プーマ ディヴィエイト ニトロ レビュー [ 優しいカーボン厚底ランニングシューズ ]

最近いい歳こいて足のサイズが少し大きくなったからランニングシューズ新調中なのだが、厚底の流れに乗って本気出してきた感のあるプーマのランニングシューズをチョイスしてみた。今まで色んなメーカーの買ったけれど、プーマは何気初めて。

購入したのは上位モデルの一つであるカーボンプレート搭載「 ディヴィエイト ニトロ 」。ちょっと調子こいたね…完全に予算オーバー。あんまりランニングシューズのイメージのないプーマだが、どんなものだか見てみよう!

プーマランニングシューズの人気は微妙

今回紹介するランニングシューズは、知らない人が誰もいないようなビッグブランドプーマのモノなのだけれども、実はランニングシューズのシェアは絶望的。ナイキ、アディダス、アシックスは勿論、走ることに興味ない人だと聞いたことないようなメーカーにすらズタボロに敗北しているのが現状なのだ。

全く商品がなかったわけではなくて、「イグナイトシリーズ」や「スピードシリーズ」など色々販売していたのだけれども、どれも振るわず。PRはいつだって「"短距離走の”ウサイン・ボルト選手が履いているのはプーマですよ!」ってやつ。ボルトは凄いけれども、彼は長距離走者じゃないじゃん。

…というわけでぶっちゃけ長距離ランニングシューズメーカーとしては、微妙なのがプーマだったりするのだが、厚底ランニングシューズブームに乗っかるかのように、ソール材(靴底)を始め使用素材を一新。公式ページの紹介やメディア掲載など広報もいつも以上に努力して、なんか気合が入ったモノをリリースしてきたのが、2021年2月中旬。

それで興味が湧いたからプーマランニングシューズ2021年度2月中旬時点トップモデルにして、現在トップツーの「ディヴィエイト ニトロ(DEVIATE NITRO)」を購入してみたというのが、今回の経緯。

ディヴィエイト ニトロはプーマの本気を感じる。

どんな距離でも最高のパフォーマンスを。
DEVIATE NITROは、進化したテクノロジーにより優れた反発性とクッショニングを超軽量のまま実現。より速く走りやすくするために作られた最高性能のランニングシューズのトレンドを革新する一足です。革新的なカーボンプレートが梃子の働きで着地から蹴り出しまでの力を最大化。クッション性に大変優れているため、マラソンなどの長距離ランニングのパフォーマンスに最適です。

レビューに入る前に簡単に「ディヴィエイト ニトロ(DEVIATE NITRO)」の詳細を説明したい。この商品は、2021年度2月中旬にリリースした最新の軽量反発ソール材「ニトロフォーム」を採用したニトロシリーズの頂点に当たる。(なお現在は、更に改良した上位モデル「ディヴィエイト ニトロ エリート」が存在する。)

話題になった厚底カーボンランニングシューズというやつの一種なのだが、有名な「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 2」を始めとするアレの類ってかなりのハイペースで走らないとカーボンプレートが働かないのよ。つまり誰でも履ける(使いこなせる)というわけではないのが、一般的なんだ。

そこでプーマ「ディヴィエイト ニトロ」は「誰でも履けるみんなの厚底」という上級者ランナー向けの一般的な厚底カーボンとは違ったコンセプトのもとリリース。俺のような健康のために走っているランナーにも、使いこなせる厚底カーボンシューズというのがウリということだ。

毎度のことながら無駄に前置きが長くなったが、実際のところどうなのか商品を見てみよう。

ディヴィエイト ニトロ 外観

アッパー

ディヴィエイトニトロは、2021.09現在計4色(海外販売やアッパー変更verを含めると他にもあるが)存在するが、俺の購入したのは、最も無難カラーである「プーマ ブラック」(品番: 194449_02)。本来的には派手色が好きなのだけれども、これが他の色より安かったのだ。安さは正義!!

このプーマブラックカラーの良いところは、なんと言っても"地味"なところだろう。爪先内側に付いているプーマキャットが多少目立つけれども、遠目に見ると本当に地味。フォームストリップ(側面のストライプ)やヒールに付いているシルバーカラーも目立たないので、ランニング用途だけではなく、プライベートの靴として、黒基調が指定されている職場で使えないこともない。気がする…。

アッパーのメッシュはプーマが「ベンチレータブル・エンジニアードメッシュ」と呼んでいるものが採用されている。外側に薄く通気性の高い所謂普通のエンジニアードメッシュ材、内側に厚めで足のホールド感を高めるメッシュという最近トレンドとなりつつある二重構造だ。

ガチレース用ランニングシューズにありがちな極薄スケスケのメッシュ材ではないので、耐久性は期待して良さそう。

シューレースホール/シュータン

レースホール周りは硬めの素材(ポリウレタンかな?)で覆われている故に紐通りがイイ。レースを引っ張ってやると、スルスルと通るので締め上げが楽。またシュータンは履き口周り以外は、ソコソコ厚めだから締め上げても不快になりにくいのが嬉しい。

ガチランナー用シューズだと間違いなく、レースホールはもっと通しにくい作りだろうし、シュータンも薄くしてくるだろう。ディヴィエイトニトロが、ガチランナーではなく万人に手にとってもらえる靴を目指したのが見て取れる部分の一つだと思う。

あと地味だが、シューレース先端のアグレット(ほつれ止め)にRANの文字とプーマキャットが刻まれているのが好き。こういう小技大切。

トップライン/ヒールカップ

ヒールカウンターは反射素材の夜間ランナーに嬉しい仕様で、履き口周りは非常に薄い。捩じ込むように足を入れると速攻でヘタるだろうから、靴紐を毎回緩め丁寧に履くことを心がけるべき(どんな靴でもそうだけれども)。

採用しているメッシュ素材にホールド性がないのも理由の一つだと思うが、カカト周りを補助する厚めのパッドが左右に入っている。踵抜けの心配はなくなるが、如何にもパッド入ってます!という感触とそれによって生じる隙間があるので、好みが分かれるだろう。

ミッドソール/アウトソール

プーマ新開発にしてこの靴の名称にも使われている「ニトロフォーム」がミッドソールに採用されている。「従来のEVAと比較して46%軽量を実現した」とのことだが、比較対象である"従来のEVA"って、そもそもなんだかよく分からんのであまり意味ない数値に感じる。取り敢えず軽い素材らしい。素材感は割とカッチリしており、押し込むと反発する。

ミッドソールの厚みは、前方30mm、中から後方にかけては35~40mmぐらいとメッチャ厚底。アウトソール(底ゴム)を含めると+3mm。

あとなんかソールの中央から飛び出ているやたらと硬い銀色パーツがあるのだけれども、これは「ヴィジビリティスポイラー」と名付けられた安定性を上げるためのTPUパーツ。ソールの外に突き出す必要があったかは疑問だが、ただの飾りではない。

アウトソールには「プーマグリップ」なるラバーが用いられている。全体的に配置されているため、どの様な着地でも対応できるし、ラバー自体もドライウェット、コンクリート、トラフの上でもグリップする。非常にいい感じ。更に厚みがあり、耐久性に期待出来るのも嬉しい。

アウトソール中央に見えるのが、この靴の最大の見所「イノー プレート」。ミッドソール中央にカーボンプレートが搭載されており、それが覗ける作りになっているのがナイス。

何気に「イノー プレート」「ヴィジビリティスポイラー」搭載しているから世界陸連ルール「靴底に内蔵するプレートは1枚まで」という規定は完全無視しているし、ミッドソール+アウトソールで「ソール厚さ40mm以下」という規定もオーバーしている。俺には全く関係ないが、気になる人は注意して欲しい。

インソール

インソールは、土踏まずとヒールにサポート付きで、クッション性が高いものが使用されている。ソールコミコミで完成している感が、ある靴だからあまりソール交換には向いていないかも。

重量は14gと重くはないが、軽くもない。至って標準的。

ディヴィエイト ニトロ サイズ感

この靴の公称は2Eサイズ。上の画像は同サイズアディダスSL20.2黄色のインソールを下に敷いているものだが、長さ変わらないのに爪先細いのが分かるだろうか。プーマの靴の傾向通り、爪先に向かって窄まりが強いので、"長さ"だけではなく、"幅"に注意が必要。

長さ、履き口、横は一般的だと思うが、甲は低めだし、爪先はタイトな部類だから人を選ぶだろう。甲高、爪先の幅が広い人は、厳しいかもしれない。

甲や爪先幅に心配なければ、ナイキやアディダスと同様のサイズで大丈夫だと思う。アシックスだとハーフアップかな?自信はない。兎に角幅に癖があるので、試着をおすすめする。

ディヴィエイト ニトロ 重量

ディヴィエイト ニトロ重量の公称数値は約255g (27cm)で、俺の27.5cmは266g。ハーフアップで10gアップはチョイと胡散臭いな。実際どうだかは分からん。

ランニングシューズカテゴリーとしては重量級だが、ガチンコレース用を除く厚底ランニングシューズとしては、特別重いわけではない。重量は反発力でカバーするってのが厚底のコンセプトなので、跳ねさえすれば何も問題はない。

ディヴィエイト ニトロ 使用感

ソールの完成度は高い!コンセプトに偽りなし優しいカーボンプレート

ディヴィエイト ニトロで走り出してみると、まず感じるのがクッション性の良さと、重さを感じさせない自然な跳ね上がり。キャッチフレーズである「誰でも履けるみんなの厚底」に偽りなく、どの様な速度域であっても、どの様な着地方法であっても跳ねるのが特徴だ。

いわゆる厚底シューズは、柔らかいクッションによる捻じれが発生したり、速い速度域でなければ跳ねなかったり、特定の着地をしないと効果が薄かったりと結構癖があるのだけれども、そういった点がないのが嬉しい。オールラウンドで楽しいシューズに仕上がっている。

その素晴らしさは、ソールに集約されていると言っていいだろう。まずニトロフォームが素晴らしい!「剛性」「反発」「クッション」の3つを上手くまとめ上げている。程よく跳ねるし、衝撃も吸収する。実によく出来ているバランスの良いソール材だ。そして目玉のカーボンプレートが更にニトロフォームの良さを更に際立ている。捻れに強く、クイックなレスポンスがあるのは、中間にプレートが入っているお陰なのだろう。そしてプーマグリップラバーもあらゆる路面に強い。俺的にソールは完璧!文句なし。

ただ万能、万人向けにした影響で、爆発的な速度が出せないのはこの靴の弱点。バネを想像してもらうと分かりやすいと思う。この靴は柔らかいバネ。軽く(遅い速度)潰せるが、その分反発力は弱いんだ。だから速い速度で走りたい上級者には向いていない。初心者から中級者ぐらいがメインターゲットの商品だろう。

アッパーの締め付けが微妙

あとディヴィエイト ニトロの気になったのはアッパー(外装)。アッパーによる包み込みが弱く、シューレスによる締め上げに依存しすぎている。爪先のサポート、側圧、カカト周りの押さえつけすべてが若干頼りない。キッチリ締めてやらないと、側面の押さえつけが弱すぎるし、カカト周りは浮きあがると悲惨。無論シューレースはキッチリ締めるのが基本なのだから良いのだけれども、アッパー材でも多少押さえつけてくれる作りであるに越したことはない。

それと先端から側面にかけて使われている内側のメッシュアッパーが、水の染み込みに弱いのも気になる。汗や雨を吸収し重くなるし、乾燥も遅いと良いところがない。内側のメッシュアッパーは、素材と形状共に微妙。

使用に耐えないというレベルではないものの、競合他社と比べるとアッパー形状及び素材が一段落ちる印象を持った。

まとめ [ 誰でも履ける!初~中級者にオススメただし… ]

アッパー素材に少々思うところはあるものの、俺の探していた理想のシューズに近い。ショックも吸収して、剛性も高い、そして簡単に跳ね上がって走るのがラクで楽しい。今まで履いたランニングシューズで、一番いい感じ!

ディヴィエイトニトロは、上級者には物足りないモノかもしれないが、俺のような健康のために走っているライトランナーからフルマラソンにチャレンジする人に最適なシューズだ。コンセプトの「誰でも履けるみんなの厚底」に偽りはない。

ただ敢えてスルーしていた大きな欠点が一つ。
定価税込み¥ 19,800!!
初~中級者向けだけれども、一般的なその層がチョイスする値段ではないわな。値段を許容出来るならば、ディヴィエイト ニトロは買い。

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定価より安く買えると思うけれど、ソレでも高い。

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リベレイトニトロ。ニトロフォームオンリー、200g切り軽量シューズ。チョイ安い。

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