発売日をすっかり忘れてしまった故ちょっとばかり出遅れたが、俺も噂の超コスパスマートフォンで世間を賑わせている「Xiaomi Mi11 Lite 5G」を入手した。
大手メディアやらユーチューバーの投稿がたっぷり出回っている状況なので、もう読者サイド的にはお腹いっぱいかもしれないが一記事投じたいと思う。
Xiaomi Mi11 Lite 5G はコスパ最強!
今回のレビュー商品である「Xiaomi Mi11 Lite 5G」は、アンドロイドスマートフォン市場で物凄い話題になっているのだけれどもその理由は「コスパ」にある。そう「コスト」と「パフォーマンス」両方が優れているのだ。その詳細をザックリまとめたものが下記。
- 6.55 インチ FHD+AMOLED ドットディスプレイ
- Qualcomm Snapdragon780G (5G)搭載
- ストレージ6GB RAM128GB
- トリプルカメラ(メイン6400画素)
- デュアルスピーカー(モノラル)
- デュアル nano-SIM 対応
- FeliCa / おサイフケータイ対応
- 定価:43,800円
Qualcomm Snapdragon780G は半年前のハイエンド並
Xiaomi Mi11 Lite 5Gのパフォーマンスを裏付けるものが、CPU「Qualcomm Snapdragon 780G」を搭載していることにある。スマートフォンの性能指標として用いられるAntutuベンチマークスコアが上記の画像なのだけれど「521261」という数値であった。
この50万点台の数値は恐ろしく高い。どれくらい高いかというと前年度10万円台でリリースされた「Samsung Galaxy S20」や「SONY Xperia 1 II」の様なモデルのチョイ下くらいなのだ。43,800円で!
そして同価格帯と比較しても高い。同時期にリリースされた最大のライバル「OPPO Reno5 A」は、30万点台後半。そして日本では大きなシェアを持つ「AQUOS senseシリーズ」だと20万点中間辺りと相手にならない。ついでに我がメイン端末である定価価格74,800円のPixel5は20万点後半だから死にたくなるよね。
それでいてストレージRAMも6GBとキッチリ確保しているし、俺の住んでいる地域的には糞も役に立たないのだけれども「5G」通信も対応しているから完璧。
日本市場を意識したおサイフケータイ対応と販売網
「性能が良いですね、お値段安いですね」というのは中華端末的に良くあることだが、この端末が凄いのは「FeliCa / おサイフケータイ対応」と日本市場でしか使われていないガラパゴス機能も搭載して抜け目のないことにもある。
Suicaで駅の改札を潜り抜ける事も出来るし、idやQUICPayだって勿論対応。もうおサイフケータイ対応で日本スマホメーカーは優位点を築くことは不可能。
あと何気に販売網も広くどこでも買えるのが強い。MVNO各社が取り扱っているし、Amazonや家電量販店にだって売っている。
お値段43,800円!!
極めつけはココ!凄まじいCPUに優れた付加価値もあるのに定価価格43,800円!!MVNOのSIMセットだと2万円前後で購入出来てしまうから恐ろしい。このブチ抜けたコストパフォーマンスは、Xiaomi曰く「効率の良い部品調達」「ハードウェアで5%以上の利益を取らない」「マーケティングのコスト削減」の3点で行われているとのことだ。
特に「ハードウェアで5%以上の利益を取らない」というのは中々イカれていて、この収益だと大量に商品を捌かなければならないし、「マーケティングのコスト削減」どうこうの前にマーケティングそのものが苦しい。それを実現しているのはXiaomiの企業努力なのだろう。
まあ中華メーカーというと個人情報をゴニョゴニョ…的なイメージもあるし、真偽はわからないけれども、どうせ一般ピーポーの個人情報なぞ糞も役に立たないから気にすることはない。
Xiaomi Mi11 Lite 5G の外観と特徴
Xiaomi Mi11 Lite 5G 外装と付属品
外箱はスマートフォン的には定番な形状をした厚紙素材のソレ。ピンクゴールド煌めくロゴの雰囲気がイイですね。やっぱり低価格帯とはいえケチっちゃイカンのよ「どこぞのメーカー」にも見習って欲しいものだ。
付属品は以下
- AC アダプタ(33W急速充電対応)
- USB Type-C ケーブル(A to C 1m)
- SIM 取り出しツール
- Type-C to 3.5 mm イヤホンアダプタ
- 保護ケース
- クイックスタートガイド /保証書
ケチって充電器付属していないメーカーが増えてきた昨今であるが、急速充電対応したACアダプターにUSBケーブルを付属してくれるのは大変嬉しい。
更に有線イヤホン民歓喜のアダプターに、TPUクリア保護ケースまで付いてくる親切精神に溢れた付属品。何なの?優しすぎて怖い。
Xiaomi Mi11 Lite 5G 本体外観
正面(ディスプレイ)
若干黒縁が見えるけれども、フレームレスディスプレイと言っていいだろう。故にフロントのデザインについては、「ディスプレイですね」としか語ることがない。使用されているガラスは、三文品ではなくて割れ傷に強い「コーニングゴリラガラス6」と安心の代物。
Xiaomiが本端末発表会時に"生意気なディスプレイ"と呼んでいた「6.55 インチ FHD+AMOLED ドットディスプレイ」は有機ELらしく発色も良く、リフレッシュレートは90hz(一秒間に画像回数で数値が多い程動きが滑らか)と最新ハイエンドと比較すると劣るものの十分に滑らか。
フロントカメラは、パンチホール型で2000万画素(SAMSUNG製) 。夜景モードも搭載しているお陰で、暗所での写りもソコソコ。
受話口兼フロントスピーカーは1mmに満たない細い穴が空いている。コレくらい小さくても穴開けたほうが、音抜けは絶対的に良い。ディスプレイ内にスピーカー埋め込むより音質面では正解だなと、Pixel5ユーザーは思った。
あと最初から光沢液晶保護フィルムを貼っているのもXiaomi端末の特徴。埃なきクリーンルームで機械によって貼られたであろうそのフィルムは、ほぼ完璧な貼付けを誇る。ただあまり品質は良くなくて滑りの悪さや指紋付着が目立つのが欠点。
背面
背面はサラサラとした磨りガラス素材に色のついたシートを貼り付けたもので、外周は正面ディスプレイと同様にややラウンド形状。まあよくあるガラス系スマートフォンの一種だ。
このXiaomi Mi 11 Liteのカラーラインナップは「トリュフブラック」「ミントグリーン」「シトラスイエロー」と食べ物の名前がついた3色なのだけれども俺の購入したのは一番売れなさそうな「シトラスイエロー」。
「シトラスイエロー」は、薄黄色メタリックで光に当てると黄緑色のような色が見える。この色って黄色が好きな人の黄色なのだろうか?もっと原色寄りでブライトな黄色の方が需要がある気がする。
同社「Redmiシリーズ」の様にトチ狂ったサイズではなくて、小さく大人しいXiaomiロゴなのが嬉しい。俺的には5Gロゴは要らない。
おサイフケータイ対応を示す「フェリカロゴ」PRしたいのだろうけれどもロゴは要らない。
背面カメラ
カメラはトリプルカメラで厚さは2mm程度と薄いのが嬉しい。最近のカメラの配置やデザインで個性付けするのがトレンドであるが、これは比較的地味な方かな?
黒色部分はガラス素材だけれど本体同色の周辺パーツは樹脂なので傷が気になる人は、「別売りの保護シート」を購入するといいだろう。
カメラ詳細は以下
- 6400万画素 メインカメラ(SAMSUNGセンサー)
- 800万画素 超広角カメラ(SONYセンサー)
- 500万画素 テレマクロカメラ(SAMSUNGセンサー)
この端末の面白いのは、現状他の端末ではあまり見られない「テレマクロカメラ」。コレを搭載している故に被写体にかなり寄って撮影できる。
俺はあまりカメラ活用しない陰キャ野郎なので、画質より「自動補正」「起動・撮影速度」を重視しているが、どちらも特に問題は感じなかった。敢えてケチつけるならばコントラストが強くて目で見るより鮮やかに写りすぎる気がする。
側面
現時点「世界で最も薄い5Gスマホ」というだけあって、厚さ公称「約6.8mm」実測でも「7.1mm」と大分薄い。これでバッテリー容量が少なければ「もっと容量増やせアホ!」と文句を言うのだが、「4250mAh 」とそこそこのバッテリー容量を確保出来ているので文句なし。きっとこの中身はミチミチに詰まっているに違いない。設計班お疲れさまです!
ただ欠点は薄いだけあって熱が直に感じられるしパーツが詰まっているためか排熱は微妙。別に持てない程暑くなるわけではないから良いのだけれども…公式の謳う「LiquidCoolテクノロジー」効率的な熱放散とは何なのだろう?
フレームは樹脂にメッキ着色したもの。全色共通で如何にもメッキ!!って感じなのは好みが分かれるだろうか?俺は正直あまり好みではない部分。
よく見るとディスプレイ周辺に黒い樹脂フレームが入っている。視覚的にも薄く見せるテクニックを駆使しているという訳だ。あと黒樹脂周辺のメッキは、艶が少し落としアクセントになるように加工していると芸が細かいのは関心。
「ボリュームキー」と「指紋センサー兼電源ボタン」。指紋センサーの感知速度は良好であるが、ボリュームキーにガタツキがあり安い感じがするのは今ひとつ。
本体上は「赤外線ポート」と「サブマイク」の穴。
本体下は左から「SIMトレー」「マイク」「ジャック」「スピーカー」
「SIMトレー」と「マイク」引き出し穴の形状が同じで、隣り合っているのはよろしくないか?よく見りゃ間違えないだろうけれども間違えたらマイクを破壊してしまうので一応注意して欲しい。
SIMトレーはデュアルSIM対応。ゴムパッキンが付いているので軽い防水形状ではあるようだ。裏面はnanoSIMとmicroSDどちらかを付けれる形状であるため少し分かりにくい。SIMは横SDは縦にして入れる。
取り出し硬いのと、裏表両方カードを入れた状態だと、やや入れにくいのがやや気になった。本体を横にした状態で、挿入するのがコツ。あまり親切なトレイではないな。「AQUOS Sense4」の3倍はマシだけれども。
付属ケース外観
付属品のTPUケースは、完全クリアではなくて少しグレーっぽいから装着すると少し本体色が暗くなる。重さは「19g」と軽い。
TPUが本体とくっつかないようにするためのツブツブパターン。側面に「DESIGNED BY XIAOMI」と刻まれているのが細かい。デザインする程のものじゃなくね?とか思わないこともないが、Xiaomiの名が刻まれていることによる純正感がグッド。
長期的に使えば黄色化するだろうが、本体保護の観点で見れば十分。ボタンも使えるし、カメラ部分なども綺麗にくり抜かれている。コレがあればTPUクリアケースを購入する必要はないわな。普通に嬉しいアイテム。
本体重量
最初に貼ってあった保護フィルムに「Featherweight design (羽根のような軽さのデザイン)」と記載されているだけあって本体サイズから考えると軽い「160g」。公称より「1g」重いのは、多分画面保護フィルムのせいだと思う。
持ったときに「あら?思ったより軽い」となるのが素晴らしい。
Xiaomi Mi11 Lite 5G の良くないところ
防水性低め&無接点充電非対応
一見パーフェクトスペックに見える「Xiaomi Mi 11 Lite」なのだけれど、実は欠点がある。それが以下。
- IP53防水防塵と防水性低め
- 無線充電には非対応
一つ目がこの端末の防水性が「IP53防水防塵」と低いところ。これは防塵性5(最大6)で防水性3(最大8)ということ。防水性3は「少し濡れても大丈夫」レベルで水道水をかけたり、風呂に沈めたりと水圧がかかるようなのはアウト。スマホは水洗いするとか、風呂でスマホ見るというユーザーには駄目。多分コレが一番致命的な人がいるやつだと思う。
二つ目が「無線充電」非対応。使う人は、結構多いのではないだろうか?線繋ぐのって結構面倒だよね。
あとあまり重要視する人は、少ないと思ったから外したけれど「eSIM非対応」俺的には痛かった。
OS「MIUI 12」と「プリインストールアプリ」が喧しい
これは俺個人の好みの問題かもしれない。
端末のOSにはAndroid 11をベースにXiaomiがイジった「MIUI 12」というものが使われているのだけれども付加価値盛りすぎて喧しい。
割と何でも出来るのだが、出来すぎる故に設定がゴチャゴチャしている。思いついた「あの機能あったら便利かも」をすべて盛り込んだかのようなOSだ。「アプリ複製」「セカンドスペース機能」とか光る機能もあるのだが、それを上回るストレス。勝手にアプリキルするなバカ!充電ケーブル接続した時に音鳴らすなアホー!
更に不要なプリインストールアプリケーションも盛り沢山で、Xiaomi系のアプリは当然ながら消せないときた。Androidの強みは"自分"で付加価値を盛れることだと思うのよ。メーカー側で過剰に用意する必要ない。何かをしようとする度に他人のバッグや引き出しを漁っているかのような感じがする。
OSもアプリもとにかく面倒。自分で入れるから余計なことすんな!俺が何故ピュアAndroidOSが好きなのか、思い出させてくれた。
あと標準ホーム壁紙設定で、ユーザー投稿の無法地帯に入っちゃう辺りどうなのよ?世界スマホシェアトップ3の中に入っているXiaomiさん!なんかピカ○ュウいるのだけれど!!他の写真もイラストも多分あまりよろしくないやつだと思うの…。もっと普通の壁紙設定にしなさい。
Xiaomi Mi11 Lite 5G はゲームの動作が不安定
この端末のメリットを打ち消しかねない最大のデメリットが「ゲームで動作が不安定」であること。
「Snapdragon780G」搭載ベンチマークスコアは素晴らしいのだけれどもどういう訳かあらゆるゲームの動作がイマイチ。負荷の軽そうなゲームですらカックカクだし、「Snapdragon720G」の楽天ハンドの方がよっぽど軽快。どういうことだよ…。
「スマホゲームwww」とか草生やしている場合ではない。ローコスト帯でも十分にWebが見られるようになった今性能が上がったスマホで何すんねん。ゲームじゃない?「ベンチマークスコアが高い」「ヌルヌルスクロール」な高性能アイテムを持っている自分にニヤニヤ出来るのは少数派である。
この原因は「MIUI 12 」「QualcommのGPUドライバ」「FeliCa搭載による影響」だの色々言われているのだが、どうでもいいからなんとかして欲しい。これはソフトウェアアップデートによって解決する可能性もあるものの致命的。早期アップデートに期待したいところ。
デメリットというより最早不具合。現状ゲームをするなら買ってはいけない。
Xiaomi Mi11 Lite 5G は万人向けではない
まとめると「Xiaomi Mi11 Lite 5G」は、素晴らしいハードウェアであるが、ソフトウェアに問題と癖があるので万人に進められるものではない。OSのUIについては慣れればいいけれども、「ゲームで動作が不安定」なのは洒落にならない。割と肝心なゲームで性能が発揮出来ないのであれば、この端末のウリであるコストパフォーマンスも考えもの。
ゲームしない、防水いらない、設定を弄るのが苦ではないというならば買い。ゲームプレイヤーは少し様子見したほうが吉。
低下価格高性能だが、俺たちガジェットオタクの楽しいおもちゃの域を抜けられなかったという印象を受けた。2021年度最強Androidスマートフォンになれるポテンシャルは感じたのだけれどもなぁ…惜しい!
回線契約面倒という人も端末だけ購入出来る。
回線同時契約だと半額ぐらいと超格安。