Adidas スタンスミス サスティナブル化についての私見 [2020.12 天然皮革→リサイクル合皮]

俺にとって「スタンスミス」は子供の頃から履き続けている愛用シューズ。サイズが合わなくなるまで、ボロボロになるまで履き潰した。大好きな靴なんだ。

だから2020年12月14日アディダスからの発表は、2012年販売中止以来の衝撃が走った。「スタンスミスは、サステナブルへ」ということで、「スタンスミス」をリサイクル素材に変更したのだ。

地球環境に優しいってのは、素晴らしいこと。間違いない。リサイクル素材にするのも特に問題はない。だが個人的には許容できない変更がある。そんな記事。

スタンスミス(STAN SMITH)とは?

今回テーマのみんなご存知シンプルデザインスニーカー定番スタンスミスについてなんだけれど、アディダスから1971年に発表されたもので、その歴史は長い。2021年現在でもほぼ形そのまま販売されているってすげぇなって思うのです。

スタンスミスは、1991年時点で販売数2200万足を達成したスニーカーで、「世界でもっとも売れたスニーカー」としてギネスブックに認定されているのだ。実際のところ「コンバース オールスター」の方が売れているのだけれど、ギネス申請の関係で一応「世界でもっとも売れたスニーカー」である。まあ本当は「世界でもっとも売れたスニーカー」ではないけれど、世界中で愛されるトップクラスのスニーカーであることには間違いない。

ベースとなったのは、1964年にアディダスとプロテニス選手の「ロバート・ハイレット」が生み出したスニーカー「ハイレット」。画像の通り今のスタンスミスほぼそのまま。テニスシューズは当時キャンバス製が主流で、耐久性のあるレザーを使用したモデルは画期的だったようだ。

「ハイレット」は、のち1960年代後半から80年代前半にかけて活躍した、アメリカのプロテニス選手スタンレー・ロジャー・スミス(通称スタンスミス)が愛用。そして1971年に「ハイレット」にアレンジを加えたモデルとして、リリースしたのが「スタンスミス」というわけだ。

スタンスミスの特徴は、シンプルなデザインにある。
基本配色は2種類。過度な装飾がないアッパー(外装)。アディダスのスリーストライプを連想させるベンチレーションホール(通気穴)。そしてシュータンに刻まれた、「スタンレー・ロジャー・スミス(通称スタンスミス)」の顔。

一番有名なのは、白いテニスウエアと、テニスコートの芝を由来とする白と緑(フェアウェイ)のモデル。他にも様々なカラーが展開されているが、基本的にはどれもシンプル。シンプルデザインで様々な服装とマッチし、履き心地が良かったことこそ市場で愛された理由だろう。

2020年12月14日「スタンスミスは、サステナブルへ」

2020年12月14日アディダスは「スタンスミスは、サステナブルへ」をキャッチフレーズにスタンスミスの素材に大きな変更を加えた。リサイクル素材を使用し、動物由来の素材を使用しないビーガン設計に切り替えることをとのこと。リニューアル前の旧モデルについては在庫がなくなり次第、販売終了となるそうだ。

変更点は以下の部分。

1.アッパー素材『レザーからリサイクルポリエステルへ』

従来のスタンスミスは天然革皮素材であったが、レザーと同様の外観、質感を備えた高機能リサイクル素材「PRIMEGREEN(プライムグリーン)」を採用。

スタンスミスのプライムグリーンは50%のリサイクルポリエステルを使用して、日本製プレミアムPUコーティングを施したものとのこと。昨今ヴィーガンレザーとか言うやつ。つまり合皮(フェイクレザー)。

2.アウトソール素材『天然ラバー90%、リサイクルラバー10%へ』

再生可能な天然ラバーを90%、リサイクルラバー10%の組み合わせへ変更。とのことだが、以前のモデルまではゴム底としか記載がなかったからどの程度の変更かは不明。おそらく前までは天然ラバー100%だったのではないだろうか?

3.ライニング、レース、補強材などを『100%リサイクル素材へ』

ライニング、レース、補強材などのパーツを100%リサイクル素材に変更。前述のアッパーとアウトソールを除く細かなパーツは、100%リサイクル素材というわけだ。

新型スタンスミスを見ての感想

全面的に環境へ配慮した素材に変更となっている。中でも注目ポイントは、1のアッパー素材の変更。天然革皮素材から合皮素材に変更になっているところだろう。今回の肝の部分なので、本革と合皮のメリットとデメリットについては後でまとめる。

店頭で実物を見てきたのだけれど、形はほぼ変化なし。ソールやレースについては従来との違いが全く分からなかった。

アッパーの合皮素材プライムグリーンは、パッと見で合皮素材だと気が付ける人ほとんどいないんじゃないかな?ってレベルに仕上がっている。5,000円以下で売られている合皮素材の靴とは格が違う。ただ近くで見たら「あぁ本革ではないな」と分かるし、触るとコーティングされている感が強い。見た目がよく出来ていることは確か。

2020スタンスミス モデル変更後の定価価格

旧モデル定価

「STAN SMITH(M20324)-天然皮革+合皮-」9,612円
「STAN SMITH(CQ2871)-天然皮革-」15.400円

新モデル(リサイクル素材)定価

「STAN SMITH(FX5502)」9,889円
「STAN SMITH(FX5522)」14,300円

通常オリジナルモデルが277円アップ。STAN SMITHロゴの入った上位版が1,000円ダウン。大きな変動はないといっていいだろう。

「リサイクル素材使ったらコスト下がるのでは?」値下げしろよ!と思う人もいるかもしれない。だがリサイクルは、「ゴミ→分別→使える素材へ戻す」という工程で基本的にはコストが上がる。

ただスタンスミスは、ブランド料相当盛っているのは明らか。なので下げようと思えば下げれるはず。値段を下げることは、ブランド低下に繋がるからそう簡単には、しないというところだろう。今後の値下げも期待しないほうが良い。

本革と合皮のメリットとデメリット

スタンスミスの変更したキーポイント「レザーからリサイクルポリエステルへの変更」を客観視するため、本革と合皮のメリットとデメリットをまとめた。

本革素材のメリット/デメリット

本革素材のメリット

1.伸びやすい(馴染みやすい)
天然皮革は伸びる。無論ゴムじゃないからすごい伸びるわけではないけれど、長期利用すると足の形に沿って若干の形状変化が起こる。履き心地が抜群に上がる。これこそが天然革皮が愛される理由。

2.耐久性が優れている
デメリットで挙げている弱点こそあるが、メンテナンスしてやればとても長持ちする。スニーカーの場合ゴムソールがへたる方がはやい。革自体は、ソールが駄目になるまでバッチリ耐え抜く素材。だから安心。

3.通気性が良い
あくまでも合皮と比較してだけれど通気性が良い。革素材は、人間の肌に近い。水分を吸収して発散させる力がある。塞がっているようで、通気性がある素材なのだ。

4.経年変化が楽しめる
経年で味が出てくる。新品の状態とは違った魅力を出せるのが天然革皮のポイント。ただしっかりメンテナンスしていること前提ではある。

本革素材のデメリット

1.水や汚れに弱い
天然皮革は濡れると、シミができたりして痛みが進む。また土汚れなども合皮と比べると染み付きやすい。

2.手入れが必要
水に弱いからコートスプレーを塗布したり、汚れがつきやすいから落としたりメンテナンスが必要。

合皮素材のメリット/デメリット

合皮素材のメリット

1.水や汚れに弱い
合皮は布地を合成樹脂でコーティングしたもの。コーティングが水汚れに対して強い。

2.手入れがほとんど必要ない
上記の通り水汚れに強いからほぼメンテレス。コレこそ合皮の最大のメリット。クリームもスプレーも不要。

3.安価
一般的には天然皮革よりも安い。

合皮素材のデメリット

1.伸びにくい(馴染みにくい)
合皮はほぼ伸びない。故に足馴染みもない。

2.通気性が悪い
コーティングされているから通気性が悪く蒸れやすい。

3.ひび割れが起こる
合成樹脂のコーティングがひび割れを起こす。曲げの激しい部分は特に、ひび割れしやすい。使用頻度によってはあっという間。

以上が、本革と合皮のメリットとデメリット。

革素材もコーティングしているやつがあったり、種類によって特徴が多少変わるが大体はこんな感じ。まとめるとスタンスミスが合皮化して得られたものは、水や汚れに強くなりメンテナンスが容易になったこと。失ったものは、本革素材のメリット全てになる。

スタンスミスがサステナブルに変化した俺の心境

今回のスタンスミスの変更は大きなものだから、多くメディアでも取り上げているけれど、「進化」とか「新時代」とか好意的な捉え方をしている。でも俺個人としては、過去のスタンスミス購入レビューや冒頭で漏らしているけれどクソだと思う。

サステナブル(直訳「持続可能な」)環境に優しいものになるということに対しては文句ない。別に地球環境破壊したいわけではないんだ。俺が気に入らないのは、アッパー素材の変更。革素材から合皮素材に変更したこと一点。

俺がスタンスミスを気に入った理由は「履き心地」と「丈夫さ」にあるんだ。シンプルデザインもシュータンも好きなのだけれど、一番重要なのは「履き心地」と「丈夫さ」。それを実現しているキーポイントは、革素材にあるから変更は許容できない。

合皮素材プライムグリーンの見た目は、よく出来ているのだけれど見た目じゃないのだよ。革素材が持つ、通気性と感触。経年変化による見た目の変化。履いていると伸びて、足にフィットする伸縮性。メンテナンスすれば、いつまでも使えるタフさ。俺が「スタンスミス」求めているのは、合皮素材じゃ実現できないんだ。

合皮素材は長期的に使えないから、地球環境に優しいかどうかの観点だと微妙じゃない?革素材を長く使ったほうが、環境に優しくない?ビーガン使用謳いたかっただけじゃない?消費者に対してほぼメリットなくね?お値段ほぼ据え置き?合皮化はクソ変更でしかない。

まとめ [スタンスミス合皮化は嫌だ]

スタンスミス合皮化はクソだ。
革素材のメリット失って、合皮になって良くなった点は、汚れと水に強くなっただけ。メリット薄すぎ。歴史を見ても革素材であったことが武器であったと思うし、ここまで長い間愛されてきたのは革素材であったことによる履きやすさにあると思うんだ。だからデザインに変化はなくとも本革から合皮になるのは辛い。

「合皮化に文句あるなら別の靴履けばいいじゃない?」というのは正論。ぐうの音も出ない。でも俺にとってスタンスミスという靴は、長年履いてきた愛着のあるものなんだ。出来れば革素材のスタンスミスを今後も履き続けたい。

2021年2月現在アディダス直営店やオンラインストアでは、サスティナブル素材スタンスミスへの移行が進んでいる。だが消費者サイドでは新モデルを購入するメリットが薄いので、革素材旧モデルの購入をオススメしたい。アウトレットやAmazon、楽天などではまだまだ革素材のスタンスミスの取り扱いがあるので、今のうちに購入するといいだろう。在庫がなくなり次第終了となる。

今後も限定で構わないから、本革素材スタンスミスを販売することを切に願う。

本革素材最高!!

もう入手は厳しいな…グッバイスタンスミス。
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