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RIMOWA HYBRID CABIN S レビュー [ 良くも悪くもハイブリッド 玄人向けリモワ ]

RIMOWA HYBRID CABIN S (リモワ ハイブリッド キャビンS)を入手したからレビューをしていく。

少し大き目スーツケース大好きマンが、数十年ぶりに入手した大人気機内持ち込みサイズについても語っていこうと思う。

過去に『ORIGINAL Check-In M 』のレビューもしているので、興味があればそちらも是非。

アルミとポリカスーツケースを最初に生み出したメーカー

  • リモワスーツケース ラインナップ
    • 「ORIGINAL」アルミニウム素材
    • 「CLASSIC」アルミニウム素材・1900年前半デザイン
    • 「ESSENTIAL」ポリカーボネート素材
    • 「ESSENTIAL LITE」ポリカーボネート素材・軽量デザイン
    • 「ESSENTIAL SLEEVE」ポリカ素材(一部アルミ)・フロントポケット
    • 「HYBRID」ポリカーボネート・アルミニウム素材複合

今回紹介するのは、リモワハイブリッド。上記がリモワで展開しているスーツケースのラインナップなんだけれど、ハイブリッドの特徴はアルミニウムとポリカーボネートを組み合わせていることだ。

リモワはスーツケースの素材が革と木材が主流だった頃に軽量で頑丈なアルミニウムケースを最初に生み出し、アルミニウム主流に移り変わったら更に軽量なポリカーボネートケースを最初に採用したスーツケース業界におけるゲームチェンジャー。

ハイブリッドはそんな歴史を変えてきた2大素材を使用したリモワスーツケースの到達点と言っても過言ではない。…はず。

表面素材は丈夫なポリカーボネート

表面を覆う素材はポリカーボネートだ。金属の中では軽量なアルミより更に軽い樹脂素材である。しかも強靭。

アルミのスーツケースは滅茶苦茶簡単に凹んでしまって、比較的丁寧に扱ってくれる日本国内便でも凹むし、国際便なんて扱い雑だからボッコボコになる。悟りの境地に行き着くまで、一喜一憂することになるが、ポリカーボネートはアルミほど簡単に凹みはしない。そこが強い。

マットカラーは傷が目立たなくて〇

このカラーは「マットネイビー」なんだけれど、公式で公開されていた参考画像より大分マットな印象だ。

エスカレーターかなんかに接触したであろう跡とかボチボチ付いているのだけれど、離れてみると目立たない。ポリカーボネートスーツケース定番のグロス仕上げより好きな人は多いと思う。

なおハイブリッドはシリーズの中でもカラーラインナップの入れ替わりがやたら激しく、2023.4月現在公式で販売されているのはマットブラックのみ。

フレームには薄く硬いアルミニウム

フレームにはアルミニウムが使用されている。
ポリカーボネートは表面素材のように曲がるくらい薄くしなやかにするか、物凄く厚くするかしないと割れるためフレームには向いていないんだ。だからポリカーボネートスーツケースは、割れて上等な安物以外ではジッパーで連結するのが一般的。

この構造の何がいいって、金属で開閉口がガッチリ嚙み合う。ジッパータイプだと雨が染みたり、周りの布を引き裂かれる可能性があるけれど、それがないのだ。

ワンタッチで開閉楽々(重要)

そしてフレーム式の何よりも大きいメリットはボタンワンタッチで開閉が出来ることだ。モノが大きいだけあって、ジッパーギコギコ面倒臭いじゃん。

なお理由は分からないが何気オリジナルシリーズと開閉方向が違って、ハイブリッドは左開き。

角にはアルミのアクセント

角にアルミガードがついているのが、ハイブリッドシリーズの特徴の一つ。

落下時強打しやすい部分にガードを…という見方をするのが素直なのだろうが、エッセンシャルシリーズとの違いを示すアクセントの意図が強いと思う。

スーツケースメーカー大手らしく実用的な作り

トップハンドルはフラット

トップハンドルはエッセンシャルシリーズのものを流用。留め具がアルミ、ハンドルは表面樹脂、裏面がシリコン。

幅をコンパクトにするため完全にフラットになるのが特徴だ。ただフラットだから取りにくさが若干あるのと、2020年製にしてシリコンが既に加水分解しネトネトになり始めているのは気になるところ。

大きく持ちやすいサイドハンドル

横持状態で持つためのハンドルはアルミニウム素材でこちらはオリジナルシリーズで使用されているものと同様。程よく太く握りやすい。

キャビンサイズぐらいだと、このハンドルを握って歩いた方が楽な場面も多いだろう。

好きな位置で固定出来るテレスコープハンドル

アームが2本で好きな位置で止められる無段階式。ハンドルは小さめで女性でも使いやすいと思う。

ちなみに守っている人は物凄く少ないし、このサイズだと俺もやりがちではあるのだが、テレスコープハンドルを使って本体を持ち上げるのはNG。トップハンドルを使うのが正しいお作法。

スムーズな動きのマルチキャスター

キャスターはベアリング搭載マルチタイプ。スムーズかつ静かに回る。

ただ樹脂感を抑えていただきたい。2016年ルイヴィトングループ傘下になって以降ブランド料金モリモリなので、盛ったプライスの数パーセントビジュアル還元してもらってもいいはずだ。昔のように実用重視だからとは言わせない。

ちなみに現在販売されているモデルはキャスターデザインがリニューアルされているが、それもイマイチだと思う。もっと頑張れ。

自在に動く仕切り板

中はリモワお馴染みフレックスディバイダーと名付けられたマジックテープ止め仕切り板。バンドで収納スペースを調整するも良し、取り外してスペースを広く使うも良しと自由自在。弱点は隙間から零れ落ちるような小物。

内装は決して高級感がないわけではないが、2016年ルイヴィトングループ傘下になっ…以下同文。

良くも悪くもハイブリッド

ポリカーボネートボディの軽量さ、アルミニウムフレームの快適な開閉感を手に入れたイイとこどりの素敵なモデルだ。…と言いたいところだが、残念ながら違う。それを紹介していこう。

アルミケースほど高級感はない

パッと見ポリカーボネート素材メインの同社エッセンシャルシリーズと何が違うか分からなかった人が多いのではないだろうか?「角が金属パーツになっただけじゃね」と思った人多いでしょう?

そこが欠点。オリジナルシリーズと同様強靭なフレーム構造でファスナー不採用ワンタッチ開閉可能な優れものだが、表面を覆うのはポリカーボネートだから外見が安価に見える。

そして安価なものが安価に見えるならいいんだけれど、コレのお値段“リモワの中では”安価なエッセンシャル寄りじゃなくて、高価なアルミボディのオリジナル寄りなんだ。

実際のところアルミで補強したエッセンシャルではなく、表面をポリカにしたオリジナルだから仕方ないのだけれど、外見からは伝わらない。

重量は丁度真ん中ぐらい

キャビンSESSENTIAL
(ポリカーボネート)
HYBRID
(ポリカ+アルミ)
ORIGINAL
(アルミニウム)
重量3,1 kg3,7 Kg4,2 Kg

そんでもって、どれだけ軽量化に成功したかというと…微妙。

繰り返しになるが、表面をポリカにしたオリジナルなんだ。だから決して軽くはない。キャビンSだとオリジナルより0.5kg軽く、エッセンシャルより0.6kg重い。

誰もがポリカより高級感を感じるアルミパーツを外して、ペットボトル500ml飲料一本分ぐらいの重量アドバンテージしかないのが弱点。

リモワスーツケースは値段が高い

2023.4現在

言わずもがなリモワのスーツケースの値段は高い。
製品の仕上がりや物価上昇、人件費の高いドイツ製造であることを考慮しても高い。キャスター周りの樹脂、内装の仕切り板とかに関しては、なんでこの値段でそのクオリティなんだとしか思えない。値段相応のクオリティが伴っているならいいんだが、流石にブランド料金盛りすぎなんじゃね?というのが正直なところ。

ただしリモワのスーツケースはリセールが強烈に良い。えぇ…そのボロその値段で買うのかよとビックリするくらいだ。本体の定価もグングン上昇していくので、リセールに期待し購入してしまうのもいいだろう。

キャビンS(機内持込み)サイズへの個人的感想

ここからはリモワハイブリッドというより、機内持ち込みOKなスーツケースについての感想。

なお俺が大型スーツケース派かつ機内持ち込みに夢を持ちがちな人が多いので、チョイ厳しめに行く。経験上機内持ち込みが我が最適解だ!という結論が出ている人は、別に気にしないで欲しい。

※ 「キャビン“S”」と「キャビン」の違いは、機内持ち込み荷物サイズに“正式”に対応しているか否か。「キャビン」でも機内持ち込み出来るらしいが、3辺合計値が3cmオーバーで厳密にはアウト。キッチリ守るか、すっとボケるかは購入者次第。

収納量が少ない

機内に持ち込みOKな小さなサイズかつ伸縮性のないハードケースだから収納量は当然少ない。

衣類とノートパソコンなどガジェットを少量詰めて限界。嵩張るデニムやアウターを入れようものなら即死する。…のだが老若男女問わず人気サイズらしい。謎。

まるで収納量少ない食洗機、まるでバイオハザード序盤のアタッシュケース。服を圧縮し、隙間なく入れてかないと直ぐに満タン。出先で何か追加があっても入らないぜ?預けて受け取るの合わせて精々30分ぐらいだし、急ぎのビジネスじゃなければ待てるだろう?デカいので良くない?というのが個人的な意見。

日帰り出張リーマン向けだと思う。

機内持ち込みは便利だが…

機内持ち込みが楽であるのは間違いない。身の近くにある安心感もある。無理なくサイズ・重量・荷物制限をパス出来るならば、機内持ち込みをしない手はないだろう。

ただ衣類に皴を付けたくない、運搬するものを堅牢なケースで守りたいという理由がない限り“スーツケース”というスタイルである必要があるかは謎。収納力低くて嵩張るスーツケースを選択する理由がない。

転がすから楽?機内持ち込み出来る重量は最大10kg以下と軽量かつスーツケースという物体自体が重いぜ?バックパックとかで良くない?というのが個人的な意見。

日帰り出張リーマン向けだと思う。

機内持ち込みに惑わされず検討して欲しい

「旅行と言ったらスーツケース!機内持ち込み出来たら楽なんじゃね?」という安易な考えで購入している人が余りにも多い故に厳しく書いてみただけで、別に悪いわけではない。

機内持ち込みが便利でコインロッカーに収納しやすいサイズだ。小容量でも間に合うし、スーツケースの方がバックパックよりオシャレでテンション上がるんじゃい!って強い意志があれば何も問題はない。

ただ多くの人がイメージするよりニッチな商品であるのは頭に置いておいて欲しい。機内持ち込みという言葉に惹かれすぎ。

必要最低限を収納、堅牢なハードシェルでパソコンや書類を守り、機内持ち込みで時間を短縮、身に着けずキャスターを転がすことでスーツに皺を付けない。やっぱり基本は日帰り出張リーマン向け。

リモワハイブリッドは玄人向け

最後にサイズの話から再びリモワハイブリッドの話に戻してまとめると…

  • 良く表現するなら…「オリジナルより軽量で値段が安く、エッセンシャルより堅牢」
  • 悪く表現するなら…「オリジナルより高級感がなく、エッセンシャルより重く値段が高い」

お互いの良いところを引き上げ、悪いところを打ち消すそんな事も稀にあるが、これは良いところも悪いところもハイブリッド。世の中上手くいかないもんだ。リモワの店員さんが「あまり人気のあるモデルではないですね」と言っていたのも納得。

大半の人が普通のポリカスーツケースとしか認識しないだろうし、リモワ知っている人も多分エッセンシャルシリーズとの違いが分からない人ばかりだと思う。

ブランド好きの多いであろうリモワで高級な雰囲気など要らない、フレームボディで少しでも軽量なものをという実用特化の玄人向けモデルなのがハイブリッドなのだ。

なお今回は縁があって知り合いから、あまり使ってない腕時計と交換で入手した。ヨドバシカメラで買った並行輸入品だから正規店購入より保障がショボいが、航空会社での保証もあるし問題ないと思っている。

スーツケースシェアNO.1サムソナイトのポリカボディ×金属フレームは、お値段1/3程度で購入出来る。

旅行とかならデカい方がイイ。慣れていない人ほどデカい方がイイ。マジで。

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