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雑貨

FIZAN COMPACT4(フィザン コンパクト4)レビュー [ 4段収縮軽量コンパクトアルミトレッキングポール ]

FIZAN COMPACT4(フィザン コンパクト4)なるドマイナーなトレッキングポールを購入したので、その感想を述べる。

なお山屋でも休日になったら必ず山登りをするわけでもなんでもないクソ雑魚虫なので、その辺はご了承下さい。ただ手に入れた道具について話したいのだ。

購入経緯 -トレッキングポールが壊れた-

山登りで使うトレッキングポールが壊れた。クランプで止める伸縮式だったのだけれど、樹脂パーツが弾け飛んで死んだ。型が古くて交換部品がないそうです。俺が使用し始めてから11年。人から貰った中古品だから実際のところは何年なんだろう。長いこと支えてくれました。お疲れ様です。

というわけで買い替えなのだけれど、色々調べると、俺が使用していた米国メーカー「ブラックダイヤモンド」それと日本のメーカー「シナノ」「リキ」を買うのが間違いないらしい。更にチョイ節約するなら「モンベル」「キザキ」、コスパなら安全規格のシッカリした「ダバダ」辺りというのも分かった。

「ブラックダイヤモンド」「シナノ」「リキ」で決めるのが正解だろう。iPhone、トヨタ車など同様に一過性の流行りじゃない定番に乗っかっていくのが間違いない。若干お高くても性能バッチリ、ブランド品を持つ優越感も湧き上がってくるだろうし、無事折らず曲げずに持って帰ってきたらリセールにも期待出来る。

だが俺の今手元にあるのは「FIZAN(フィザン)」のトレッキングポールである。どうしてこうなった。

FIZAN(フィザン)について

FIZAN(フィザン)は1947年創業。スキーで使用するスノーポール所謂ストックをルーツとして、現在は山や丘で使用するトレッキングポールやノルディックポールを作るイタリアのメーカーだ。商品はすべて「Made in Italy」ということで、中国など人件費がお安い場所で作るメーカーが多い中ここは創業地生産になる。

ただイタリア現地公式ウェブサイト「https://www.fizan.it/」の雰囲気からどことなく伝わってくる通り会社の規模が小さい。加えて日本では日本法人はおろか、キッチリとした代理店すら存在していないメーカーだ。良い意味で物好きなショップが取り寄せて販売しているだけなので、認知度は微妙。

何故俺がそれを手にしたかというと、機能が気に入ったという合理的なものでも、認知度を上げていきたいとかそういう崇高なものでもなく、何となく周りが使ってなさそうなアイテムを身に着けたいと思ったからだ。色々探している内に何となく興味が湧いたからだ。そんなクソみたいな理由。

FIZAN COMPACT4 諸元

FIZAN COMPACT4 (フィザン コンパクト4)諸元

商品番号:FZ-7105
シャフト:アルミ4段
長さ:51-125cm 
直径:17/16/14/12mm
重量:1本169g

本題。
購入したのは「FIZAN COMPACT4(フィザン コンパクト4)」 I字型アルミニウム製4段伸縮スクリューロック式トレッキングポールである。

FIZANのトレッキングポールを現在販売しているもので、ザックリ分けると以下

  • クランプロック式「ADVENTURE」「VOYAGER」
  • スクリューロック式「TREK」「PRESTIGE」「TIERRA」
  • 軽量スクリューロック式「COMPACT」

素材はいずれもアルミ。伸縮機構をねじ込みでロックするスクリュー式と、レバーでロックするクランプ式の2展開となっている。そして俺の購入したのが軽量スクリュー式「COMPACT」。3段収縮の「COMPACT 3」と4段収縮の「COMPACT 4」に分かれるのだけれど「4」を選んだ。

最初にFIZAN COMPACT4の魅力をまとめてしまうと、軽くてコンパクトなのに伸び縮みすることにある。軽くてコンパクトというと三節混のごとく折れ曲がるZ型ポールなのだが、あれらは伸び縮みの範囲が狭く10cm程しか前後しないし、これと同様伸縮式のポールだと重くなりがち。伸縮機構を持ったまま軽量と収納性を極めたのが「FIZAN COMPACT4」なのだ。

FIZAN COMPACT4 外観と特徴

外観を見ていこう。
スッキリとした鉄の棒でしょう?クランプの類がついておらずスマートなビジュアルである。

ALU7075とALU7001という2種類のアルミニウムを合わせて強度を確保しているそうだ。実際使用しても強度に不足は感じない。ジョイント部分にもぐらつきはなく芯のシッカリとした使用感だ。金属に詳しくないので、よく分からんのだが柔い方で力を吸収して、硬い方で支える的な作りなんでしょう。多分…。

なおプリントは特別綺麗でも汚いでもない普通。ガラについてはウ~ン特にコメントのしようがないかな?変でもなく、カッコ良くもなくという感じ。やっぱり普通。

シャフトはスクリューロック式

シャフト伸縮は回転させて固定するスクリューロック式だ。お安い製品で数多く使われている構造であるが、こちらは流石に安物と違って軽く捻るだけでガッチリと固定される。

その名も「FLEXY LOCKING System」(特許出願中)である。『デュポン社製のアルミピンとエキスパンダーは、最小限の強度でロックして、100kg以上の負荷重量に耐えられる、安全で一定した固定を実現します。』とのこと。特許出願は結構前なので、そろそろ認証されただろうか?

内部のジョイントはこんな感じ。勿論他のメーカーとの互換性はない。

ちなみに伸縮式トレッキングポールを使用したことがある人にとって周知の事実なのだろうが、画像白のヤツくらい樹脂パーツを上に押し上げるとロックが効かなくなる。それを知らなかったから2回目の使用時ロックが効かず「コレだからイタリア製はクソがぁ!!」とブチ切れ、10時間の工程にポールなしで挑んだアホが俺。無知は罪。フィザン及びイタリアの皆様誠に申し訳ない。埋めて石を投げつけて下さい。

メモリはレーザープリント落ちにくいらしい

メモリはレーザープリントで他社より落ちにくいことをPRしている。実際前のポールはメモリが全く分からなくなってしまったので、期待はしておこう。

ただし塗装が剥がれたら元も子もないのは変わらない。早速下段側は剥がれてきた。

グリップは細く小さめ

トップのグリップは樹脂むき出しで細め。俺的にコレぐらいが好みだが、ガッチリ握りたい人にとっては心許ないかも。

グリップは小さめで、アンダーグリップはなし。伸縮機構を使えということなのだろう。

なお木製あるいはコルク製に見えるが、スマホケースなどでよく使用されている素材であるTPU樹脂を木製っぽく塗装したものになる。若干プニプニしている。割と雰囲気は出ているものの俺的には木材っぽく塗装しないで、普通の黒グリップが良かった。

ストラップはFIZANロゴとトリコローレがちりばめられた薄手のメッシュ。長さの調整の調整はスムーズで快適だが、代わりに緩みやすくもある。

石付き部分は至って普通 -先ゴムは別売り-

石付き部分は至って普通。
バスケットキャップとスノーバケットが付属。雪国民視点ではスノーバスケットはもっと大き目じゃないと使い物にならないと思う。俺は冬使わないので無問題。

商品と一緒に付属している保護キャップ(画像右)は、登山道を傷つけないために使用する先ゴムではなく、運搬用の保護キャップなのが残念。石突きは特別な形状はしていないため汎用品の先ゴムも装着可能だ。

今回は純正品(画像左)を買ってみた。前使っていたやつはポロポロ取れまくるので接着剤で固定していたのだけれど、これは全然抜け落ちる気配がなくて最高。

4段階伸縮だから短くコンパクト!

「コンパクト“4”」は一般的な3段収縮ではなく、1段多い4段収縮であるため短くコンパクトにまとまる。ザックのサイドポケットにスマートに収納出来て最高。

まぁ短さで言うと折れ曲がるZ型ポールの方がもう20cmほど短くはなるのだが、こちらは一本ストレートだから横幅を取らないのがアドバンテージ。どちらが好ましいかは人による。

「169g」とアルミ伸縮式としては超軽量!

重量は伸縮式ポールでは一本「250g」前後が多いのだけれど、これは「169g」とスマホより軽い。2本合わせても「338g」。

アウトドアにおいて軽さは正義だ。持つと軽くて驚くだけではなく、収納時の荷揺れも明らかに少ない。すっかり慣れて今はコレが普通と思ってしまっているものの買ったときは軽くてビックリした。

公式サイトで「4段トレッキングポールでは世界最軽量」と謳っている通り、収縮機構を持たないポールより重いのだが、この商品は「51-125cm」の範囲で伸び縮みする。伸び縮みするポールでこの軽さは他にない。

FIZAN COMPACT4 のデメリット

デメリットの話をしよう。
世の中色々とトレードオフであるため、軽くてコンパクト伸び縮み機構のシワ寄せは若干ある。

ザックリ羅列すると…

  • あまり好まれないスクリューロック式
  • 一般的なポールより多い4段シャフト
  • シャフトが一般的な伸縮式より華奢
  • 折り畳み式より収納サイズが長い
  • 日本での取扱い店舗がほぼない

こんなところだろう。

シャフトの細さは通常使用範囲では何ら支障はない。全体重を掛けてしまったり、岩に挟めたりという場面が何度もあったが全然平気だ。また折り畳み式ポールより長いが細くスマートだから、この辺は好みで済ませていいかなというところ。

スクリュー4段締めるの怠い

まず明らかにイマイチなのは「スクリュー式4段シャフト」であることだ。

ギュッって捻って伸ばして、ギュッって捻って固定して、ギュッって捻って伸ばして、ギュッって捻…。コンパクトにするためとはいえ面倒くせぇわ。4段は多いわ。捻るの面倒くさいわ。クランプ式3段で同じ長さ重量になるマジカルがあったら喜んでソチラにしたい。

まぁ慣れたら両方合わせて30秒ぐらいで組立られるし、安物スクリューと違って少し回すだけでガチッと決まるので想定していたよりは楽ではある。ただなんというか精神的に怠い。

[ 超重要 ] 日本での取扱い店舗がほぼない

そしてこれが致命的。取り扱い店舗がほぼない。実質Web購入しか手段がないこと、店頭でのお試しが出来ない。…のは些細なことだ。問題は補修パーツの購入が面倒なことにある。

ただの金属の棒に見えて、トレッキングポールはいろいろと消耗品がついているのだ。俺はゴム製石突きを付けるからあまり問題ないが、先端の金属はすり減り使えなくなる消耗品。そうそう壊れるものではないとはいえ、ジョイントに使用しているロックプラグは金属ではなくて樹脂。バスケットパーツは言わずもがな。使用するなら定期的な交換は必須。

大手の定番品を購入すれば、壊れた帰りにアウトドアショップやスポーツ用品店に寄ってサクっとパーツを買い終了となるが、フィザンだと無理。石付きとジョイントパーツは、2023.10月現在サラッと見た感じ日本で販売している販売業者は見当たらない。状況によっては、個人輸入する覚悟が必要だ。

一応日本配送対応アウトドア系海外サイト「Ultralight Outdoor Gear」で購入出来る(軽く調べただけだから他にも良いサイトがあるかもしれない)。

ポール本体を「Ultralight Outdoor Gear」で購入したが、到着に3週間ほど掛かったものの問題はなかった。

FIZANは良い商品だがオススメはしない。

FIZAN COMPACT4は、伸縮式アルミトレッキングポールとしては最高に軽くコンパクトにまとまる。特に伸縮して自分の扱い易いサイズに出来る快適さそのまま51cmと短くなるのは感動的だ。

ただ冷静に考えれば考えるほど、山の中で振り回す実用製品なのに正規取扱店がないのは痛い。FIZANの商品を買う際には、個人輸入に抵抗はないか?すぐ治せなくて大丈夫か?トラブルやパーツが消耗した時のことまで考えて欲しい。良い製品ではあるものの、有名ブランドを蹴って選択する強みがあるかというと微妙。

「使用用途にバチバチにハマる」「イタリア製に高揚感を感じる」「人の使っていないアイテムが使いたい」などなど何でもいいのだが、己の中で納得出来る理由がない限りオススメは出来ない。

俺は海外サイト「Ultralight Outdoor Gear」より購入したが、万が一の初期トラブルなどを考えたらamazon・楽天などで販売している物好きなショップがオススメだ。到着まで約3週間かかり送料をプラスしたら2,000円少々しか浮かなかったので個人輸入のメリットは小さめ。

変化球がお好みであればフランスの巨大スポーツ用品メーカーデカトロン「フォルクラ」ブランドのポールもいいんじゃないだろうか?ヨーロッパからの旅行者が結構このブランドのバックパック使っている印象だ。コスト重視のブランドであるため高性能ではないが超安い。消耗品も購入しやすく。しかも殆どの商品で1年保証付き。

キャンプ用品を中心に爆発的に伸びてきている中国ブランド「ネイチャーハイク」リーズナブルで怪しいブランドより評判も良く、保証も長い。ちゃっかり石突ゴムキャップにビブラムラバー使ってやがる。中華メーカーも侮れない。

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