Salomon ELIXIR MID GORE-TEX(サロモン エリクサー ミッド ゴアテックス)を買いました。フィット感がよく、面白い感触だったのでつい…。セールで安くなってたのも拍車を掛けた。衝動買いです。
買ってしまったもんは仕方ないので、グダグダ感想を述べる。
サロモンの中でもお高めな ELIXIR MID GORE-TEX
今回のレビューするのは冒頭の通り Salomon ELIXIR MID GORE-TEX(サロモン エリクサー ミッド ゴアテックス)。
スキー・スノーボードなどアルペン用品で有名なフランスメーカー サロモンの厚底防水ハイキングシューズになる。最近街歩きで流行っている復刻デザインのXT-6とか、その辺を除くとサロモンシューズの中ではトップクラスのプライス定価33,000円(2024.7)。
なお2023年販売されたもので、当時気合入っていたのか、YA〇AH〇CKとか山〇〇谷などなどアウトドアメディアにプロモーション活動しまくっていた模様。お陰様でこのレビュー需要ないんじゃね?って感じ。まぁ気にせず行こう。
ELIXIR MID GORE-TEX 外観
まず外観と特徴を紹介。
俺の購入した色は白と黒に黄色のアクセントが入ったものだ。カラーの名前はファントム(黒)ときて、バニラ(白)レモン(黄)とやたら美味しそうな感じだったりする。ハイキングシューズらしからぬ明るい雰囲気が〇。
万能のミドルカット構造
そこそこ高めのミドルカット構造となっている。
くるぶし周りのクッションを厚盛しているため安定感は抜群。
6段構成でシューレースはフラット
シュータンはシッカリ厚めで、上1段はフック、中段の金物はフックではなくホール(穴通し)の6段構成。
レースは平型で長さ160cmチョイと6段にしては長め。俺は140cmの社外品に後日交換した。
甲周りの圧迫が低くなるよう独特なレーシングパターンとなっている。甲辺りは血管が多く圧迫しない方が快適だとかなんとか。
アッパーとシュータンは連結されていて水が入らないような構造だ。連結部分は表面がビニールレザー、裏地がゴアテックスとなっている。
正直経年劣化しやすいビニールを使ったのはイカしてないと思う。減点。
ゴアテックス搭載だから雨・川で無敵
言わずもがな最強の防水透湿素材ゴアテックスを採用しているのがポイント。内側全体を覆うように入っている。
大雨はへっちゃらだし、水の中に足を沈めても無問題。
メッシュがメインだから防水として涼しい
アッパーはメッシュ素材をメインに随所ヌバックレザーやTPUで随所をガードしている。
ゴアテックスのため直接風が入り込むような作りではないのだが、メッシュ素材のおかげで熱は籠りにくい。
ミッドソールはガッツリ厚底
ミッドソールは厚底。
靴底定番のEVA素材にオレフェンというものを混ぜた「Energy Foam(エナジーフォーム)」は、見た目の印象よりカッチリ固め。
ややこしいカタカナ英語のお話。オレフェン(Olefin)はオレフィンと読むのが一般的らしく、ビニール袋とかマヨネーズの容器とかに使われる樹脂素材の総称だとかなんとか。へー。
自然足運びを誘導するロッカー(ゆりかご)形状となっており、「Reverse Camber(リバースキャンバー)」という独自の名称を持っている。見事な舟形。ドロップは7mm。
横ブレ防止にアクティブシャーシ搭載
側面に横ブレ防止のTPUパーツ「Active Chassis(アクティブシャーシ)」というものが付いている。
シャシーと呼びたい世代なんだけれど、サロモンジャパン的にはシャーシ。まぁカタカナ英語なんて凡そ合ってればいいのです。盛大にズレてなければOK・OK。
アウトソールにサロモン独自ラバー採用
アウトソールには「All Terrain Contagrip(オール テレーン コンタグリップ)」。このレベルのシューズだとビブラムラバー多数派だけれど、サロモンは自社ゴムに自信あり勢。
溝の深さは5mm。パターンは捻りなく前足推進、後足停止、ブレ防止とオーソドックスな感じ。
インソールは薄く固め
インソールは軽くアーチが付いていて薄く硬め。重量は27cmで15g。
良い意味で登山靴らしくなく尖ったデザイン
ビジュアルは登山靴っていう雰囲気が少なく先進的。でも意外とクソ真面目な作りの印象を受けた。
若い世代なら普段履きにしてもカッコイイと思う。コーディネートの強いアクセントになってくれるだろう。
この色で俺みたいな黒髪地味オッサンだと服装からハジけていかないと靴だけ浮くから難しい。黒、茶が無難。でも俺は白を買ってしまった。山で白系色ザックと合わせ輝いて戴くとする。
重量は厚底の割には軽め
重量は27.0cmで481g
ハイキングシューズとしては軽量。ただ厚底で重さのあるレザーも多用しているため、物凄く軽量というほどでもない。
ELIXIR MID GORE-TEX サイズ感
サイズとしてはサロモン公式Webサイトによるとスタンダード(標準)。なのだけれどサロモン的には、という話であって、競合他社比狭い。また付属インソールが薄いので、インソール交換で緩くするのは難しい。
登山系メーカーだとモンベル・キャラバン3Eよりも圧倒的に狭く、スポルティバよりやや広く、スカルパぐらいな印象。ランニング系だとアディダス・アシックス・ナイキあたりの2E規格よりずっと狭く、ニューバランス・ブルックスのD規格よりほんの少し狭い感じ。(あくまでも個人の感想)
ただ自称スタンダードなだけあって滅茶苦茶規格外に狭いわけではない。ミドルカットだから足が入りやすいよう甲回りはそこそこ上下するので、サロモンの中ではゆとりがある方ではある。
足幅が狭いならならいつも通り、普通ならハーフサイズアップ、甲高幅広に該当する自覚があるならハーフ・ワンサイズアップもしくは別のシューズを検討した方がいいかもしれないといった感じ。
サロモンシューズのイメージが湧かないなら試し履きをした方が無難。
ELIXIR MID GORE-TEXで歩いた感想
厚底ランニングシューズのような“ゆりかご”感
いろいろな靴を試し履きするのが好きなんだけれど、履いた瞬間に衝撃を受けるシューズっていうのが稀にある。この靴もそう。
HOKAとかで厚底のハイキングシューズ自体は慣れているのだけれど、それでも驚いた。もう立った瞬間俺自身がロッカー(ゆりかご)。重心は足の真ん中。爪先と踵が宙に浮いていて、前後に重心を掛けるとグラグラ。
ガチランナーが使う厚底ランニングシューズナイキヴェイパーフライとかアディダスアディオスプロとかその辺のヤバい感触がする。どういうこっちゃねん。こちとら不整地を歩くハイキングシューズだぜ?
跳ねて軽やかで膝が楽
…とまぁそんなことを思ったりしたのだけれど、歩きはじめると悪くない。直立立ちしているときは気になったロッカー形状も足裏センターに重心がブレずあるから意外とバランスが取りやすく安定する。
そして厚底ロッカーの武器転がり込み反発する力が大爆発。着地の力が次の足上げに繋がり自然に足がガンガン前に進む。トレイルランニングシューズぐらい跳ねるというかトレイルランニングシューズなんじゃないのか?コレというぐらいだ。
そんでもって厚底特有の横にグニャつく感触が少ない不思議。オレフェン樹脂を混ぜて硬さを上げたミッドソールと足外側に付いている補強材がいい仕事をしているっぽい。
起伏の少ない場所では、ついつい走り出してしまうほど軽やか。足やヒザの衝撃が少ないから下山が楽なのは勿論だし、何より登り終えた後が楽。翌日に疲労が残らないのが最高だ。
厚底らしくガレ場や重荷は苦手
ここまでが良い話。ここから悪い話。
まず厚底シューズでは当たり前の話なんだけれど、起伏の多いガレ場や垂直方向への移動ではいまひとつ。底に厚みがあるため岩を掴むような爪先でのアプローチは厳しいし、岩場など足の接地面が少ない場所では不安定になりがち。
荷物が多い時も不安定になり、逆に足裏に負担がかかる。そこは反発、クッション性とのトレードオフ。やむなし。
横滑りし易く不安定なのが気になる
この靴特有の気になるところとしては、横方向への滑りやすさだ。通常の縦方向だと登り下り共にブレーキが利くのだけれど、足を横にすると途端に滑る。(ゴム素材は悪くない。形状的な問題だと思う。)
アクティブシャーシで固めてんだから横にブレんじゃねぇ!ということなのかもしれないけれど、山登りは当然岩・石・木の根が生えていたりとしていて、必ずしも足裏全体でベストな設置が出来る訳ではない。足を横にして設置したい時もあるし、不安定な場所で滑ってしまう可能性もある。そこで少し弱い。
重心移動が上手く出来ていないと危ないと思う。かく言う俺は微妙。だから岩場の移動がメインとなる縦走、荷物の多くなる泊り、コースのイメージが沸かないような場所、自分にとって難易度の高い場所では使わない。ハードな場面だと楽さよりも横滑りの恐怖が勝ってしまうからだ。
尖りすぎて誰向けなのか良く分からない
結論「ELIXIR MID GORE-TEX」の評価としては万人受けはしないだろうなという感じ。少々尖りすぎてる。
厚底らしく跳ねて衝撃を吸収してくれて楽なんだけれど、ライトユーザーにはもう少々マイルドな方がいい。オーバーペースを作りがち。
それと歩行方法がカッチリ決まっている靴であるのもライトユーザーにはキツイ。横軸移動をすると滑るから縦軸移動が基本になるのだが、慣れてない道歩くのにそんなこと考えている余裕なんてない。ふとした瞬間に足滑らして痛めそうで怖い。
じゃあ山家みたいな玄人って使うんだろうか?こういうの。使わんのだろうなぁ。となると何なんだろうこの靴。山登りに慣れてきた中級者向け?分からん。
トレイルランニングシューズとハイキングシューズの間みたいな感じで楽しい靴ではある。メッチャ跳ねる。刺激を求めているならどうぞ。ただしオススメはしない。
[ 余談 ] 白系色のアウトドアシューズってどうよ?
白のアウトドアシューズは汚れやすい?
ということでエリクサーのレビューは終了。なんだけれど、もうチョイ書きたい。色だ。アウトドア用途に白色ってどうよ?という話をしたい。
このエリクサーミッドのカラーラインナップは現時点でオーソドックスな「黒」「茶」。そしてこの「白」がある。なんで俺がこの中で白を買ったのかというと、セールでこの色だけ安かったからだ。
まぁ汚れて当然のアウトドア用途で、積極的に選びたいカラーではないわな。個人的には結構好きだけれど、セールになるのも分らんでもない。
そこでだ。
イメージ通り汚れに弱いのかを検証したい。勝手にイメージしているだけで大丈夫なんじゃね?と。問題ないからみんな白いアウトドアシューズ買えー!と叫びたいわけだ。
レッツ実践投入!!やっぱ汚れ目立つ
よっしゃ白が眩しい新品エリクサーのデビューだ!早速泥水発見!レッツゴー!!
Ooh…帰りたい。(登山開始約30分)
8時間の行程を終えた状態。途中川水で濯いだりしたが、見事に汚物。
岩・土・泥・川・草・残雪と砂場なかったぐらいで、実にレパートリー豊富な山でした。疲れた。
洗ったら大丈夫…(小声)
だがまだ希望は捨てていない。水で流しブラシ掛けをしたらピカピカになんじゃないかと。
こうなるのは目に見えていたからメッシュには撥水スプレーをヌバックには専用の油分補給&撥水ケアを施した。
洗浄完了!新品同然だろう?
いや…嘘つきました。アップにするとこんなもんです。ヌバックは割と綺麗に落ちたけれど、くるぶし周りの白メッシュがやっぱり染みちゃうなぁって感じ。
それと爪先のTPUガードに擦り付いた泥汚れが水と洗剤で軽く擦る程度では取れない。どうせまた山登るからやらなかったけれど、完全に白くするには目の細かいヤスリをかける必要がありそうだ。
でもまぁオシャレなブティックに行くとかじゃなければ全然アリな範囲だと思う。距離離れてみたら分からん。アウトドア用品的な視点なら新品同様みたいなもんだ。
白もアリということにして欲しい。黒系色の2倍ぐらい洗う時間かかったけどな!問題ないからみんな白いアウトドアシューズ買えー!(小声)
おわり。
面白い意欲作ではある。俺以外に履いている人全く見ないが、どうかこの路線を諦めないで戴きたい。
物好き以外は無難に「X ULTRA」辺りがいいと思う。