ブルックスゴースト15を購入した。
ランニングシューズはいつも型落ちセール品狙いが多いのだけれど、今回が初めてのブルックスシューズ購入だから思い切って最新作行ってみた。1カ月間ほぼ毎日履き続けてみたので、その感想を投稿する。
世界的ランニングシューズブランドのハズなのだが…
今回レビューするのは、BROOKS(ブルックス)のシューズ。「ゴースト15 レビュー」とかでググってやって来た人には周知の事実だろうけれど、当ブログで取り扱うのは初めてなので軽く語らせて欲しい。
BROOKS(ブルックス)は、1914年に創業したアメリカのランニングシューズブランドだ。アメリカでのシェアはナイキに次いで2位を誇り、かつては1位であったこともある。そしてヨーロッパでもシェア5位以内には入る超有名ランニングシューズブランド。…なんだけれど知ってる?
ランニング業界では、ニューバランス、プーマのような皆が知っているメーカーやホカ・オネオネ、Onみたいな新興メーカーより遥かにシェアがあるのだけれど、どういう訳か我が国では認知度が物凄く低い。ブルックスでググったところで、ブルックスコーヒーしか出てこないし、次いで出てくるのもスーツで有名なブルックスブラザーズという悲しみ。恥ずかしながら俺もランニングを初めるまで、全く知らなかった。
アシックスやミズノのような国内ブランドが発展しているのも原因の一つだとは思うが、それにしても実績に対して認知度低すぎる。一番の原因は致命的なくらい「取り扱い店舗」がないことにあると思う。東京周辺を除き各所2~4店舗しかないのはどうよ。まず認識してもらわないと話にならんので、もうチョイ取り扱い店舗を増やす努力をして欲しいところ。
2019年から日本で販売権を持っているのは、超巨大商社伊藤忠商事傘下のアキレス。2020年からガッツリ販売するという計画を立てていたものの、今のところやる気の見えなかった前代理店と大きく変わりないように見える。感染症流行で計画が遅延しているだけということでよろしいか?
という訳で、ブルックスは日本で認知度低いけれど実績と歴史のあるブランドなのだ。
ブルックス ゴースト15 の外観
そんなブルックスシューズで最も有名なのが「Ghost(ゴースト)」。2008年に誕生し今も愛されるロングセラーだ。俺の購入したのは2022.11月販売の最新作「Ghost 15(ゴースト15)」。名の通り15世代目のゴースト。
見た目はザ・運動靴
1万円を超える価格帯のランニングシューズだと、形状が流線形になったり、メッシュ材がスカスカになったりと節々からハイテクが見え隠れするもんだが、このゴーストは昔ながらのザ・運動靴という雰囲気。
サイドにはナイキのスウォッシュ、アディダスのスリーストライプに該当するブルックスマーク(仮)がついている。何という名称なのだろうか?軽く調べた程度では分からなかった。日本語のウィキペディアすら存在しないのな。悲しい。
どっからどう見ても普通に運動靴。ランニングウォーキング用途以外だと、仕事やバイトの立ち仕事には良さげ。普段履きには、相当なファッションセンスが必要。止めといた方が吉。
現在のカラーラインナップは白黒紺とこの青グレー。派手色があると俺的には嬉しかったのだけれど“ゴースト”だから暗色に寄るのは仕方ないか?ただこの青グレー画像で見るとパッとしない印象だったが、実物は思った以上にカッコよく感じた。差し色のオレンジがいい感じ。
細かく見ていくと作りがイイ
アッパーは所謂エンジニアードメッシュ。銀色部分は夜間ランナーにとって嬉しい反射素材。程よい伸縮性と厚みがあり足に優しい。
シュータンはモッチリ厚いアッパーとくっついていないセパレートタイプ。シューレースを強く縛っても感覚が足に伝わらないのが嬉しい。
シューレースは平型で引っ張ると収縮するタイプ。分別をキッチリしていないリサイクル製品特有のザラザラと滑りやすい材質であるためか解けやすい気がする。二重に結ぶか、交換した方がいいだろう。微妙。
ヒールには硬さを確保するためラバーパーツやハニカム模様ガイドがついている。形がヒーローロボットのパーツみたいでぶっちゃけダサ…カッコいいのではないでしょうか?
履き口もタップリとクッション。大変感触が良く、足首と腱の快適性は最高。
全体的に見てまぁ可も不可もなく外観は「運動靴ですね。」という感想しかない。だが細かいところを見ていくと何やかんや1万円超えシューズらしい品質の高さを感じる。
耐久性に期待が出来そうなアウトソール
ミッドソールにはDNALOFTv2というブルックス独自のフォーム材が使用されている。指で押すとチョイ凹んですぐ戻ってくる硬さだ。
厚みはラバー含めず前足部20mm、中足30mm、踵40mmぐらいと前から後ろにかけて厚みが10mm増えていくといった感じになっている。
アウトソールラバーは面積と約3mmの厚みがあり長持ちする構造。画像は新品だけれど、200km近く走った今も見た目あまり変わらないから恐ろしい。
前~中間辺りのラバーが柔く、踵部分が若干硬い。踵に比べて薄い前~中間のミッドソールを補助するためだと思う。
重量はそこそこある
重量は27.5cm(足幅D)で「282g」とプレート入りの厚底に近い。
インソールは18gとカッチリ厚みがあり、アーチサポートが入っているタイプ。俺は好み。
ブルックス ゴースト15 の履き心地 走り心地
これこそランニングシューズのスタンダード
前足部は程よいクッションと接地感があって、中足部には捻じれに強い芯があり、カカト部分には反発のある強力なクッション。これこそランニングシューズ!というスタンダードを極めた走り心地を提供してくれる。こういうので良いのよって感じ。
アッパー、シュータン、ヒールが厚くサポート感があるのも嬉しい。ちょっと暑いなって思う場面もあるものの、足がクッションでガッチリ包まれる安心感は半端じゃない。足の捻じれやブレが発生せず物凄く安定する。コンクリート、タイル、雨天、軽い凍結状態と様々な路面で走ったけれど、グリップ力への不満もなかった。
クッションに身を預けて流れるように走るのもいいし、力強いリターンを利用して素早く走るのもいい。素人から玄人のトレーニングまで安心して使えるシューズだ。ハーフマラソンは余裕で熟してくれるし、俺は走れないけれどフルマラソンでも使えると思う。
若干本格ランナー向け
ゴーストはデイリートレーナー・万人に愛されるシューズをコンセプトにしている靴とのことだから一応指摘しておく。万人向けを目指すなら重心がフラットな方がより良かっただろう。
前足部の傾斜がややあり重心がカカト寄りなのだけれど、前に少しでも力を加えると前傾姿勢になりやすく靴に「前へ進め、カカトで踏み抜け」と鞭を打たれ走っている感がある。これをプラスとするかマイナスとするかは人によるとしか言いようがないが、実力以上のペースを作るシューズの類だ。
素人でも使いやすいし、万人向けと言えば確かにそうなんだが、公園を友人と流しで走るとか、健康のために緩々走る人より、タイムを意識しながらランニングをする人に寄った作りだ。当たり前だけれど、メインターゲットはあくまでも”ランナー”。ハーフ・フルマラソン完走目的と低中速トレーニング用かな?
寒いとDNALOFTv2が硬くなる
ある夜ゴースト15で走り出すと違和感。地面のフィールが鋭く伝わり、反発が少なくカッチリとした走り…アレ?優しさを失ってる。それはそれで悪くはないのだが、ゴースト本来のクッション感がない。どういう事だと思いつつ10分ぐらい走っていると本来のクッション感が戻ってきた。
丁度その夜は氷点下を下回っていたので、もしかしたら!と思い冷蔵庫に靴を入れてみたところ、ゴースト15に使用されているミッドソール材「DNALOFTv2」は寒いと硬くなるというのが判明した。ナイキリアクト・アディダスライトストライク、プーマニトロフォームなど寒いと他社ソールも硬くなるのだけれど、DNAロフトV2程じゃない。別素材と勘違いするくらいカチコチになる。
寒冷地に住んでいる人は、使用前にリビングなどで温めてから使うといいだろう。…と自分で何言っているか正直分からないが、とりあえず寒いとミッドソールが硬くなり本来の性能を引き出せないのは確か。
ブルックスゴースト15 サイズ感
まず長さだがインソールの長さ自体は、他社とあまり変わらない。
だから長さではなくて、ゴーストのサイズで重要なのはウィズ(幅)選びなんだけれど、喜ばしいことにブルックスシューズはウィズの選択肢が、男性だとD・2E・4E(海外モデルのみB)、女性だと2A・B・Dと豊富だ。(細:2A>B>D>2E>4E:広)
日本人男性だと3E幅、女性だとD幅が多く、平成生まれ辺りから男性2E、女性 B幅が増えているとのこと。他社製ランニングシューズだとナイキ・アディダス2E、アシックス・ミズノ2E~3Eの取り扱いが多いので、自分の足幅や普段履いている靴をある程度把握して購入して欲しい。
俺の場合は素足 D なので、Dを選んだのだが、Dという程細くはない。シュータンや踵回りのクッションが厚いため、ゆとりは少ないもののEぐらいな印象。なんとも伝えにくいので他社製品で伝えてしまおう。後日試し履きしたナイキエアズームペガサス39、アシックスGT2000やゲルカヤノ29より若干つま先が細い程度。
少々特殊なので試し履きを推奨したいところだが、取り扱い店舗少ないしなぁ…。ライニング(内張り)に厚みのあるシューズを参考にするといいだろう。爪先、前足部、甲の高さが心配な人はハーフサイズアップかな。俺は最も購入することが多い27.5cmにした。
ブルックス ゴースト15 総評
イイんじゃないでしょうか?
ハンバーガー食べたいと時にマクドナルド、スマホが欲しい時にiPhone、ランニングシューズが欲しい時にゴースト15。そんな間違いない選択肢。
ゴースト15自体には問題がなすぎて、不満を挙げるのが難しいくらいだ。ゆるゆる走る人にはとか、ミッドソールが寒さで硬くなるとか述べたけれど、ほんの些細な事。2022年ランニングシューズかくあるべしって感じ。各メーカー一足はこういうスタンダードなシューズを販売すべきだと思う。
「ランニングシューズが買いたい」とフンワリとした言葉に対しての間違いない回答の一つ。欲しいシューズの傾向とか分からないならこれだ。例え趣向と違っていても持っていて損はない。この靴よりどうあって欲しいとか、そういったベンチマークとして優れている。
素晴らしい靴なのでアシックスゲルカヤノ、ナイキエアズームペガサスあたりの競合シューズを検討している方に候補の一つとして是非加えて欲しい。と言いたいところだが、取り扱い店舗少なすぎて微妙。
認知してもらえなければ存在しないのと同じ。正にゴースト。霊視に成功した貴方に選んで欲しいオススメシューズだ。
面倒だが返品制度を上手く活用して、Webで購入するのもアリかと。色によってウィズ(足幅)が違うのにも注意して欲しい。
やはりこのカテゴリーでの本命はコレだろう「ナイキズームペガサス」