやすさは欲しい
コンパクトなのがいいが、お札も小銭もいるし、取り出しやすさは捨てれないという我が儘さん仕様な財布だ。
メイン決済はスマホなんだけど、どうしても飲食店やコインパーキングなど現金での支払いが避けられない環境なので、最低限は持ち歩きたい。そんな俺にこの形状はドンピシャだったのだ。
コンパクト財布は選択肢が少ない
コンパクト財布は、長財布や二つ折のような王道形状に比べると形が分散している。人によって理想の形状が違うからだ。
探してみると分かると思うが、沢山の選択肢があるように見えて、自分にとって気に入った形状の選択肢は存外少ないはず。だから欲しい形状で、好きな素材というのは増して難しい。
以前はキプリスというメーカーのものを使っていたのだけれど、どうにも質感がどうにも満足出来なかった。1万円近辺だとどうしても素材感がそれなりだし、メーカーとしては好きなガンゾのは革の種類が好みではない。
そんな中見つけたのが「クレバスコ」だった。俺の欲しかった形状で理想的なレザーを使用していたんだ。
Creavaleathco(クレバスコ)について
Creavaleathco~クレバスコとは~
https://www.mensleatherstore.jp/c/brand/crevaleathco
「Craft」「Renovation」「Leather」「Communication」4つのワードを組み合わせて作った造語です。全く新しいものを作り出すのではない。今ある既存のものを、より使いやすくよりカッコ良いものに。その為に、レザー(素材)とコミュニケーションを取りより良いものを作り出していくそういった意味を込めています。
今回紹介する財布を作っているブランド「クレバスコ」について超簡潔に詳細を記載しておこう。「クレバスコ」は革職人の西森 裕矢氏が2013年に立ち上げた個人ブランド。特徴はオーダーを受けてから制作する受注生産スタイルであることだ。
価格は注文する革の種類にもよるがピンキリで、オーダーで作ってもらえる割にはお安いと思う。欠点は受注生産ゆえ新車ばりの長い納期。
なお販売は「Mens Leather Store」が行っている。このユニセックスが加速している状況化で攻めた名前つけおって…。
「ブライドル × ブリランテ コンパクトマルチウォレット」詳細
- ブライドル × ブリランテ コンパクトマルチウォレット
- ¥ 30,800 税込
- サイズ 幅103× 高さ87 × 厚さ6(mm)
- 重さ 46 g
- 素材 外装:ブライドル(クレイトン社製)
- 内装:ブリランテ(イタリア産植物タンニン鞣し牛革)
- 縫製 手縫い
- 仕様 札ばさみ × 1、小銭入れ × 1、カードポケット × 1
- 生産 日本製 / 西森 裕矢(受注生産)
購入したものは「ブライドル × ブリランテ コンパクトマルチウォレット」特徴は名の通り。そう品質の良いブライドルレザーを使用したものが欲しかったのだ。
2022.7現在値段は税込み¥ 30,800で納期の目安は6カ月。俺はほぼ納期通りであったが、流石に長くてオーダーしたの忘れていた時もあった。
なおクレバスコでは他にも同形状でレザーの王様「コードバン」を使用したものがある。俺はブライドルレザー派だけれども、差額大きくないから一般的にはコードバンの方が人気があるのではないだろうか?
「ブライドル × ブリランテ コンパクトマルチウォレット」外観
クレバスコ「ブライドル × ブリランテ コンパクトマルチウォレット」の外観を見ていこう。最近色々なメーカーからリリースされている"札ばさみにカード入れとファスナー付小銭入れが付いた物体"なのだけれど、困ったことにこの形状を表すカッチリとした共通名称は存在しない。
クレバスコ的には「コンパクトマルチウォレット」、日本の革ブランドガンゾは「札バサミ」、土屋鞄製造所は「カードホルダー」、ワイルドスワンズは「ミニウォレット」、違う感があるけれど「フラグメントケース」と呼ぶところもあるし、皆バラバラ。まぁふんわりコンパクト財布ということでイイんじゃないだろうか?
なお当商品とは全く関係ないけれど、この形状でイタリアなど外国ブランドです!って言っているところは、日本人が外国で創業し日本人向けに商品を売っているブランドだ。外国ブランドっちゃ外国ブランドなんだけれど、生粋の外国ブランドかというと、少々首を傾けたくなる。
外国ブランドであるということ自体をウリにしているその商売スタイルがあまり好きじゃねぇなと、私的に思うだけでだから何なのだという話だが、この手のコンパクト財布メーカーでやたらと多い売り方だから一応触れておきたい。
ブライドルレザーが最高
外装には俺の最も好きな革素材なブライドルレザーが用いられている。ブライドルレザーはズボラな俺にとって最高だ。革素材だから経年変化によって様々な表情を見せてくれるのは勿論、強度の高い牛革を使用しているから丈夫だし、比較的防水性が高いのも素晴らしい。
ブライドルレザーは"牛革にオイルや蜜蝋ワックスを塗り込んだもの"なんだけれど、その質感はピンキリ。マジかよ?これ本当にブライドルレザーなのと疑ってしまうようなクソみたいな品質も珍しくはない。
この製品に使われているのは、イギリスの老舗タンナー・クレイトン社(破産して現在スパイヤー社)によるブライドルレザーだ。もうそんなこと関係なしに、見た瞬間に優れたレザーであることが分かる。
ブライドルレザーの特徴であるワックスの浮き出し"ブルーム"が斜めに入っているのが溜まらない。最高だ!なおこのブルームは、拭き取ったり使用しているうちになくなっていき、ツヤツヤのレザーが現れる。
2ヶ月経過すると…
使用2ヶ月ほどでこんな感じ。
接触の多い場所は、ほとんどブルームが落ちて光沢感が薄く深みのある渋いレザー素材が出てきた。ここから年数が経過するとツヤツヤになるのだ。楽しみ。
内装はブリランテレザー
内装にはブリランテレザーが貼られている。イタリアのタンナー『cuoificio M.P.G社』の物とのことだ。同じ牛革でもブライドルレザーとは違ったパリッと明るく色味濃い仕上がり。
販売サイトによると経年変化が薄く「使い込むほどに表面に自然な輝きが増していきつつも、良い意味で無理な色幅の経年変化が出ない」という特徴を持っているようで、正に内装素材に適している素材と言っていいだろう。
内外装とファスナーの色を変えられる
ツートンカラーにもワントーンにも出来る
内装素材と外装素材で色が変えられるのが特徴の一つだ。外装は「ボルドー、グリーン、ダークブラウン、ネイビー、ブラック」、内装は「ブラウン、グリーン、ダークブラウン、ネイビー、ブラック」から選べる。単色で仕上げるのも無難かつシックでカッコいいだろうし、思い切って大胆なカラーに仕上げるのもいいだろう。
俺は「販売サイトのサンプルにない色を選びたい」という謎の天邪鬼精神が働いたので、外装色ネイビー、内装色ブラウンという構成にした。「アズーロ・エ・マローネ」こと紺色と茶色を合わせろなんてイタリアの名言が存在するだけあり無難にカッコよく仕上がった。満足。
ファスナーはYKK製(とても重要)
ファスナーの色も銀と金から選択出来る。
使用しているファスナーはYKKのエクセラ+フラットスライダー。小っちゃいけれど意外とつまみやすいし、開閉感はYKK最高ラインであるエクセラだけあって文句なし(使い始めは硬いが馴染んでくる)。
ちなみにYKKのロゴはスライダー金具裏についており、意図的に見ようとしないと見えることはない。YKKのロゴが見えないと不安になる俺の様なYKK教信者は別だが、一般的には不要なロゴが見えず嬉しい仕様と言えるだろう。
縫い目とコバの仕上げも最高
この商品の素晴らしいところは縫い目だ。店頭に売られているような革製品の大半は、生産性や手間の関係上ミシンなどの機械を用いて縫い付けられているのだけれど、この商品は手間のかかる手縫いで縫われているのだ。
販売サイトの紹介によると…
手間のかかる手縫いステッチをあえて選ぶのには、ミシン縫いでは表現できない様々なメリットがあるからです。一目一目刻んだように引き締まった糸が、表皮に美しい凹凸と陰影を生み出し、規則的で重厚感のあるリズムでステッチラインを演出。また、八の字縫いという2本の糸が交差する縫い方をしており、長期間使用して部分的な擦れなどでステッチが切れた場合でも一目一目が内部でしっかり絡み合っているため、ほつれにくくなっています。
https://www.mensleatherstore.jp/c/brand/crevaleathco/CL-BD-CMW-01
まぁ正直なところ俺みたいな少し革製品が好きなだけのミハーには理解しきれない領域にある。ただ機械縫いと違った「へ」の字が繋がった様なステッチや重なりや曲がりのあるところでも歪みない縫い方なのは感心。
そして何気に合わせ目「コバ」の仕上げもいい。太くシッカリしているのもそうなんだけれど、角が立たないように丸みをつけているのが素晴らしい。見た目がいいし、手触りも柔らかくていい感じだ。
荷物がコンパクトにまとまる
長財布、二つ折り財布と並べてみた。
見ての通り二つ折りした札とほぼ同じサイズしかない故に凄くコンパクト。
そして最も優れているのは薄さ。他の財布の倍以上薄いから、パンツのポケットに入れてもあまり膨らまないのが嬉しい。
薄いけれど出し入れがしやすい
これよりコンパクトな財布は沢山あるのだけれど、それらって札を何回も折りたたまなければならなかったり、小銭へのアクセスが最悪だったりするんだ。そこのところこの形状は最高。札を二つに折って隙間に滑り込ませるだけでいいから楽々。
ボタン止めとかないけれど、摩擦と元の形状に戻ろうとする力があるからシャカシャカ振っても札が落ちることはない。
小銭入れもファスナーを開けて簡単に使用することが出来る。広い"マチ"があるので見た目より大分入るし取り出し性も悪くはない。
カードを収納するとこのような感じ。ただ一番下段のポケットに入れるカードの見た目は考えたいところ。ゆうちょのキャッシュカードはダサいからないな。
シンプルなクレジットカードを正面に持ってくるのがいいだろう。なお重ねて入れれば6枚入らないこともない。革が広がって1枚収納できなくなるだろうしオススメはしない。
小銭入れのファスナー閉めたくねぇってくらい詰め込んでみた。
顔を歪めながらゆっくりファスナーを閉める…意外と閉まった!おそらく二度とここまで詰めることはない。
もう二つ折り財布にしろよ…というくらい入った。無論収納状態の見た目は最悪なので、札小銭5枚以内に収めてスマートにしておきたい。
理想のコンパクト財布を手に入れた!
というわけで「Creavaleathco コンパクトマルチウォレット」でした。
使用しているレザーの品質も良いし、縫製にコバ仕上げも素晴らしい。出来ればこうして欲しいという点がない。理想的な財布が手に入った。完璧!!
完全受注生産ゆえの納期の長さこそ中々だが、そこは仕方あるまい。既製品に好みがなかった場合や品質の高い革製品が欲しいときに利用してみてはいかがだろうか。
欠点は納期だけだと思う。素晴らしい商品でした。
前はキプリスのやつを使っていた。使用感はイイのだが革が値段なり。