掛け時計が壊れた。
基本腕時計を着けているし、スマホにパソコンあらゆる家電に時計ついているから要らないんじゃねって数週間放置していたのだけれど、やっぱり必要だわ。
何もなくなった壁を何回も眺め、Amazonアレクサにただ時間を聞くだけの無駄な時を過ごしすぎた。我が家の新たな掛け時計ブラウン「BC17W」を紹介する。
ブラウンの時計はオシャレ!
これが今回紹介するブラウン「BC17」である。どうだろう?オシャレでカッコいいだろう!
ここでデザインが好みではない人は、さようならとなる。何故かというとこの時計定価「¥9,350(2022.6現在)」とそこそこ高額なのに、衛星や電波機能もアラームや夜間節電機能も備わっていない単機能時計であるからだ。
これでもか!ってくらい普通の単機能掛け時計だ。強いて言えば秒針がスムーズに回る機能がついている。機能性だけで語るのであれば、ホームセンターに2,000円ぐらいで売っている奴と機能的にはそう変わらないどころか、劣ると言っていい。コストパフォーマンスはすこぶる悪い。
だからこの時計はデザインがすべてといっても過言ではない。時計なんてそんなものだ。というわけでデザインに興味を持った方、値段を理由に踏み留まった方に付いてきて欲しい。
ブラウンの掛け時計の種類
俺が今回購入したのは、正式名称「BRAUN Wall Clock BC17W」なんだけれど、それ以外にもブラウン掛け時計には種類があるので紹介しておく。
- BC06(白/黒/赤/青):秒針・風防なし(直径20cm)¥6,050
- BC17(白/黒):秒針・風防付き(直径30cm)¥9.350
BRAUNの誇る掛け時計ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久展示所蔵品「ABW30」を忠実に再現した「BC06」、それに秒針風防を加えて現代的にアレンジした「BC17」というラインナップだ。いずれも有名なデザイナー ディーダーラムス氏のデザイン哲学 「The Ten Commandments on Design(良いデザイン10ヶ条)」が色濃く宿ったモデルとなっている。
「BC06」だと風防と秒針がついていないことだけ注意してもらって、後はサイズの好みの問題。俺の場合直径20cmだと小さく感じたので、直径30cmの「BC17」にした。
BRAUN BC17 外観
改めて「BC17」の外観紹介に移る。
白色あるいは黒色文字盤に数字のプリントされただけのシンプルな時計に見えて、奥の深いデザインがなされているのでそれを紹介していこう。
なお画像の通り結構洒落たカラーパッケージに入っている。付属品は取扱説明書兼保証書のみで、電池は付属していない。
文字盤の段差がデザインの決め手
文字盤には段差が設けられており2段構成となっている。これ一つで立体的になるだけではなく、長針が回るラインが視覚的になり、長針が文字盤へ近づき視認性がほんの少し良くなるのだ。大変地味な変化ではあるのだけれど、これがこの時計の魅力を生み出していると言っていい。
各針の長さが違ってメリハリが効いている。長針がナンバーインデックスに掛からない合理性もナイスだと思う。
文字盤や背面素材はプラスチック。若干の凹凸加工をすることで如何にもプラスチックな光沢感を抑えているのが特徴。
厚紙の様な落ち着いた質感を持っているので、一般的な白やベージュの壁紙の部屋に馴染みやすい。
数字のサイズが控えめなのが嬉しい
視認性を考慮すると学校や公園にある「SEIKO」「citizen」の様な大きく太い数字がべストではあるのだけれど、家の中で使うには少々大げさに感じるのは俺だけではないはずだ。
このブラウンのサイズ感は、オシャレだけれど視認性も低いわけではない。そんな実用性とオシャレさが両立した実に上手い塩梅にある。
そもそも時計は数字の入っていないバーインデックスで役目を果たせるのだ。そこに数字を入れるのであれば、あくまでも補助程度で十分という判断なのだろう。
ブラウンのコーポレートフォントである「Akzidenz-Grotesk(アクチデンツ - グロテスク)」による数字も美しい。無難に見えて少し遊び心のある「1」「5」の形状が特に好き。
なお「Akzidenz-Grotesk」フォントは、「Berthold」という海外企業から購入できる。お値段5,000円と高いけれど…。
針は滑らかに動くスイープ運針
秒針は、ブラウンの時計全般で共通化されている「黄色」針。白黒のみで構成されているこの文字盤で一際輝くアクセントとなっていてこれがオシャレ。王道な「赤」じゃなくて「黄」なのがイイね最高だ。少々視認性が良くないのは、気にしないでおこう。
また「チッチッチ!」と1秒ずつ進むタイプじゃなくて、機械式時計みたいな滑らかに進むスイープ運針が採用されている。
ムーブメントは中国SHENG BANG社「HD-1688」。「HD-1688 RC step」なる電波対応バージョンも存在するのだが、これは序盤に記載した通り手動で時間調整する単機能ムーブメントである。どんな時計でもそうだが、ムーブメントの単価を調べてはいけない。悲しい気持ちになるだけだ。
精度は平均月差±30秒というのが公称。俺のやつは月-21秒だった。良いムーブメントとは口が裂けても言えないけれど、良いの!俺の私生活は一分一秒を争っていない大丈夫。
なおスイープ運針であるけれど、完全無音ではない。ギアの回る音が割とハッキリ聞こえる。だが後述する点でその弱点は解消されているので安心して欲しい。
動かすのに必要なのは単三電池一本。残念ながら電池は付属していない。
パッケージにわざわざ「Battery not included」と記載している辺りクレームの連絡が多いのだろうか?掛け時計のような1年以上駆動するようなものには、あまり適当な電池を入れたくないのでまぁ良しとする。
長期的に使用しても液漏れの可能性の低い高品質な「パナソニックエボルタ」や液漏れ保障のついている「マクセル」の電池なんかがオススメ。
音の聞こえない静音設計
画像に光が写り込んでいる通り、盤面には強化ガラス風防が用いられている。
高所に設置する掛け時計なんだから風防なんていらないだろう?と思った方は少し待って欲しい。このモデルのようなスイープ運針であっても、秒針がない「ブラウンBC06」のような時計でもムーブメント内部でギアが動くため少なからず音が鳴るのだけれど、風防はそれを抑える効果がある。
そう忘れがちなんだが、風防は衝突からの保護だけではなく静音性を高める効果があるのだ。安価な時計でよく使用されているプラスチック風防ではなく、透明度と遮音性が高いガラス素材なのも嬉しいポイントだ。
更に裏面には大きめなカバーが付いており全面を覆う作りとなっているので、そこでもムーブメントの音を抑える事が出来る。それ以外にも裏面を見ることがあるかどうかはともかくオシャレだし、ムーブメント周りにはホコリが溜まりやすいので地味に嬉しい。
スイープ運針、風防、裏面カバーの3点が組み合わさっているのが、このモデルの静音性の肝なのだ。時計本体に耳を近づけてもムーブメントの音が分からない寝室に設置しても安心な掛け時計となっている。
ブラウン「BC17」デザインがすべて
「BRAUN Wall Clock BC17W」は、凄いカッコいいかなり気に入っている。滑らかに動く黄色い秒針、シンプルで実用的なデザインは、毎日時計を見るたびに買ってよかったなって思える。
それでもなお最後に改めて「BC17」などブラウンの時計シリーズのコストパフォーマンスは良くないと断言しよう。電波や衛星による時刻補正のような機能性も備わっていないし、作りだってプラスチックメインで金属などの高価な素材が使われているわけではない。1万円近辺の値段設定は高いぜやっぱり。
優れているのはただ一つ「デザイン」だ。記事を書いて改めて認識したけれど、いいところデザイン以外なんもない。静音性はこの価格帯なら当然だ。
機能的には時刻がズレるといっても月に数秒だし、正確に時間を表示する道具は他にもある大丈夫!機能の割に値段高いものかったなぁというモヤモヤした感じは、毎日眺めることで解消出来る大丈夫!
デザインが気に入ったなら買い!
王道直径30cmサイズなのが嬉しい。ブラウン掛け時計シリーズでは最も無難なんじゃないだろうか。
小さいから止めたけれど、表側から直接針を動かして時刻調整出来るのは羨ましい。
生産終了品「BNC017」直径30cm。当レビュー対象「BC17」より針が長い。
こちらの方が好きな人もいるだろう。今のところ楽天やヤフーだと取り扱っているので一応リンクを載せておく。